学園祭二日目の二乃の様子が描かれる。マルオの元を訪れた二人がパンケーキを振る舞ってみせることで、マルオは胸中にあった零奈の死と五つ子の存在との結び付きについて自覚する。その後、二乃は風太郎に「攻めの姿勢」を見せる。
こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。
漫画『五等分の花嫁』104話「最後の祭りが二乃の場合②」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。
なお、下記は前話(103話)の感想・考察記事、また最近作成した五等分の花嫁の早押しクイズ20問の記事、および感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。
◾️前話の感想・考察記事
◾️感想・考察記事 一覧
★『五等分の花嫁』早押しクイズ(全20問)
出来事のおさらい・感想
104話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。
- 二乃と風太郎がマルオの元を訪れ、パンケーキを振る舞う。
- マルオがかつての零奈との会話を回想し、五つ子と向き合わなかったのは彼女の死を受け入れ難かったが故だったと自覚する。
- 二乃が風太郎にキスをする。
104話はマルオと二乃、二人にフォーカスが当たった回でした。また、マルオの内面描写が行われたのもこの回が初めてでした。
マルオのが零奈の遺した五つ子のことを考え、生活環境を整えたり、家庭教師を雇ったりしている様はこれまで散々描かれてきました。
しかし、その割に五姉妹との交流が浅い……少なくとも、父親のそれとしては足りない点は、何故なのかと多くの人が疑問に思ってきたところでしょう。
今回、それについて一つの答が示されました。104話を読んで、その辺がスッキリした方も多かったのではないでしょうか?
そして、何といっても二乃の風太郎へのキス! びっくりしました。
102話で一花からのキスが描かれた事で、これは二乃もキスをするのでは……? と予想されていた、勘の良い方もいらっしゃったみたいですね。
私はといえば、多少はそうした思いもあったものの、それでもさすがに連続でキスはしないだろう……と結局のところは考えていたので、やはり衝撃が大きかったです!
以下、今回特に気になった点を考察します。
考察
五つ子と零奈を想うマルオ
零奈のファンクラブ会長?
まず、マルオが生徒会長のみならず、零奈のファンクラブ会長まで務めていた事まで分かりました。
以前、零奈が登場した際にはマルオのことを
私のファンらしいです
という言い方をしており、これはマルオが零奈を好きだということを冗談めかして伝えているのかなと思ってました。
しかし、まさかガチでファンクラブを作っていたとは……。これは、マルオの意外な一面でしたね(笑)
幾らマルオが風太郎や五つ子と打ち解けようともこの事実だけは、マルオは墓まで持っていくのではないでしょうか……勇也にバラされたりしない限りは(笑)
そういえば、勇也は先生(零奈)が繋がりを作ってくれたということを匂わせるような発言をしていました。ここから察するに、彼もファンクラブの一員だったのかもしれませんね。
三玖のインタビューを見届けるマルオ
104話では、マルオに電話が掛かってきたのは放送部からのインタビューを受けているタイミングだったと判明しました。
しかし、マルオはその後、すぐに電話を折り返してはいません。
マルオが電話を掛けたのは三玖のインタビューを見終えてからなんですよね。
おそらくマルオは着信に気付くと、すぐにバックコールしようとしたと思うのですが、三玖がインタビューを受けている場面を見て、一旦やめたのではないでしょうか?
