先日届いた2人用協力ゲーム『コードネーム:デュエット』を妻と遊びました。その際のプレイ記と簡単なレビューです。
ルール概要
- 二人用の協力ゲーム
- 25枚のワードカードを5×5で並べる
- キーカードに基づき、協力して導くべき15枚の単語(エージェントカード)が指定される
- 互いのターンでヒントを出し合いながら、15枚の単語を見つける
- 制限時間は9ターンで、それまでに正解を全て見つけなければミッション失敗となる
- NGワードが設定されており、それを選んでも一発でミッション失敗となる
ルールについては、プレイ記の中でも触れていきます。
プレイ記
まず、お試しで1ゲームプレイしました。そのゲームを通じて妻に一通りの流れや、暗殺者(NGワード)のカードを選ぶと即敗北になることなどを説明。このときは特にターン制限を加えず、11ターンで一応最後まで全員エージェントを割り出しました。
本当は9ターンでクリアしないとダメだからね、と伝えて、いよいよ本番。
1ゲーム目
キーカードが右上にうっすら映ってますね。このカードは両面(つまり、私と妻)で内容が異なります。私の視点では、この中の緑にあたる部分のカードが探すべきエージェント(正解)となり、また黒にあたる部分のカードが暗殺者(NGワード)になるわけです。ちなみに緑・黒のどちらでもない一般人カードは選んでもミッション失敗にはなりませんが、選んだ時点でそのターンは終了となります。
最悪でも、暗殺者カードだけは選ばせないようにしなければならない。かといって、あまり丁寧にヒントを出していると9ターンはあっという間に過ぎる。多少厳しくても、1ターンに2枚以上はクリアするつもりでいかないとダメっぽい。
まずは私からヒントを出す。
「りんご、2枚」
ヒントは上記のような感じで出す。ヒントを出された側は、場のカードから「りんご」で想起されるカード2枚を順番に回答していく。正解なら継続、不正解ならその場でターンは終了となる。
「ニュートン」
「正解、あとは?」
「うーん……葉?」
「違います」
もう1枚は「斧」だった。りんごの樹を切る的な意味で。しかし、さすがに遠すぎたか。
「次は私のヒントね。……じゃあ、頭」
「ヘルメットと……どくろ?」
「ヘルメット正解、どくろは違う」
ちなみに後から聞くと、これも「斧」に対するヒントだったらしい。むぅ。
なお、キーカードは上のような構成になっており、一部の緑(正解)は両者で共通となる。今回は「斧」が共通の正解の一つだったということ。
結局、1ターンで1枚ずつ選んでいる。このままでは間に合わん。続けて私がヒントを出すターン。
「ピラミッド、2枚」
「一つはスフィンクスだよね。もう一つは……サハラかな?」
「……ごめん、サハラは暗殺者」
「ええっ!?」
どちらかの暗殺者に当たるカードが選ばれてしまった場合、そこでゲームオーバーとなる。ちなみにこちらの狙いは「スフィンクス」と「どくろ」だった。
「ピラミッドはエジプトでしょ? エジプトだからサハラ砂漠だったんじゃないの!?」
「いやいや、サハラ砂漠ってアフリカでしょ?」
「エジプトもアフリカだよ」
「……マジか」
はっきり言って私は絶望的に地理の知識が弱い。何となくエジプトはサハラ砂漠よりもっと上のイメージだった。フランス語も通じるし、もっとヨーロッパっぽい雰囲気なのかと……。(言い訳)
2ゲーム目
気を取り直して2ゲーム目。ヒントを出すのは妻からだ。初手、かなり妻が熟考した上で出てきたヒントは……。
「ヘビメタ! 2枚!」
「モヒカン」
「正解。あと一つは?」
そう、それが分からん……。ヘビメタと関係があるもう一枚って何?
