学園祭一日目と二日目の四葉の様子が描かれる。四葉は皆に、そして何より風太郎に認められるため、学校内を縦横無尽に駆け回る。しかし、たこ焼き屋が燃えてしまった事を自分の責任と考えた四葉はキャパを超える仕事量を引き受けてしまう。
こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。
漫画『五等分の花嫁』107話「最後の祭りが四葉の場合①」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。
なお、下記は前話(106話)の感想・考察記事、および感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。
◾️前話の感想・考察記事
◾️感想・考察記事 一覧
出来事のおさらい・感想
107話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。
- 四葉は演劇部の代役をはじめ、学園祭内で様々な人の役に立とうと奮闘する。
- たこ焼き屋の焼失に四葉が心を痛める。
- 竹林が四葉に話しかける。
- 病院のベッドに四葉が横たわる姿が描かれる。
107話は四葉メインの回でした。他の姉妹もさる事ながら、四葉はどうなったのかを気にしていた方は特に多かった印象です。Twitter等を見ていても、107話の反響はとりわけ大きかったように感じました。
107話では幾つかの未確定事項について明確になり、また一方で新たな謎が提示されました。
以下、今回特に気になった点を考察します。
考察
病院に運び込まれたのは誰か?
学園祭編で長い間、謎になっていた病院行きとなった姉妹が誰かについて、はっきりしました。四葉でした。
私は、寝不足気味の描写が随所に散りばめられていたところから、五月が倒れたのだと思ってましたが、外れでした。深読みし過ぎて外すのは、これで何度目でしょうか?(笑)
107話では二乃が病室で四葉と話す場面が描かれていました。ここでは
フー君ったら私に気を遣って言わなかったのね
と二乃が話しています。ということは風太郎は四葉が倒れて入院した事を、二乃を連れて行く事前に知っていたことになります。
風太郎が二乃を連れて学校を飛び出したのは二日目終了後の17時以降でした。
一方で、四葉が倒れる直前、最後の一押しになったと考えられるのは竹林との会話です。これが二日目の12時頃。
12時以降少しして倒れたとすると、風太郎が知っていたとしてもおかしな話ではありませんね。
四葉は竹林と話してから、何処で意識を失ったのかは明確になっていませんが、竹林の眼前で倒れた可能性もありそうです。
そう考えたのは、風太郎たちと会話を終えた後に竹林が四葉と出会ったのが12時であるのに、100話で竹林が学園祭を後にして真田と話しているシーンが夕方近くのように描かれているようにも見えるためです。
実際に夕方頃なのかははっきりしていないのですが、描かれている空の画が12時直後の描写には何となく感じられなかったんですよね。
もし夕方近くまで時間が進んでいるのだとしたら、12時頃に四葉と会い、目の前で倒れた彼女を介抱するなどしている間に、ある程度の時間が経過したのだとも取れます。
さて、四葉は目覚めてすぐにベッドのそばにいた二乃により、今が既に二日目の夜だと知らされます。
その後、一花も四葉とサシで話し、病室から出た所で二乃・風太郎と鉢合わせます。
ということは、二乃は四葉と話してから一旦病室を出て、風太郎と合流してから四葉の病室前を通りがかった所で一花と居合わせたことになるのでしょう。
この空白の時間、風太郎が一人で何をしていたのかは気になる所です。
もしかしたら、マルオに呼び戻されて、上杉勇也の話す「同窓会」に関連する何らかの件を話し込んでいたんじゃないかと思うのですが……。
また、この病院に三玖が駆けつけている様子は106話でちょっぴり描かれていたのですが、五月の姿が見えないのは何故かは気になるところです。二日目の昼以降、五月の動きが全く確認できない点は何らか意図的なものを感じます。
たこ焼き屋の焼失を気に病む四葉
そもそも、四葉が倒れた原因は何なのか。
これは、基本的には学園祭で働き過ぎたためと考えればよさそうです。
しかし、その様子を見る限りでは一日目終わりまでは上手くいっていたようにも感じられました。飛び回ってはいたものの、まだ明るい様子でしたからね。
ターニングポイントになったのは一日目の終わり、たこ焼き屋が燃えたことなのでしょう。
このページは特に切なかった……。
— あるこじ (@arukoji_tb) October 22, 2019
四葉は15時の約束に間に合わせる事を考えていてチェックが雑だった(?)
実際どうだったかはともかく、結果的に四葉は自分のせいと思い込み、自身の気持ちを優先させたが故にまた他の誰かを不幸にしてしまったと考えているのですね。
#五等分の花嫁
#ネタバレ pic.twitter.com/s3xDeBdqsJ
自身のツィートを引用しますが、四葉はたこ焼き屋の焼失が自分のミスだと思ったのでしょうね。
私からすれば四葉はきちんとチェックして注意喚起もしていたと思います。直接原因は105話でも出て来ましたが、コンロが改造されていた事にあるでしょう。
そのため、四葉が必要以上に責任を感じる必要など無かったのですが、四葉は黒薔薇女子からの転校騒ぎの経験から、自分のミスで他人が迷惑を被ることへの恐れの気持ちが極端に強いものと考えられます。
そのため四葉は、自身に罰を与えるかのように、学園祭の仕事をどんどんと引き受けていったのですね……。
竹林は何を伝えたのか?
