あるこじのよしなしごと

妻・息子2人(2014生:小麦アレ持ち/2019生)と四人で暮らしています。ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、育児、その他日常等について綴っています。

漫画『五等分の花嫁』118話の感想・考察/二乃と四葉は互いに和解し五月はその想いに区切りを付ける

ざっくり言うと

四葉は風太郎への想いの強さを二乃・五月・風太郎本人の前で語る。二乃はそれを受けて四葉と和解する。五月は二乃と四葉が話す姿をみて、自身の形容し難い気持ちを昇華させていく。また"零奈"が風太郎に送ったメッセージの内容も示唆される

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『五等分の花嫁』118話「五月の思い出」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。

なお、下記は前話(117話)の感想・考察記事、および感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。

◾️前話の感想・考察記事 

◾️感想・考察記事 一覧

出来事のおさらい・感想

118話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。

  • 四葉が二乃に自身の風太郎に対する想いの強さをこれからの姿を通して伝えていくと主張する。
  • 二乃が四葉の言を受けて、その意志の強さを感じ取り認める。
  • 五月のモヤモヤした気持ちが上のやり取りを見る中で解消される。
  • 五月(零奈)が風太郎に託したお守りに込められたメッセージが何だったかが示唆される。

 

118話では正面から対話する四葉と二乃、そしてそれを見ていた五月と風太郎の姿が描かれました。

前回の話を受けて、今回の話では写真の子が誰だったか、また五月が零奈を演じていたことなどが絡んでくるんじゃないかと思っていましたが、そうした展開予想は外れでしたね。

場の全員が思いのほか理性的に対話し、決着する形となりました。

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基本的に今回の話で、二乃と四葉の間にあったわだかまりが解消されたとみて良さそうです。

つまり、これで四葉の風太郎との交際については、一花・二乃・三玖・五月の全員が認めるところとなったと考えて良さそうですね。

もっとも、二乃は、機会さえあれば風太郎を奪うこともあるかもしれないとも語っていました。

この二乃の言葉は、本気半分・四葉への励まし半分という感じなのかなと私は解釈しました。

この点、物語を読んでいる私たちからすれば、おそらくこのまま四葉と風太郎が結婚するのだろうと想像するところですが、実際に当事者の立場で見つめれば、風太郎たちが結婚するまでに破局する可能性は普通にありうると考えるのが自然でしょうね。

初めて交際した相手とそのまま結婚にまで至るというのは世間的にみてもレアケースですから、二乃の発言や想いは十分に理解できるものだと思いました。

以下、今回特に気になった点を考察します。

考察

四葉と二乃については上で語ったので割愛し、117話の感想に引き続き、今回も五月の心の動きについてフォーカスしてみます。

五月は結局、風太郎が好きだったのかどうか

何より読み手が今回の話で考えを巡らせたのはこの部分でしょうね。五月は結局、どんな想いを抱いており、そしてどうそれを昇華させたのか。この点を整理してみました。

五月は風太郎の事を好きだった

最初に結論を書くと、五月が風太郎に好意を抱いていたのは間違いないでしょう。

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ポイントは、塾講師として少女にアドバイスを送っている場面の言葉です。

だから、あなたも手放さないで。この恋の記憶を。

と伝えている五月。あなたもという事は同じく恋の記憶を手放してはならない人物がいるということ。

それが、つまり五月自身なのでしょう(補足すると、二乃はまだ諦めないと明言しているのでこの対象としては相応しくないです)。

この場面から五月もまた、中学生の彼女同様に「実らなかった恋」の経験をしたと考えられ、つまり五月は風太郎が好きであり、そして秘密裏に失恋したと結論付けられます。

「下田さんの予想はハズレ」の意味

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このエピソードのなかで五月は

下田さんの予想はハズレみたいですよ

と内心で考えていました。

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下田は前話で五月に対して

そりゃ男が好きだから嫉妬してんだろ

と語っていました。

この部分だけ切り取ってしまうと、予想がハズレということは五月は風太郎が好きではないという事? と一見解釈してしまいそうになります。

しかし、もちろんそうではありませんね。

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五月がハズレだと言及しているのは、

恋を自覚した女が男との距離をちぢめてくんだろ!(略)そこから略奪すんのがいいんじゃねーか!(略)断言する! そのドラマは私の読み通りになるぜ!

下田が語ったこの辺りについて。つまり、恋だと自覚した当人が略奪しようと動くという展開をハズレだと五月は称したのですね。

五月は風太郎への恋心を自覚したが、略奪しようとは思わなかったということが示されています。

何故五月のモヤモヤは解消された?

