風太郎と五つ子はそれぞれの進路に向けて歩み始める。風太郎は進学のため、今の地を離れて東京に発つことを告げる。五つ子は悲しみにひっそりと落涙するが、離れていても一人ではないという想いも持ち合っている。
こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。
漫画『五等分の花嫁』120話「五年前のとある日」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。
なお、下記は前話(119話)の感想・考察記事、および感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。
◾️前話の感想・考察記事
◾️感想・考察記事 一覧
出来事のおさらい・感想
120話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。
- 五つ子がそれぞれの進路に向けて歩き出した様子が描かれる。
- 風太郎は五つ子に、進学のため自身が東京に行くことを告げる。
- 風太郎の上京について五つ子は内心覚悟していたが、事実を知って涙を流す。しかし、離れていても一人ではないという気持ちも彼女たちが持っている様子が描かれる。
120話では五つ子および風太郎の進路が明らかになりました。
前回の予想では120話は卒業式の様子が描かれるのでは? と書いたのですが、実際はその一歩手前まででした。
サブタイトルの「五年前」というのはおそらく、結婚式の日から大体五年前ということでしょうか。
高校二年の林間学校の日から2000日後が結婚式なのですから、年数に換算するとおよそ六年です。
となると、高校三年の卒業寸前は大体五年前でしょう。細かい日数で計算するともしかすると微妙に合わないのかもしれませんが、大まかに言って五年前というのは確かにその通りです。
個人的にはラストまでの尺がないとはいえ、あまりにも駆け足だったのではという印象を持ちました。もう少しじっくり描いて欲しかったな……。
ただ、花嫁がもうほぼ確定している中で、これ以上長く描くのは引き伸ばしのようなものだとねぎ先生が考えているのであれば、ラストに向けたスピード感の速さも仕方ないのかもしれません。
以下、今回特に気になった点を考察します。
考察
皆の進路は?
全員の今後の進路がこの回で改めて明確になりました。一人一人、見ていきましょう。
一花
一花はこれまで通り女優業としてのキャリアを着実に積んでいます。
120話では卒業できるかどうかについて触れられませんでしたね。素直に解釈するなら、卒業は無事できそうと考えてよさそうです。
二乃
二乃は学園祭のエピソードでも五月に語っていましたが、とりあえず進学するようですね。
将来の夢はパティシエですが、当面は進学する予定である点で三玖とは異なります。
三玖は家庭教師を受ける際に
私もう受験しない立場なのに、ここにいていいのかなって……
と発言していました。言い換えれば、他の皆は受験をするという事でもありますから、やはり二乃は大学進学で確定です。
三玖
二乃の項で少し触れましたが、三玖は受験はせずに料理系の専門学校に進むようですね。
REVIVAL(風太郎・二乃のバイト先)の店長とこむぎや(三玖のバイト先)の店長が二人と話している場面から想像を膨らませると、ゆくゆくは二乃と三玖がそれぞれこのお店に就職するのかもしれませんね。
四葉
四葉はスポーツ推薦での進学です。
推薦ですが、117話で書かれていた通り、最低限の学力は必要という事で風太郎がスパルタ指導していました(笑)
五月
言うまでもないかもしれませんが、大学進学して教師への道を目指します。学園祭のあった秋頃ではD判定を食らっていますから、二乃とは違って難易度的にも高い大学を受験することになります。
五月の受験については、この話の中で決着しました。
無事に合格できたようです!
学園祭の最中ですら勉強するなど、苦労が報われて良かったです。合格が分かってから、五つ子はお祝いパーティーを開いたようですね。
受験勉強中、マルオが見守っている描写も120話にはありました。以前より、優しくサポートできる父親になっているように思えます。何より、ペンタゴンで五つ子と共に生活を送っているのだと分かる点が嬉しいですよね。
風太郎
風太郎は東京の大学を受験します。ほぼ全国トップの学力を持つ風太郎ですし、受験先は順当に東大でしょうね。
最新話を読みました。ちょっと駆け足でしたね。もう少し、じっくり描いて欲しかったかも😅
— あるこじ (@arukoji_tb) 2020年2月4日
今話で風太郎が「上京」と発言したので舞台が東京ではない事が確定しました。
風太郎達が話している場所は、第96話でも登場した愛知県太田川の東海市芸術劇場付近っぽいですね。
#五等分の花嫁
#ネタバレ pic.twitter.com/miTpbyZZWN
東京に行くことを風太郎が「上京」と表現した事から、舞台が東京ではないことが確定しました。
これまでも建物やナガシマスパーランドなどがモデルの場所が登場していたことから愛知県の可能性が高いだろうというのは分かっていましたが、舞台となった地名に関する点で具体的な固有名詞が出てきたのは今回が初めてですね。
ところで、彼が受ける学部はどこなんでしょうか?