四葉が倒れたもう一つの要因と考えられるのが、竹林から四葉に投げかけられた言葉です。彼女は一体、何を話したのか?
これについては、風太郎への伝言だった可能性が高いとみています。
その根拠として挙げられるのが、竹林が四葉を見かけた際の
あ、いた。風太郎のお友達さんですよね。
という言葉です。
まず、「あ、いた」という言葉からは、竹林がたまたま見かけた四葉に意味もなく声を掛けたのではなく、誰かしらを探していて、その相手を見つけたというニュアンスが感じられます。
そして、竹林は四葉を「風太郎の友達」と呼びました。つまり、四葉個人に用があったのではないと読み取れます。四葉または五つ子に何かを言いたかったなら、四葉あるいは五つ子の一人などと呼称するのではないでしょうか?
ちなみに、竹林が四葉を風太郎の友達と判断したのは、100話のこの場面からでしょう。風太郎のことで何かを言いかけた四葉の姿を竹林は目にしていて、それ故に風太郎の関係者と把握したのだと思われます。
竹林はおそらく風太郎本人、または風太郎の友達を探していたのでしょう。そして、友達であればとりあえず問題ないと竹林が考えたとすると、風太郎に対して何かを伝えたかったのではないかと推測したわけです。
では、話をもうワンステップ進め、竹林が風太郎に伝えたかったことで、しかし四葉がそれを聞くとショックである話というと何なのか?
想像ですが、「写真の子(という言い方を竹林がしたかは分かりませんが、ともかく過去の四葉を指す言葉)に負けないくらい風太郎も頑張って」というような言葉だったのではないかと思いました。
竹林からすれば、単なる励ましの気持ちだったと思いますが、それを頑張れていない(と自分で思い込んでいる)四葉が聞いてしまったが故に、まだ頑張りが足りないと四葉が思ってしまい、そこで限界を迎えてしまったのかな……と私は考えました。
その他の各種伏線について
演劇のキャスト変更
二日目に四葉が倒れたことで、そのまま行けば演劇部のエメラルド役には穴が空くことになってしまいます。
四葉が倒れている間に劇が終わったということは、一花が急遽バトンタッチしたのかな。
— あるこじ (@arukoji_tb) October 22, 2019
劇について四葉は一花から指南されているようなので、劇の中身は一花も知っている筈。
四葉が倒れた報を聞いて、一花は先に学校に向かい、代役を務めてから病院に行ったのでしょう。
#五等分の花嫁
#ネタバレ pic.twitter.com/rJYtbBhN6o
これについても自身のツィートを引用しますが、おそらくは一花がフォローに入ったのでしょう。
上で述べた通り、四葉が倒れたのが12時付近だったとすると、一花が報を受けてから学校に向かい、代役をこなす時間的余裕はありそうです。
からあげの無料チケット
四葉が一日目に、風太郎にからあげの無料チケットを渡していた様子も描かれました。
これは100話で風太郎がポケットに入れていた何らかのチケットの正体のようですね。この場面で風太郎は
食べ歩きする金もねぇし……
と胸中で独白していました。この内面描写ともしっかり掛かっている事から、四葉が渡したからあげのチケットだったとみて間違いなさそうです。
ちょっと気になったのは、四葉が手伝いの際に持っていた看板に書かれている
ブロマイド付からあげ
という言葉ですね。誰のブロマイドなのでしょう? 一花?
本筋に関係ないのかもしれませんが、からあげにブロマイドが付いてくるのはあまり一般的な事ではないので、伏線の可能性を疑いたくなりますね。
まとめ
107話では奮闘する四葉の行動が結果的に裏目に出てしまい、倒れる様子が描かれました。
一花・二乃・三玖編では後編で皆、何らかの形で救済された上で風太郎にキスをする展開となっています。
だとすると、四葉も風太郎によって何らか救われるはずなのですが、それがどういった形でもたらされるのかは全く読めません。
四葉編の表紙絵が校外(後夜祭の現場)であることも意味深です。他の三人は学校内でしたよね。
後夜祭には参加しているとすると、四葉は三日目朝以降には退院しているということですね。
この表紙絵は三日目の夜、風太郎が教室に入ってきた際に四葉が校庭にいた事を意味するのか? あるいは、その前の後夜祭を風太郎と共に過ごしていたことを示唆するのか? 色々と想像の余地を残す表紙です。
これまでの三人についてもそうでしたが、四葉編も次回の展開は大変気になりますね! 来週が来るのが今から待ち遠しいです。
以上、『五等分の花嫁』107話「最後の祭りが四葉の場合①」の感想・考察でした。
§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。