そして、三玖がインタビューで受け答えするのを見届けてから、改めてバックコールしたという事になります。
この一件からもマルオが三玖、ひいては五つ子に対して抱いている愛情が感じ取れるような気がしました。
零奈の死を受け入れなかったマルオ
さて、そんな五つ子に対する愛情が描かれるマルオでしたが、彼はお世辞にも「良い父親」とは言い難い存在です。
五つ子との親交があまりにも少ないのですね。それ故に、二乃は寂しさを覚えていました。
これは一体何故だったのか? その理由が104話では描かれました。
二乃のマルオの呼び方が「パパ」ではなく「お父さん」に変化しています。彼女の中での何らかの変化・成長を表す一つのポイントでしょう。
この場面で、零奈が遺した五つ子と向き合う事は、零奈の死を受け入れることをマルオにとって意味していたのだとマルオは内心で独白していました。
これは本編で初めて、マルオの内面が直接的に描かれた場面です。読んでいて、何とも感慨深くなりました。
マルオの気持ちはよく分かる気がしました。自分が彼女らの面倒を見るということ、それは亡き零奈との約束であり、また恩師であった彼女への奉仕の気持ちの表れでもありました。
しかし、零奈の娘を何故養育しているかといえば、それは彼女が死んだからに他ならない。
五つ子を育て、その存在に向き合うことは、零奈に報いるという点でマルオにとってある種の使命を果たす事ができる行為である反面、零奈の死という悲しい事実を受け入れる事とも直結していたのですね。
なるほど、と思わされました。だから、衣食住などでは困ることのないようマルオは気を使っているのに、五つ子との直接の接触は避けていたのですね……。
切ない話ですね。この事から、マルオが零奈に対してどれだけ深い思い入れを持っているかも感じられました。
パンケーキについては、過去に零奈からも話があったようです。
マルオは実際、零奈が作ったパンケーキを口にする事はあったのでしょうか? 私は結局、彼が食べられた機会は無かったのではないかと思いましたが……。
二乃がパンケーキをお店で食べたいと発言した時に、お店で食べさせるのではなく、自分で作るための道具やレシピを用意したという話がありましたが、この時にもマルオは、亡き零奈とのやり取りを思い出していたのでしょう。
そんな彼女が実際に用意してくれたパンケーキ。それを食べながらマルオは、
今度は家族で食べよう
と言いました。実際にペンタゴンで五つ子とマルオが会話しながらパンケーキを食べる日が訪れるのも、そう遠くない未来かもしれません!
ところで、パンケーキを食べたマルオが微妙な表情になっている場面が本話では描かれていました。美味しいのか、そうでないのか、どっちなんだ!? と気を揉んでいる風太郎たちの姿がありましたが……(笑)
生地は三玖が作った物。という事は(という言い方も三玖に失礼ですが)、その出来が良くなかったということになるのでしょうか?
しかし、学校ではパンケーキの評判は良かったのですから、不出来だったとは思えません。
とすると、これはパンケーキは美味しかったが、それを食べたことで亡き零奈のことを思い出したマルオが感情を露わにして泣きそうになるのを留まったが故に微妙な表情になったのではないかと私は解釈したのですが、如何でしょうか?
影の主は風太郎にあらず
何者か(マルオ?)の背後に迫るカット。この場面、もしかしたらマルオに詰め寄る風太郎の姿を描いた可能性もあるのでは? と103話の感想等々で私は書いていました。
しかし、風太郎らは普通に病院のマルオの部屋に入り、会話していましたので、この予想は外れですね。
となるとやはりこの影は、大方の予想通り、五つ子の実父の存在と何らか絡んでいるのでしょうか……?
特に本話では、上でも書きましたが、マルオについて二乃が「パパ」ではなく「お父さん」と呼び方を変えました。
これは、これまで以上に二乃がマルオの事を父として認め、尊重する姿を示すポイントだと思うのですが、それだけにこのタイミングで実の父親が現れるという展開はありうると尚のこと思わされてしまいました。
二乃からのアプローチ
風太郎へのキス
104話では二乃が風太郎にキスをしました。これは、予想できた方もいたのかもしれませんが、私にとってはやはり驚きの展開でした!
その前段、転んだ風太郎と事故でキスしそうになりながらも、その場では何とか踏み止まりました。
しかし、最終的には二乃の方から「攻める意志」を見せ、キスする事となりました。二乃らしい、真っ直ぐな性分が表れているキスシーンだったと思います!
この場面には、いわゆる鐘キスで風太郎が足を滑らせて(?)転び、その状態でなし崩し的にキスをした場面との相似があるように見て取れますね。
また、一度キスしそうになるが踏み止まり、キスは行われないのかと読者が一瞬気を抜いた場面で、その後やはり二乃の意志で歯車が進められるという点からは、風太郎に聞こえなかった告白を二乃がやり直したということとのリンクがあるとも思わされました。
ホットプレートはどこに消えた?