「うーん……ブタ?」
「それ、暗殺者」
まさかの1ターン目終了。早すぎだろ……。
「何でブタって回答したの?」と妻が問うてきた。
「いや、マイクパフォーマンスとかで『この豚野郎!』みたいに言ってるかなと」
「それ、にしおかすみこじゃん」
「うーむ。で、答は何のつもりだったの?」
「『ジョーカー』だよ。ほら、ヘビメタでジョーカーっぽい人たちいるじゃん」
そう言って妻はスマホを少し操作すると、私に画面を見せてきた。
……節子、それジョーカーやない。KISSや。
3ゲーム目
夜も更けてきたので、次をラストゲームとすることに。しかし、さっきから序盤で失敗しまくっているが、本当にこんなんでクリアできるのだろうか……。
妻「娯楽、3枚」→○パチンコ、○ポーカー、○かまくら
私「大きい、3枚」→○ゾウ、○国、×庭 ※ちなみにあと1枚は「トンネル」のつもりでした
妻「野球、2枚」→○キャッチャー、×トンネル
これで最後という事で気合が入ったのか、ここまでは3ターンで6枚正解と上々の滑り出し。個人的には、序盤は複数の答を共通項で結びやすいためやりやすい。ただ、段々と共通項で結べなくなってきた。理想は先の先まで考えて共通項を見つけ、それに基づきヒントを出す事なのだろうが、長考するとお互い寝そうな時間帯だったので、速やかに進めていく。
私「暗い、1枚」→○トンネル
妻「ビアガーデン、2枚」→○屋上、×財布
残り4ターンで答はあと7つ。自分がヒントを出せるのはあと2回で、その中でまだ提示できていない「財布」「ダイコン」「ナマケモノ」を伝えなければならない。という事は、少なくとも3つの内、2つを一括りにしたヒントを一度は出さなければならない。
「……宝くじ、2枚」
「まず、お金が絡むから財布だよね。あとは……ナマケモノ?」
「正解!」
宝くじを買って金持ちになるという発想はナマケモノである、という偏見に満ちたヒントだったが(つーか我が家も年末は宝くじを買っているが)、無事伝わった。これは嬉しい。
「私の番ね。線路、2枚」
「レールと……素直に考えれば、標識かな?」
「正解!」
私のターン。「ダイコン」を答えてもらえばいいので「野菜、1枚」とヒント。当然妻は正解。これで私側の答は全部伝わった。
運命の9ターン目。残りの答は妻の2つだ。しかし実は、その内1つにはもう当たりが付いていた。
おそらく「汗」が答だろう。
先述のキーカードの仕組みを見てもらうと分かるのだが、こちらにとっての暗殺者カードの内、一枚は緑(正解)になるという決まり事がある(緑/黒/白の構成)。そして、幸いなことにこちらにとっての暗殺者である「汗」「唇」「におい」はまだどれも正解として選ばれていない。つまりこれは、この3つの内のどれかが答ということだ。
そして、今まで妻が出してきたヒントで正解が一つ出せなかったものに「野球」と「ビアガーデン」というものがあった。野球で汗をかく、汗をかいた日にビアガーデンに行く……よって、答は「汗」だ。
なお、上記の思考の流れを妻に開陳するのはルール上、やってはいけない。そのため、妻がどういうヒントを最後に出してくるかは全く分からない。
「最後のヒント。シュールストレミング、1枚」
「……え?」
妻のヒントを聞いて、一瞬固まった。これはどう考えても「におい」を指すヒントだろう。そして、案の定「におい」で回答すると正解だった。
なら、もう一つの答は何だ? 場に残っているカードとこれまでのヒントから、追加回答の一枚を吟味する。
補足:本家『コードネーム』では、相手のヒントで出した枚数+1枚まで多めに回答可能というルールがあります。しかし、『コードネーム:デュエット』では相手の指定枚数に関わらず、好きなだけ回答して構いません。このときは残り1枚のため、たまたま回答が2枚(妻の指定枚数+1枚)の枠内に入っていますが、もしまだ回答すべき答があるなら、何枚でも追加で回答可能です。
「ビアガーデン」のヒントからは上手く想起できなかったので、「野球」のヒントから考えてみる。野球と関連付けられそうな言葉……。
「……『ミス』?」
「正解!」
野球→エラー→ミス、という発想だった。どうやら妻の思惑通りだったようだ。という訳で最終ゲームにして無事9ターンでクリアできました!
ちなみに私が序盤で選んだ「かまくら」は、実は妻の「娯楽」ヒントで想定した答ではなかったらしい。
補足:相手が選んだ回答が緑のカードであるなら、ヒントを出した側は想定と異なっても正解と告げるというルールがあります。但し、そのことについて言及してはいけません。今回で言えば、「それは『娯楽』のヒントで想定した答えじゃないけど正解」と言ってはダメということです。
「じゃあ何だったの?」
「『キャッチャー』。UFOキャッチャーってあるでしょ」
「なるほど!」
感想
面白かった! ほどよい難しさと、それに見合った達成感を備えた協力型ゲームでした。
本家の『コードネーム』ではヒントを出す側と回答者で考えるタイミングが時間差になるため、ダウンタイムが多めですが、デュエットではヒントと回答が交互に回ってきます。なので、ぼんやりする時間が少ない。これは良いですね。
あとは、当たり前だけど、自分と相手がどれだけよく知った間柄かは重要です。たとえば、お試しゲームの最中に、「モモ」「カニ」「野菜」のカードがある中で妻が「食べたい、2枚」というヒントを出したのですが、これで私はすぐに「モモ」「野菜」だと分かりました。何故なら、妻は甲殻類アレルギーだからです。
こういうのは一対一で遊ぶ『デュエット』ならではに感じました。本家のコードネームはチーム戦なので、自身又はチーム内でどこまで互いのことが周知・共有されているのか自信を持ちづらい部分があると思います。そのため、一般論としてのヒントに寄りやすい(チーム内のあるメンバを狙い打ってヒントを出す場合を除く)です。その点、デュエットは2人に関係性が限定されるため、よりコアなコミュニケーションを楽しめると思います。
妻は『私の世界の見方』の2人プレイみたい、と言っていました。確かにそうかも。またそういう意味だと、『ディクシット』の2人プレイにも通じる部分もあるでしょうね。結局は相手が何を考えているか、そこの追求になるわけですから。
ちなみに今回は遊びませんでしたが、より高度なミッションをこなしていくモードもあります。
ミッションでは上のようなワールドマップを使って、各都市毎に敗北条件が異なる中でゲームをプレイする事になります。もう少し慣れてきたらこちらのモードでも遊んでみたいと思います。