あるこじのよしなしごと

妻・息子2人(2014生:小麦アレ持ち/2019生)と四人で暮らしています。ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、育児、その他日常等について綴っています。

『コンプレット』(4歳の子どもと遊ぶ)

ざっくり言うと

『コンプレット』は数の大小が分かる子なら4歳でも遊べる。完全公開情報なので親からのサポートもしやすい。タイルの数を減らす事でゲーム難度やハンデの調整も可能。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

1〜100までの数が書かれた木の駒を用いて遊ぶゲーム『コンプレット』を息子(4歳4ヶ月)と遊びました。それを踏まえ、4歳頃の子供と遊ぶ際のポイント等を書きました。

ちなみにコンプレットのルール概要やレビューについては、以下の過去記事をご参照下さい。

息子について

最初に、うちの息子について簡単に言及します。この位の年齢の子どもは個人差が大きいので、どんな感じの子どもなのか、情報を提示した方が良いと考えたためです。

  • 文字:ひらがなは読める。カタカナは少し読める。字を書くのは難しい。絵本を一人で読むことは難しい。
  • 数字:好き。数字の大小は分かり、時計も読める。簡単な足し算引き算まで出来る。
  • 集中力:続かない。一つのことをやり続ける様子はあまり見られず、気まぐれに短時間で複数の遊びを渡り歩く。
  • 協調性:低め。他の子と遊ぶよりも一人で遊ぶ方が好き。子供よりも保護者に構ってもらいたがる。

ゲーム記

初期配置

まずは裏向きにタイルを集めるところから。これは簡単にできますね。ちなみに通常ルールでは17枚引くべき所を息子は10枚だけ、私は15枚引くことにしました。

次に、1枚ずつ引いての初期配置。あらかじめルール説明はしていたものの、何もフォローせずに本人にやらせようとすると時々、手が止まりました。そこで、子どものタイルの端から端までを指差しながら、「一番左が1で、一番右が100だとすると、引いてきたタイルはどの辺だろう?」と声を掛けると、軽くフリーズした息子も安心したかのように配置できました。

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出来上がった配置がこれ(写真左手)。[60]がもう一つだけ右でもいいかな? と思うものの割とそれっぽい配置になっています。

ちなみに息子は通常ルールより1枚少なく計4枚を配置をするようにして、ここでも軽くハンデを付けました。子どもと遊ぶ際のハンデについてはまた後述します。

プレイ中

息子の番から先にやらせる事に。タイルを引いて、数字を見て、自分の列の中で数字が見えてないやつと交換するんだよ、と説明する。

説明した直後は問題無くできたのですが、ちょっと気を抜くと空白のタイルと入れ替えるのではなく、そのまま間に入れようとしますね。数字の大小関係としては正しい位置に入れられていたけれど、それだといつまでもゲームが終わらないので、違うよと都度伝えて補正しました。言われると本人も、そうだった、という感じで正しい処理をしてくれます。

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途中経過。段々表向きの数字タイルが増えてきます。

ゲームが進むと、徐々に自身が取れないタイルが出てきます(たとえば、上の画像に対して、[77]など。[75]のすぐ隣が[80]なので、そのままでは[77]は取れません)。このとき、やはり上で書いたのと同じく、タイルとタイルの間に入れようとするので、取れないやつは置いておくんだよー、と声を掛けます。すると、ふーんという感じで従ってくれました。

本来、取れなかったタイルは以降の手番で誰が取ってもよいのですが、初回はそれをせず、本人が取れるようにしました。しかし、ここで本人に取らせる際には、その準備として自身の列のタイルを入れ替える必要があります(上の例だと、自分の列の空白タイルを[75]と[80]の間に入れるという事です。こうする事で、その次の手番で[77]を取れる状況になります)。このタイルの場所を入れ替える処理が、息子には一番ピンときていなかったですね。次の番で取るために入れ替えるんだよ、と声を掛けても、全く無関係な所でタイルを位置交換しようとしたり……。数字の大小判断よりも、タイル列の入れ替え処理の方が、子どもにとってはその意味が理解しづらいみたいでした。

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というわけで、その辺の処理は何回か手伝いましたが、最終的には自身の前の列の全てを数字をオープンした状態で並べ、無事にゲームを終える事ができました!

その後、更に2ゲーム遊んで計3ゲームプレイしました。息子の評判も上々で、また遊ぼうと言ってくれたので、導入としてはとりあえず成功です。

感想

遊べるかどうか

数字の大小関係さえ分かれば、多少フォローすれば4歳からでも十分遊べますね。何しろ、このゲームは自身で隠し持つ手札のようなものがありません。全て公開情報となるので、サポートもしやすいです。ババ抜きなどは原則、相手の手札は見られないのでサポートもやり辛いですが、このゲームは子どもが自分でやる事を尊重しつつ、自然と手出しができるのが良いです。

初期配置や、タイルを引いて数字の昇順が崩れない場所に入れる処理は、思いのほかスムーズにできました。しかし、自身のタイル列を入れ替えてタイルを受けられるようにする処理は難しかったようですね。