今回、細かい点ですが、少し気になったのがホットプレートの行方です。
マルオの部屋でパンケーキを振る舞う場面で、焼き上げるために二乃はホットプレートを持ってきています。
病院に向かうバイクにも、確かにホットプレートが後ろに積まれているのが分かります。
また、ついでに触れると、今回は二乃もきちんとヘルメットを被っています。
以前、バイクに乗っていた時は風太郎一人で二乃を迎えに来たので、二乃はノーヘル(途中まで?)でした。
しかし、今回はREVIVALの店長がこむぎや店長を後ろに乗せて来ていた経緯があるので、ヘルメットが二人分用意されていたんですね! なかなか細かい変化点です。
さて、ホットプレートの話に戻りますが、102話では二乃たちはホットプレートを持っているようには見えませんでした。これはどういう事なのでしょうね?
考えられる可能性としては、普通にマルオの病室に置いてきたという線があります。
二乃と風太郎が頑張って運ばなくとも、翌日に江端さんあたりに学校まで運んでもらえばよい話です。わざわざそうしたやり取りは描かれずに省略されており、まだ明らかになっていない三日目朝の場面で、江端さんが学校を訪れるシーンが描かれるのかもしれませんね。
個人的にはマルオだけでなく、昔から面倒をみていた江端さんにも、五つ子お手製のパンケーキを食べさせてあげるシーンが見たいと思いました。
今後の展開は?
風太郎は全員とキスをする?
以前のエピソードでは一花が風太郎にキスをしており、また今回のエピソードでは二乃がキスをする結果となりました。
となると、もしかしてこの後、五つ子全員とキスをするのか? というのは読んだ誰もが想像することでしょう。
一花や二乃からキスをするのは、その性格等から何となく想像ができますが、他の三人の場合はどうでしょうか?
三玖はというと、菊(一花の所属事務所社長の娘)の来訪時に風太郎に告白したり、また京都の映画村でも告白したりと、衝動的な行動が意外にも多い印象です。きっかけさえあれば、風太郎にキスをする可能性は十分にあります。
問題は四葉と五月ですね。彼女らが風太郎にキスをするとしたら、どういう展開になるのか……。
四葉は演劇部に代役で参加していましたが、もしかしたらその絡みでキスシーンがあるのでしょうか?
高校の演劇で実際にキスシーンを入れるというのは、かなり攻めた演出ですが、全くあり得ないことでも無いようです。ただ、普通はキスしたように見える演出止まりにするでしょう。
とすると、四葉がその絡みで風太郎にキスをするとしたら、勢い余ってという形になりそうですが……。
ただ、四葉はまだ風太郎に恋愛としての好意を持っているのが明確なので、風太郎とキスする未来も想像できなくもありません。むしろ、これまでに湛えてきた感情が溢れてキスに至るという可能性は充分に考えられます。
しかし、五月は風太郎に恋愛感情を抱いていると明確には描かれてはいないのです。そんな中で、彼女から風太郎にキスする場面が果たして描かれるのでしょうか……?
風太郎が常に受け身とは限らない
風太郎と五月のキスについて、考えられる可能性のもう一つが、風太郎のほうから五月にキスをするという展開ですね。
風太郎が常に受け身とは限らないのです。もし彼が五月が好きだという話なら、彼の方から動いたって何もおかしな話ではありません。
四葉までは相手からのキスを受けていた風太郎が、最後の五月に対しては自分からキスをするというのはあり得ない話ではないでしょう。そして、それがきっかけで五月が自身の恋愛感情に気付く、あるいはそこで芽生えるという展開もありうるのではないでしょうか。
病室でのキスシーンが描かれるとして、倒れている子は動けない(寝ている)とすると、やっぱりそこで風太郎からキスする?
