あるこじのよしなしごと

東京の片隅で、妻と4歳の息子と三人で暮らしています。 ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、遊んだゲーム、育児について、その他日常などを綴っています。

漫画『五等分の花嫁』8巻感想

ざっくり言うと

風太郎が五姉妹を見分けるべく奔走する。二乃の再告白。一花の決心。そして誰かが風太郎にキスをする。三玖か五月が怪しい?

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『五等分の花嫁』8巻を読んでの感想です。感想の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。

下記は、過去に書いた『五等分の花嫁』に関する記事です。1〜8巻までに描かれている範囲の情報から、本作の謎である風太郎の結婚相手が誰か及び「写真の子」こと零奈が誰かについて考察しています。よろしければ、ご覧下さい。

感想

二乃の再告白

8巻で最初にある大きな出来事はこれですね。よくこの手のラブコメものでは、誰かが誰かに告白するが、聞こえていないなどで告白した事が伝わらず、そのまま有耶無耶になるということが多いです。

そんな中、本作では、バイクに乗りながら行った自身の告白が風太郎に聞こえていないと理解した二乃が、改めて即告白し直すという流れになりました。

この手のラブコメ作品では普通、なかなか無い流れなので、新鮮ですね。こういった、主人公が他者からの告白を聞き逃すシーンを目にする度に、告白が聞こえていなかったら普通、当人はすぐ伝え直すだろうと常々感じていた自身にとっては、この二乃の行動はとても自然なものとして受け入れられました。

本作は度々、ラブコメにおけるテンプレート的展開を外してくるシーンがあります。風太郎が、女の子が重いからおんぶをしたままでは歩けないと下ろしたり、ヒロイン側からのデートの誘いを休日を自由に過ごしたいという理由で断ったり、などですね。この二乃の再告白も、ラブコメのテンプレに、良い意味で乗らなかった事例だと思います。

一花の決心

また、旅行中には一花のマインドも大きく変化します。

これまでは自身が何かをしたいとしても、長女として振る舞うため、他の姉妹に譲りがちな面がありました。

  • 花火大会の終わりに、線香花火を三玖に譲る
  • 新居の家賃を自身の女優駆け出しの給料から一人で払う
  • 薄着で寒いと云う四葉に自身が着ていた羽織を貸す

などなど、様々な場面で、他の四姉妹に譲ってきた一花。その最たる例は、風太郎への好意を三玖に気遣って押し殺すところでした。

しかし、旅行先での四葉とのやり取りを通じて、心境が変化します。

他の四姉妹に対して過剰に気を遣うのをやめ、自身のしたい事はきちんと主張することを決心しました。

この決心は、風太郎を巡る恋愛模様に影響するのはもちろんとして、その他にもある影響を及ぼすのですが……それについては次巻以降の内容となるため、ここでは言及を避けたいと思います。

中野五姉妹 鑑定士見習い

旅行中にあった、大きな出来事の一つが偽五月騒動でした。

紆余曲折の末に、風太郎は偽五月の正体が誰かを見破るのに成功します。これまでにも、風太郎は五姉妹の変装を見破った事がありましたが、その時は行動や口調といったある種、客観的な要素から変装を見破ったのであって、見た目や雰囲気といったファジーな判断での見破りに成功した事はありませんでした。

その風太郎が、この旅行では五姉妹の祖父からの指導の甲斐あり(?)、初めて五姉妹を言動からの理詰めではなく、ちょっとした所作から見分ける事に成功します! これは嬉しいでしょうね。

しかし、その喜びもつかの間、展望台で不意にキスをしてきた彼女が姉妹の誰なのか、風太郎には分かりませんでした。風太郎の五姉妹を見分ける力は、未だ見習いレベルといったところでしょうか。愛がまだ足りないようですね。

誰がキスをしたのか

8巻最大の出来事が、この五姉妹の誰かによる展望台でのキスです。果たして誰がキスをしたのかは、例によって不明です。しかし、せっかくなので無理やり考察してみました。

誰がキスをしたのかの考察:状況証拠(?)編

まず、本作での描写内容からできる限り理屈で考えてみました。その結果、キスをしたのは少なくとも四葉ではないという結論に至りました。以下、そう考えた理由を記述します。

エピソード「スクランブルエッグ」の最終話で描かれた風太郎の結婚式当日の様子にて、花嫁を抜いた四姉妹の間で、上記のような会話が交わされます。

こっそり聞いたんだけど、五年前のあの日、二人は既にーー

この言葉の後に続く内容は省かれていますが、普通に解釈すれば当然「(二人は既に)キスをしていた」という内容になるのでしょう。

また、「あの日」というのも素直に考えれば、旅行先における最終日を指しているのだと考えます。

では、この会話内容について、もう一段階、想像の翼を広げます。四姉妹は、風太郎と花嫁が誓いのキスをすることを踏まえて上記の会話をしています。この事から考えると、「二人は実はもっと前に初めてキスをしており、それがあの旅行先での事だったのだ」という主旨だったと読み取れます。

となると、もし旅行の時より前にキスをしている事を四姉妹が知っていたなら「旅行先の時に初めてキスをした」という発言は出てこないのではないかと思いました。

ここで四葉について考えてみます。彼女は実は、もっと前にキスをしている事が周知の事実になっています。

それはお正月、家庭教師を続ける風太郎にお礼をするというエピソードの際です。この時、ついうっかりですが、四葉は風太郎の頬にキスをしています。そのため、もし四葉について四姉妹が語っているとしたら、会話の内容は「旅行先で初めてキスをしたらしい」ではなく、「お正月の時に初めてキスしてたよね」というものになるのが自然なのではないでしょうか?