そもそも何のためにタイルの場所を入れ替えるのか、まだ完全には腑に落ちていない感じでした。ここの判断ができてくると、より主体的にゲームできるようになるでしょう。

なお、隣接する数字を配置できたら連続して手番が行えるなどのルールは、あっさり把握していました。2回連続で手番を行えるのは嬉しいですから、息子も積極的に理解できたのかなと思います。

難易度・ハンデの調整

難易度調整ですが、使う駒の数を減らす事で可能です。通常は1〜100までの駒を使いますが、ここをたとえば50までに減らすなどすれば、100まででは多いと感じる子も、理解しやすいでしょう。

ルール難度ではなく勝負におけるハンデという意味では、初期配置時に並べる駒の数&オープン状態で配置する駒の数で差を付ける事で調整可能です。

ちなみに今回は裏向きに並べるタイル/オープンにして配置するタイルについて

  • 息子:10枚/4枚
  • 私:15枚/5枚

に設定してみましたが、これくらいのハンデでも手を抜かずに遊んだら、私が勝ちそうなバランスでした。

このゲームは終盤になる程、なかなかタイルが取れなくなってきて、そこからはタイルの配置をどれほど上手くできるかが関わってきます。大人同士であれば、その判断にも大して差がつかないと思いますが、大人と小さい子だと、やっぱり判断力の差が出ますね。そのため、結構ハンデをつけたつもりが終盤ではむしろ逆転しそうな感じでした。数ゲーム遊んだ後の感覚としては、子ども:8枚/4枚、大人:17枚/5枚(通常ルールと同じ)と、倍くらいの差を付けてもいいかもしれないなと思いました。

今回はとりあえず、当初から息子に勝たせるつもりでプレイしていました。ゲームを覚えていきなり負かすのは、本人のやる気を削ぐことになると思ったからです。しかし、手なりで進めると上述の通り逆転しそうになったので、策を弄して調整しました。ご参考までに、子どもに勝たせる手口を書いておきます。

子どもに勝たせる手口

息子が引いて取れなかったタイルをこちらで取らない

息子が取れなかったタイルが出た時、本来ならそれを私が取って利用することができます。しかし、そうはせずに次の手番で取れるように息子にタイル入れ替えを促し、その次の手番で取らせました。

なお、息子がルールを誤解する可能性があったので、「本当は取れるんだけど、今回は◯◯君が遊ぶの初めてだから、取らないようにするね」と正直に伝えました。

但し、この処置は1ゲーム目だけで、2ゲーム目からは取るように動きました。

タイルの数字を逆さまにすれば取れる状況で取らない

たとえば、[18]と解釈するとそのタイルは取れないが、[81]と解釈すれば取れるような状況において、「これ取れないな〜」などと言いながら、場に放出しました。

ただ、この手口は途中から息子に「それ、逆にすれば取れるよ」と指摘されるようになりました。気付かれた時まで取らないのは不自然なので、その際にはありがとうと伝えながら取りました。

裏向きのタイルの幾つかをあらかじめ把握しておき、展開をコントロールする

究極の手段はこれ。ぶっちゃけイカサマですね(笑)

最初に裏向きにタイルをばら撒く段階で、子どもが手が届きにくいなどでゲーム中に選ばれないと思われる箇所に、数字を記憶したタイルを複数配置します。後はゲーム中、展開に合わせて、そのタイルを自分で選択します。

序盤でそのタイルを選んでも、もちろん何の意味もありません。終盤近く、私も相手も取れないタイルが多く出てくる頃に効果を発揮します。

一番良い使い方は、自分では取れないが相手は取れる数字のタイルを敢えて引くことですね。相手に取れるタイルを確実にトスして、一気にゴールに近付けることができます。

そこまで都合の良い数字のタイルが無い場合には、自分も相手も取れないタイルを引くだけでもOKです。この場合は相手の次の手番で取らせるためのタイル入れ替えを行わせれば、やはり相手の手が一手進むことになりますから。

その他

数字の大小関係の理解がまだであれば、このゲームを遊ぶのは難しいでしょう。ただ、このゲームの駒を使って数字に慣れさせることはできるかもしれませんね。そもそも、1〜100までの数字が印字された木駒という時点で一定の利用価値があるんじゃないかと個人的には思います。この駒を使って数字に慣れさせ、段々と感覚が身に付いたところで、一度少ない枚数で遊んでみるというのもアリかもしれませんね。

まとめ

コンプレットは、子どもに数字の大小に関する感覚があれば4歳でも遊べると感じました。完全公開情報のゲームのため、親からのサポートもしやすいゲームです。ゲームで使う木駒の総数を減らしたり、また各自が受け持つ木駒の数を減らしたりする事で、ゲーム自体の難度やハンデの調整もできます。総じて、小さい子と一緒に遊ぶゲームに向いているゲームだと思いました。

以上、『コンプレット』を4歳と遊んだ際の感想でした。

コンプレット 日本語版

コンプレット 日本語版