— あるこじ (@arukoji_tb) 2019年10月1日
風太郎が寝ている子にキスして立ち去る。しかし、実はその子は寝ていなかった……みたいな展開という可能性もあるな。
想像は膨らむばかりです😓
#五等分の花嫁
#ネタバレ
また、これは自身の感想ツイートの引用ですが、現時点で未だ判明していない、倒れて病院に行くことになってしまった姉妹がキスの相手だとすると、その場合は寝ている(であろう)彼女からではなく風太郎の方からキスする可能性が更に高まるとも考えられます。
もっとも、その彼女が本当に寝ているかは分からないですが……。
キスをしない姉妹が出てくる展開も普通にありうる?
一方で、別に全員がキスをすると決まった話でもありません。以降のエピソードの中で、風太郎とキスをしない姉妹も出てくるかもしれないとは普通に思います。
もし、実際にそうした展開になったとすれば、キスをした一花や二乃と比べ、その姉妹はある種遅れを取ったようにもみえる気もします。
しかし、上で書いたように風太郎からキスをする展開も考えられる点を考慮すると、キスをしなかった場合、それは後に(おそらく最後の告白の場面に)風太郎からのキスを受ける布石となっている可能性もあるため、むしろ、その姉妹こそが風太郎の告白相手、そして花嫁となるのかもしれないとも考えられるとのですよね。
この点の展開の読みは、一筋縄ではいかなさそうです!
最後の告白場面までは五つ子が皆フラットに描かれるのでは?
と上では色々書いてきましたが、結局のところ、各エピソード(「最後の祭りが〜の場合」で五姉妹それぞれが描かれるエピソード)の中では、風太郎から誰かに対して自発的にキスをする姿は描かれないだろうというのが最終的な私の予想です。
理由は、風太郎から誰が好きであるかを明らかにすると考えられる学園祭の最終日・夜の場面に至るまでの間、五姉妹それぞれが告白される可能性はおそらくフラットとなるように演出されると考えられるからです。
それまでの中で風太郎から誰かにキスする場面が描かれるとしたら、もうほぼ告白の相手はその子で決まりになってしまいます。よって、おそらく、そうした風太郎と誰か一人の結び付きを特別に強く描く演出は避けるだろうと思うのです。
ただ、学園祭の最中に、実際には風太郎から相手にアクションを起こしているが、その場面がカットされ、後から回想の形で示されるという可能性はあります。
この展開でくると仮定すると、風太郎との親交が他の姉妹に比べて浅めに描かれた子がいた場合、むしろその子は逆に本命として怪しくなるとも考えられますね。
まとめ
103〜104話と二乃を中心に据えた話が描かれました。マルオとの(ある種の)和解、そしてラストのキスと、一花のエピソードのインパクトにも負けず、大変盛り上がった回でした。
続いて気になるのは、次のエピソードで誰が取り上げられるかです。果たして順番通りに三玖が取り上げられるのか? それとも変則的に四葉または五月が中心に据えられるのか?
私の予想ですが、これはおそらく順当に三玖が取り上げられるでしょう。それは、上でも書きましたが、風太郎の告白まではおそらく五つ子がフラットに描かれるはず。となると、その登場順についても、奇をてらうような真似はしないと思われるためです。
そこから発展して考えると、倒れた姉妹は結局、四葉か五月のどちらかに絞られるのではとも予測できますね。
最後までこの結論を引っ張るとして、四葉のエピソードで誰も倒れてなければ五月だと自動的に確定するのですから、読み手に情報をぎりきりまで隠蔽するなら、それは四葉のエピソードまでとなります。
言いかえれば、三玖のエピソード時点までは真相が明かされない可能性が高く、故に三玖は倒れていないと推定できます。
……ただ、こうした分かりやすく読める展開を敢えて外してくるのもねぎ先生にはよくあるので、意表を突いて三玖が倒れていたという展開となる可能性も完全には否定できません(笑)
先の読めない展開はまだまだ続きます。次回を楽しみに待ちたいですね!
以上、『五等分の花嫁』104話「最後の祭りが二乃の場合②」の感想・考察でした。
§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。