……と現時点で無理矢理、考察してみましたが、

  • 四姉妹における会話の「五年前のあの日」が旅行先での出来事であると明確には語られていない
  • 四葉がお正月にしたキスは、姉妹の間で「キス」として認識されていない(ノーカウントである)可能性がある

などの要素があります。そのため、どこまで当てになるかはかなり微妙な論証ですね……。

誰がキスをしたのかの考察:直観推理編

上の考察では一応、無理やりながら理詰めで考えてみたつもりです。今度は、より直観的、主観的に考えてみました。

そもそもの疑問として、何故わざわざ五月の見た目の時にキスをしなければならないのか? もし自分に置き換えて考えると、他人の変装をして片想いの相手にキスをするのは絶対に嫌です。それはもちろん、変装した他人と誤認されるのは嫌だからです。

では、中野五姉妹の場合はどうか。上の話がそのまま当てはまる訳ではないです。それはもちろん、皆の見分けがつかないからです。しかし、だからといっても、やはり好んで他人の姿をしているときにキスをするとは考えにくいのではないかと思います。極端な話、キスをする五月の姿を風太郎が気に入ってしまったとしたら、言わゆる「敵に塩を送る」事態になりかねません。

実際、旅行中にキスを思い留まった二乃も同じような事を考えていましたね。

それでも、五月の姿でキスをしたのは何故といえば、それはもちろん伝説の鐘が旅行先にしか無いからです。自身の見た目はともかく、他でもないこの時・この場所で伝説の鐘を鳴らし、風太郎にキスをして想いを伝えたいと強く考えたから、彼女は五月の姿であるにも関わらずキスをしたのだと思います。

でも、だとしたら、その人物がしなければならない事があります。それはもちろん、自分が誰かを明かす事です。見た目はともあれ「私は誰々である」とさえ言えばよいのです。しかし、キスをした彼女は何故かそれをしなかった。この事実から、誰がキスをした当人だったかに迫る事はできないでしょうか?

一花の場合はどうか。自分の意志を主張すると決心した後の行動だとしたら、名を明かさないのは消極的に思えます。むしろ身を明かし、そのまま告白をしてもよかったくらいです。この線から、一花ではないと思いました。

二乃の場合はどうか。既に風太郎本人にはっきり告白しているのですから、自分が何者であるかを隠す必要はないでしょう。この線から、二乃ではないと思いました。

三玖の場合はどうか。彼女は当日の朝、風太郎に偽五月であることを看破されています。よって、五月の姿でも自分が三玖であると風太郎には分かると思い込んだかもしれません。だから、三玖だとはわざわざ名乗らなかったのかもしれません。三玖がキスをした可能性は残ります。

四葉の場合はどうか。彼女は明確な描写こそ無いものの、風太郎への好意は何らか持っているでしょう。しかし、自身が風太郎と付き合うのは烏滸がましいと考えているふしがあります。交際関係にはなれないがキスをしたかったのだとすると、自身の正体は隠したいでしょうから名乗らない事も納得がいく話です。四葉がキスをした可能性は残ります。

五月の場合はどうか。彼女だけは本人の容姿ですが、風太郎が他の姉妹と見分けが付くとは思っていないでしょうから、名乗らなければならない前提は他の姉妹と一緒です。その上で、彼女の風太郎に対する好意は作中で未だ明確に表現されていません。風太郎に対する好意があったとしても、ひた隠しにするであろう現状、名乗らないのは自然といえます。五月がキスをした可能性は残ります。

誰がキスをしたかの考察:結論

上で述べた状況証拠(?)からの考察と、直感での考察を掛け合わせると、キスをしたのは三玖か五月という結論になりました。

長々と書きましたが、まあ、ほとんど占いみたいなもんです(笑) 上で散々、理屈っぽく書き連ねましたが、一花や二乃であっても、いざキスをしたら恥ずかしくなったので自分だと言えなかった可能性は充分にあるんですよね。人間なので、衝動的な行動であれば、そこに理屈は通じません。

それなら何でこんな考察をするのかというと、純粋に考えるのが楽しいんですよね。実際に予想が当たるかどうかよりも、考える行為それ自体が楽しくて、色々想像を広げてしまいます。それだけの魅力が詰まっているのが『五等分の花嫁』という作品だと思います。

その他

酒は特別な日に

ちょっと気になった点として、温泉でのマルオの次の発言がありました。

上杉、僕を名前で呼ぶな。それに酒は苦手だ。特別な日にだけと決めている。

酒が苦手と語るマルオですが、作中で「特別な日」が意味するところは、どう考えても結婚式当日ですよね。

ひょっとしたら、結婚式でお酒を飲んだマルオがいつものポーカーフェイスを崩して、本心を吐露するようなシーンが用意されているのだろうか、と思いました。

単行本の表紙

7巻の単行本が出ていた時点で既に予想できる事実ですが、8巻はやはり二乃のウエディングドレス姿でした。となると、9〜11巻はそれぞれ残り三人の花嫁姿が表紙になるであろう事が予想されます。

11巻、五月の花嫁姿が表紙を飾る単行本で完結するのかは分かりませんが、少なくともまだ単行本3巻分は連載が続いてくれる見込みと考えてよいでしょう。読んでいて楽しい作品なので、長く続いてくれるのは単純に嬉しいです。

まとめ

二乃の再告白、一花の他姉妹への過剰な気遣いの払拭、五姉妹を初めて見分けられた風太郎、そしてラストでのキスと内容盛り沢山の8巻でした。今後も展開が楽しみですね!

以上、『五等分の花嫁』8巻の感想でした。


§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。


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