あるこじのよしなしごと

東京の片隅で、妻と4歳の息子と三人で暮らしています。 ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、遊んだゲーム、育児について、その他日常などを綴っています。

漫画『笑ゥせぇるすまん』第18話「アルバイト㊙︎情報」感想

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『笑ゥせぇるすまん』第18話の感想です。
感想の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。
他方、あらすじの紹介が主眼ではないので、話の枝葉末節は記載しないつもりです。そのため、本記事を読むだけでは物語の内容は分からない可能性があることも、ご了承下さい。

第18話「アルバイト㊙︎情報」

お客様について

学生の筒井伸一です。名前が何かのネタに掛かっている感じはないですね。

筒井は貧乏学生です。笑ゥせぇるすまんに出てくる学生は大体貧乏な気がしますが……。ともあれ、筒井はお金を稼ぐためにアルバイト雑誌を百円払って購入します。

この時点で、今の世相からすると不思議に感じますよね。昔はアルバイト情報をお金を出して買う物だった、という事実に。現代はアルバイトの情報など、無料で手に入りますからね。

そんな筒井に出会った喪黒さんは、彼に「アルバイトタイムス スペシャル版」なる雑誌を渡します。そこには通常のアルバイトタイムスには載っていない、高給のアルバイトが沢山載っていました。

ちなみに大体、日給10,000〜20,000円のバイトでした。高給? と首を傾げたくなりますが、これは当時と物価が異なるからですね。

そこで当時の物価を調べてみると、連載されていた1970年頃は大卒の公務員の初任給がおよそ30,000円でした。他の尺度だと、ラーメンが100〜110円です。

とすると、日給10,000円を今の物価に換算すると大体70,000円くらいとなりますね。これは確かに高給です!

喪黒さんのドーン!の元ネタ

筒井は喪黒さんと会った後、仲間と雀荘で麻雀に興じます。

しかし、負けが込んでいるようです。友人にツケも合わせて30,000円の負債。先程挙げた、大卒の公務員・初任給と同額です。高額ですね!

ちなみにここで筒井が友人にドーン!とやられていますが、実はこれこそが喪黒さんのドーン!の元ネタなのです。

藤子A先生が『笑ゥせぇるすまん』の続編として描いた『帰ッテキタせぇるすまん』の後書きの中で、以下のように書かれていました。

「ドーン!」とやられる小心な主人公は、まさにぼく自身がモデルだ。ちなみに「ドーン!」は中学、高校からの友人U君が麻雀でアタリ牌がでた時に発する叫び声からとったものだ。

まさに、このシーンで描かれている様子と同じです。藤子A先生も、筒井のようにUさんにドーン!と驚かされていたのですね。

高給アルバイト

借金返済もあり、高給アルバイトをやる事に決めた筒井。数あるアルバイトの中で、筒井が選んだのはスタントマンでした。日給は15,000円です。

しかし、その広告には「映画にあらず」の断り書きが。映画じゃないスタントマンって何でしょう?

なるほど。一応、仕事内容については得心がいく筒井ですが、今度は、本当にこの爺さんがそんな高いアルバイト料を払えるのか? と心配になってきました。

そんな筒井の心配を見越したかのように、スポンサーのお爺さんは現金を前払いします。けれど、このお金、持ち逃げされたらどうするんだろう?

と思っていたら、やはり筒井はその金をそのまま借金の返済に充ててしまいました。おまけに、残りは種銭にするつもりのようですね。

これでお爺さんが麻雀好きとかならまだ良かったかもしれませんが、実はお爺さんからは「女遊びに使え」と言われていました。完全に契約違反です。

消えたお爺さん

大金を懐に入れ、向かう所敵無しの筒井でしたが、雀荘内に居たチンピラに、その羽振りの良さから目を付けられます。

結果的に130,000円強もタカられる事になります。お爺さんから貰った軍資金を全て充てても足りません。困った筒井はチンピラを引き連れてお爺さんの所に向かいます。

しかし、お爺さんが足りないお金を支払ってくれる道理などありません。という事は、チンピラがお爺さんのキャッシュを狙って襲うという事が半ば分かっていながら道案内をしていることになります。

資金の使い込みといい、この事といい、今回のお客様である筒井は非常に悪質なです。絶対絶命のお爺さんですが……。

何と引越しにより、もう居なくなっていました! 

お爺さんが消えてしまった……この瞬間に、筒井のこの後の運命も決まったのでした。

しかし、お爺さんは果たして何処に消えてしまったのか。その真相はというと……。

お爺さん自体が喪黒さんに雇われていた、高給アルバイターだったというオチでした。

この話の喪黒さんは、これといって人間離れした手段を使っていないのが印象的でした。何だろう、舐めプなんでしょうか?

展開の先読みの鋭さこそ人間離れしていますが、アルバイトタイムスの製作、お爺さんの雇用と、普通の人間でもやろうと思えば出来る範囲の仕掛けで、筒井に悲劇をもたらしたのが印象的でした。連載開始初期のような雰囲気を感じますね。

情状酌量の余地なし

ここ何話かのお客様は、人間的な脆さや気弱さによって、喪黒さんに理不尽に不幸な目に遭わされることが多かったです。

しかし、ここに来て久々に情状酌量の余地がないお客様の話でした。金を持ち逃げし、あまつさえ、更なる収奪まで企む。痛い目に遭わされても、仕方ないですね。

以上、『笑ゥせぇるすまん』第18話の感想でした。なお、『笑ゥせぇるすまん』の原型である『黒ィせぇるすまん』の連載は次の19話でラストとなります。