あるこじのよしなしごと

東京の片隅で、妻と4歳の息子と三人で暮らしています。 ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、遊んだゲーム、育児について、その他日常などを綴っています。

漫画『笑ゥせぇるすまん』第22話「単身赴任」感想

 

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『笑ゥせぇるすまん』第22話の感想です。
感想の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。
他方、あらすじの紹介が主眼ではないので、話の枝葉末節は記載しないつもりです。そのため、本記事を読むだけでは物語の内容は分からない可能性があることも、ご了承下さい。

第22話「単身赴任」

お客様について

妻子と離れて単身赴任中のサラリーマン、丹見一人です。名前の由来は、本エピソードのテーマである単身赴任に関連して、「単身」「ひとり」から。

丹見は勤務後、一人飲みをしている最中に喪黒さんと出会います。喪黒さんは、いつもの驚異的な洞察力を発揮し、単身赴任中で孤独である丹見の心情を見事に言い当ててみせます。

その後、喪黒さんは丹見の寂しさを埋める場所を紹介すると言って、一軒の居酒屋に案内します。

「よりどころ」は若女将の露子が仕切る居酒屋でした。露子の接客に安らぎを覚えた丹見はその後、足繁く「よりどころ」に通うようになるのでした。

人生は一度きり

ある日、いつものように「よりどころ」に向かおうとする丹見の前に、喪黒さんが姿を現します。

喪黒さんの前で態度を取り繕おうとする丹見でしたが、露子に対する好意を喪黒さんに見抜かれます。そして、露子に愛の告白をするよう、喪黒さんは唆します。

喪黒さんはしばしば「人生は一度しかない」という言い回しをします。大抵はその後に、だからこそ後悔の無いように自身を解放しろ、という類の事をお客様に告げます。

一度きりの人生という言葉を聞くと、喪黒さんの言う通り、好きな事を自由にやるべきなのかとも思うのですが、『笑ゥせぇるすまん』を読んでいると、あまりそういう気になりませんね(笑)

むしろ、人生は一度きりで取り返しがつかないからこそ、欲望をセーブし、大過なく過ごす事が肝要であるという教訓を植え付けられていく気がします。

さて、喪黒さんが恋のキューピッドになるのは、19話の展開と似ていますね。

散々な結末を迎えた19話と異なり、この話では丹見と露子は結ばれます。

しかし、単純によかったよかった……とはなりません。それは勿論、丹見は独身ではないからです。

破滅が訪れるのはいつも突然です。不意に来訪した丹見の妻に狼狽する丹見の姿で、この物語は終わりを迎えます。

単身赴任と男の夢

単身赴任者の年齢分布について少し興味が湧いたので調べてみたところ、統計について、まとめて下さっていたサイトがありました。

図録▽単身赴任者数の推移

上のサイトの情報によると、単身赴任者が一番多いのは50代前半の層のようでした。

他方、雑誌「中央公論」の読者層についてのデータもあったので、見てみました。

中央公論の媒体掲載料金|雑誌広告ドットコム

「読者特性」という項目のところに、読者層に関する情報があります。それによると、50歳以上の男性が主な読者である事が読み取れます。

単身赴任というテーマはかように、連載雑誌の読者層と深い関連があったのだという事がよく分かりますね。

さて、単身赴任先で、妻の知らない「二号さん」を作るという話は、いわゆる"男の夢"なんでしょうね。これは50代以上といった年嵩の男性だけの話かとも思いましたが、

他にも単身赴任(?)先で恋人を作るという話が出てくる漫画がありました。

競艇がテーマの漫画『モンキーターン』です。

主人公の波多野憲二は競艇選手として、国内の全24の競艇場を飛び回ります。そして、その行く先々で恋人を作りたい!と考えます。といっても、少し想像するだけで、実際に行動に移してはいません。

しかし、同じく『モンキーターン』に登場する蒲生秀隆は、実際に24場に恋人がいると語っていました……凄いですね! 実際の競艇選手の中にも、ひょっとしたらそんな人がいる(いた)のでしょうか?

ただ、波多野も蒲生も作中では独身なので、まだ自由恋愛の範囲といえますが、いずれにせよ、老いも若きも男の考える事はそう変わらないもんだなと笑ってしまいました。

アニメ版との違い

アニメ版では露子が丹見に好意を持つ理由について、少しですが描写が追加されていました。

「よりどころ」において客が多く混み合ってきた際に、率先してお愛想をする事で後の席を譲るなど、丹見が周りに配慮する人間性の持ち主である描写が追加されています。

漫画版では露子が丹見に好意をもつ理由がイマイチ分からなかったのですが、これなら多少納得できます。

また、丹見の妻がやってくる事についても、漫画版では、ほぼ何の脈絡もなく登場します。

これについてアニメ版では、普段から電話のコール音を鳴らす事で互いの生存確認をしていたという情報が冒頭で追加されています。そして、丹見が「よりどころ」に通うようになってからそれを怠ったため、心配した妻が訪ねに来るという流れになっていました。

漫画版では、話の流れについて多少強引であるため、その背景に喪黒さんの超自然的な力が介在しているように、個人的には感じました。

一方のアニメ版では「よりどころ」の紹介や丹見の後押しは漫画版同様に喪黒さんが行っているものの、最終的には丹見の不注意が悲劇に繋がったように感じました。そういう点では、喪黒さんの脅威は多少軽減されている印象を受けますね。

以上、『笑ゥせぇるすまん』第22話の感想でした。