個人的な予想は東大文1です。
東大の文系の中では最難関と言われる学部ですし、また法学系なので文系の中では就職時に最も潰しが効くのも風太郎が重視しそうな点です。
難易度的には風太郎なら医学部や東大理3も視野に入りそうですが、医学部は六年制、理系は学部は四年制ですが院まで進むパターンが多いので卒業までにはやはり4年以上かかります。
風太郎の将来の夢はやっぱり教職なのかなと朧げに考える。
— あるこじ (@arukoji_tb) 2020年2月5日
高校卒業から五年後に結婚するとして、その時点で働いている前提だと六年制の医学部には進学してないだろうし、普通の理系学部でも優秀な風太郎は院に進む可能性が高そう。
文系学部に入って教職という進路が現実的ですね。#五等分の花嫁
風太郎が高校卒業してから五年後に結婚するとして、その時点で就職しているという前提に立つと、上の進路では話が合わなくなります。
風太郎は文系学部に進み、四年で卒業し、就職することを考えたとすればこの点の辻褄が合いますね。
早く就職してお金を稼ぎたいという気持ちが強いであろう風太郎なら、妥当な選択です。
一人ではないという気持ち
風太郎が東京に行くと伝えると、その場にいなかった一花を除く四人はこっそりと涙します。風太郎との別れが寂しいのですね。
しかし、風太郎も五つ子も、その別れは一時的なものであり、また本質的には大きな意味を持たないと理解しています。
たとえ物理的に離れていても、自分は決して一人じゃない。そう互いに思える存在に六人は成長したのですね。
風太郎は一花と約束をしていた?
この話の冒頭、風太郎は夢から覚めると共に頬に痛み(?)を覚えます。この描写は何の意味があるのか?
これについては、前話でブランコから落下した際の擦過傷という説をTwitterでは見かけました。確かにタイミング的にはそれが妥当なのかもしれません。
ただ、個人的には未消化の伏線である「学園祭一日目の夜に確認された、風太郎の頬の傷」との関連を疑っています。
風太郎の頬の傷は一日目、一花との別れ際に彼女から平手打ちをされたのではないかという推測があります。
- 風太郎が別れ際、五つ子の誰も選ばないという後ろ向きな発言をしたこと
- 一花が仕事の中で相手の俳優にビンタをして、やり慣れている?と言われたこと
- 風太郎がいつの間にか、誰かに告白するようマインドを切り替えていること
この辺りの話が上の説の主な根拠となります。
風太郎が頬に感じた痛み。誰かに平手打ちされる夢を見たのでしょうか?
— あるこじ (@arukoji_tb) 2020年2月4日
それはおそらく単なる夢ではなく、過去の回想なのでしょう。学園祭の際にも頬に痣がありました。一花に喝を入れられたのかな?
それが風太郎と一花が交わした"何らかの約束"に関係があるのでしょう。#五等分の花嫁#ネタバレ pic.twitter.com/n6QHQBNS2t
120話では、風太郎が一花と何かしらの約束をしており、それに基づき東京行きを明かしたようにみえるのですが、そのような約束をした場面はこれまでにない(私が見落としていたらすみません)ため、風太郎と一花が何らかの約束をした場面が伏せられている可能性があります。
この一花絡みの伏線が複数あるというのは、とても気になる点です。
ざっくりとした予想を書くと
- 風太郎は一花からビンタされていた
- その喝が無ければ風太郎は四葉に告白できなかった(かもしれない)
- 一花とのデートの際に、その負い目から何らかの約束を風太郎が強いられる
- 約束の中身は不明。一花はドラマの主演を務めること、風太郎は東大に入ること?
- これらのシーンの回想が卒業式または結婚式の場面等で挿入される
こんな感じなのでは? と予想をしています。
風太郎は東大に入るという約束をしていたことを一花からのメールで想起し、残りの四人に東大を目指す発言をしたのではないでしょうか。
『五等分の花嫁』というタイトルの意味
この作品は何故『五等分の花嫁』というタイトルなのか。ここについても、最終回直前ということで私見を述べておきます。
結論から先に言うと、五つ子のうち、誰か一人でも欠けていたら風太郎と四葉の恋、ないし結婚は成就しなかった。そのことが表現されたタイトルなのではないかと思いました。
前項でも書きましたが、あからさまに回収されていない伏線の一つが学園祭時、風太郎の頬の傷がどうしてできたのかです。
仮に一花が叱咤した過程でその傷が生まれたとしたら、少し飛躍しますが、彼女がいなければ風太郎は四葉には告白できなかったことになります。
このように、風太郎が四葉と結ばれる過程では四葉を除く五つ子の全員が何らかの役割を果たしており、その点で五人全員で花嫁を五等分しているという意味がタイトルには込められたのかもしれない、と思ったのです。
風太郎に素直になれと諭し、背中を押した一花。
風太郎に恋愛を意識させ、また真剣に向き合うきっかけを生んだ二乃。
勇気を出して正面からぶつかる事で、不可能なことも可能にできると伝えた三玖。
友として、またあるときは"零奈"として風太郎を励まし、支えてきた五月。
姉妹の誰一人が欠けても風太郎の恋、そして結婚が成就する事は無かったのではないでしょうか。
多少、強引な意味づけかもしれませんが、『五等分の花嫁』というタイトルに対して、そんな事を思いました。
まとめ
120話は、各人の今後の進路が明確に描かれた回でした。
いよいよ残りは二話! 最終話(122話)が結婚式なのは間違いありませんから、121話がどうなるかが気になるところです。
順当にいけば、121話はやはり卒業式でしょうね。そこをすっ飛ばして結婚式に飛ぶ展開もありえますが、120話で
もうすぐ卒業なんですね
という(多分)五月の台詞が挿入されていた事から、卒業式の場面は何らか描かれる可能性が高そうに感じました。
ただ、122話だけで結婚式を描くのは尺的にキツそうですから、121話は卒業式の様子をメインに描きつつ、ラスト数ページで結婚式の描写に入り、最終回への繋ぎを作るという感じかな、と思いました。
フィナーレはもうすぐそこです! 目が離せませんね。
以上、『五等分の花嫁』120話「五年前のとある日」の感想・考察でした。
§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。