五月のモヤモヤは何故解消されたのでしょうか?

ここは人によって解釈が異なるかもしれませんが、あくまで私なりの理解を書いてみます。

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二乃は四葉の言葉にもめげず、自分が風太郎を好きな気持ちを諦めないという趣旨の話をしました。

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そして、それに対して四葉も真っ直ぐに「うん」と頷きました。

この場面で五月は全てに納得がいったような表情を見せています。つまり、ここのやり取りが大きく五月の心情に影響したと考えられます。

正面から対峙する二人の様子を見て、五月は何を思ったのか?

ここは多分に想像が含まれますが、自分も風太郎は好きだけれど、こうしてぶつかり合えるまでの強い意志を自分が持てていない、という気持ちが湧いたのかもしれない……と私は感じました。

そしてまた、そうした想いを前面に出す二人について、敵わないという気持ち、好ましいと思う気持ち、二人が自分の姉妹であることへのある種の誇らしい気持ち、嬉しさなど全てが内包された感情を同時に抱いたのかもしれない、とも思ったのです。

だから、この場面の五月はスッキリとした表情になっており、モヤモヤが解消されたのではないでしょうか。

あくまで、私なりの解釈です。他の方は他の方なりに色々解釈される場面でしょう。

あなたはこの場面、どう思われましたか?

"零奈"がお守りに込めたメッセージ

本編のラストでは、五月が零奈に変装していた際に風太郎に手渡したお守りについても回想されました。

最初、私は「あなたは一人じゃない」というメッセージが書かれた手紙か何かだけが入れられてたのかな?と思い込んでました。それで、上のようなツイートも書いてました。

しかし、その後にTwitterのタイムラインに上がっている各種の感想をみると、五月とらいはと風太郎で撮ったプリクラが入っているのだろう、という意見が多数。マジか。

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見直してみたら……確かにこれ、入れられている物の形状といい、その前後の描写といい、明らかにプリクラですね。

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めっちゃ五月写ってるじゃん。

前のツイートで書いてることは大外れでした。赤っ恥です(笑)

ずっと友達という本来ポジティブな筈の一言がここまでネガティブに反転するとは……。ねぎ先生の演出にはやはり脱帽です。

補足すると、このプリクラをお守りに入れて渡す行為は五月が咄嗟に行った行為なのでしょう。

もし予め伝えるつもりだったなら、ボート上でごそごそやったりする必要はありませんから。

このプリクラには結果的に五月も写っていますが、ここで五月が特に「一人じゃない」と気持ちを伝えようとしたのは、むしろ妹のらいは(=風太郎にとっての大事な家族)が写ったプリクラであることを強調したかったのだろうと私は解釈しました。

その理由は、118話における五月が二乃や四葉といった家族に救われた存在だからです。その描写と重ねて回想シーンを入れてきたいうことは自身を支える家族の存在があることを五月はこの時、風太郎に伝えようとしていたという事なのだろう……と読み取りました。

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五月は当時、学力向上の願掛けとしてお守りを常時持ち歩いていましたから、お守りを咄嗟に差し出すことができるのはおかしくありませんね。

しかし、だとすると五月はお守りだけでなくプリクラも常に持ち歩いていたという事になってきます。

学業が優秀な風太郎とのプリクラをお守りと同一視して持ち歩いていたのか? それとも、何か別の感情がそこにあったのか?

その理由が明かされることはおそらく無いのでしょうね。

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個人的には、五月が自分の正体を明かすものをお守りに入れて手渡したのだとしたら、ショッピングモールのやり取りは不自然過ぎるというのは今でも思っています。

しかし、この点に説明を付けるなら

  • 五月はそこまで考えて喋ってなかった
  • バレてたならバレてたで話を軌道修正しようと思った

等々、色々考えようはあります。

自分の中では、五月は結局そこまで考えては喋ってなかったのかな〜、という話で結論しました。

まとめ

118話は主に五月の感情の動き、風太郎に対する気持ちの区切りの付け方が強くて描写されたエピソードでした。

五つ子全員が一応納得した中で、次話はどう展開していくのか、予想もつきません。

もう完結に向けて残りの尺はほぼ無いので、次話で卒業式、またはそこも越えて結婚式当日まで飛ぶ可能性さえあると思いますが……果たして。

以上、『五等分の花嫁』118話「五月の思い出」の感想・考察でした。


§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。

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