あるこじのよしなしごと

妻・息子2人(2014生:小麦アレ持ち/2019生)と四人で暮らしています。ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、育児、その他日常等について綴っています。

漫画『五等分の花嫁』77話「女の戦」感想・考察/「写真の子」と零奈の正体に迫る重要な情報が提示される

ざっくり言うと

高校三年における修学旅行を前に、風太郎と五姉妹の現状や目標が再確認される回。中でも「写真の子」と零奈の正体に迫る、重要な情報が提示される。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『五等分の花嫁』77話「女の戦」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。

下記は、過去に書いた『五等分の花嫁』に関する記事です。1〜8巻までに描かれている範囲の情報から、本作の謎である風太郎の結婚相手が誰か及び「写真の子」こと零奈が誰かについて考察しています。よろしければ、ご覧下さい。

感想

全員の現状や目標が再確認される回

この話はテストも終わり、各人の現状や目標が再確認される回でした。単行本への収録という点では、この話がちょうど4月に発刊される予定の9巻の最終話となります(これまで通り、単行本に収録されるのが9話分だと仮定した場合)。

今回は色々な情報更新があり、大きく物語が動いた回でした。今後の展開を楽しむためにも情報を整理してみたいと思いました。

風太郎

家庭教師に正式に再就任する

まず、風太郎が正式に五姉妹の家庭教師として再就任する事がマルオ(中野父)から告げられました。五姉妹への思い入れが風太郎に生じているとはいえ、風太郎の家庭事情を考えるとずっと無収入でいくのはきつかったでしょう(ケーキ屋さんのバイトの収入はありましたが)から、良かったですね!

ただ、そうすると風太郎はケーキ屋さんのバイトを辞めるのかどうかがちょっと気になります。もし辞めるとなると、後を追ってバイトに入った二乃にとっては残念ですね。

五姉妹の夢を見つけることが新たな目標

五姉妹のテストでの赤点回避は困難ではなくなってきたと語る風太郎。武田が語る宇宙飛行士になりたいという夢を聞き、彼女らの目指すべき道を探してこその卒業だと考えたようでした。

この点、一花は女優、三玖は調理師、五月は教師とほぼ夢が見えてきているように感じます。となると、気になるのは二乃と四葉の夢が何かでしょうか。もし、どちらかの夢が「花嫁になる事」というオチになるとしたら、風太郎の結婚相手は二人のどちらかとなりますが……。

二乃

修学旅行で風太郎を振り向かせたい

京都の修学旅行を控え、二乃はそこで何としても風太郎を自分の虜にしたいと考えているようでした。

これは大方の読み手がこれまで考えていた通りの目標ですね。問題はどうやって振り向かせるかです。二乃らしい、思い切ったアプローチが行われるものと予想されます。

三玖

「とっておきの舞台」で自分の料理(パン)を風太郎に食べさせたい

三玖はバイトをこなす事で料理の腕が上がったようです! かつて三玖が作ったコロッケに対して結果的にダメ出しを繰り返した四葉が試食して美味しいという感想が出ている事から、その味に間違いは無いのでしょう。

しかし、「とっておきの舞台」とは何処になるのかは気になるところです。京都の修学旅行という意味でよいのでしょうか。

また、三玖はパン屋さんでバイトし、四葉に試食させたのもパンでしたが、料理の腕が上がったのはパン限定なのでしょうか? もしそうだとすると、自分が作ったパンを持ち歩いて風太郎にここぞという場面で渡さなくてはなりませんが、パンを長時間持ち歩いたらさすがに硬くなる気もします……。

あるいは、料理の腕全般が上がったからそれをどこかで披露したいという事でしょうか。それなら大分自由が利くので、達成できそうですね。

四葉

五月がレビュアー「M・A・Y」であることを知る

五月が「もうひとつの顔」について風太郎に話そうとして立ち消えになった際、風太郎は五月が「自身は外食店のレビュアーである(71話「アドバンテージ」で明らかになった話)」ことを明かすつもりと勘違いしたようでした。

風太郎はその際、居合わせた四葉に五月の「もうひとつの顔」を明かします。はっきり言って、今後どう話が繋がってくるのかは皆目検討がつきません(笑) ただ、この作品に限って意味もなしに四葉にその話が伝わる描写が入る訳はないと思われるので、何らかの影響があるものと思われます。

一花

五月が落とした写真を拾う

五月が落とした「五姉妹の誰かと子供の頃の金髪風太郎が映った写真」を見て、

これ……京都の……そっか

と呟きます。こちらは後で考察します。

五月

零奈になる変装道具を前に思い悩む

零奈になるための変装道具が入った箱を前に

やっぱり……言えない……京都のことも全て……こんなこと……なんて説明したら……

と思い悩みます。こちらは後で考察します。

考察

一花の呟きが意味することは?

大きな情報その1が一花の写真に対する反応です。

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一花はこの写真を一目見て、「京都の」と判断しています。これは何からそう判断したのか?

間違いなく金髪の風太郎でしょう。この「写真の子」の洋服や髪型はこれまでの五姉妹の回想で繰り返し登場したものなので、そこから京都のことだと判断できたとは思えません。また、背景から京都だと解釈するのも無理そうです。残ったのは一緒に写った人物、つまり子供の頃の風太郎となります。一花は子供の頃の風太郎を見た記憶があるのです。

では、一花が写真の子なのか? これは微妙なところです。

一緒に写真を撮ったから記憶していたと考えるのが自然だと思いますが、たとえば「写真の子」が風太郎と写真を撮っているところを一花が見かけていた可能性もありますよね。

そして最後に確認すべきは、一花が金髪の少年が風太郎であると気づいたかは明確になってはいない点です。呟いた「そっか」という一言からは、一花が金髪の少年が子供の頃の風太郎に気付いたようにもみえますが、正直何ともいえません。この時に他の何かについて得心がいったという可能性もあります。

本エピソードで一花が写真の子である可能性が高まったが、確定したとは言い難いというのが結論です。

五月は何を思い悩むのか?

大きな情報その2が五月の秘密です。五月は零奈になるための変装道具一式、そして風太郎から零奈の手に渡った筈の写真を現在持っているという事が分かりました。これは五月が零奈とほぼ確定したように見えますね……。

素直な解釈は五月が零奈であり、変装道具と写真を持っていたのはそのためという考え方です。というか、普通はこう考えるでしょう。ひねった考え方をするなら、五月が誰かの部屋から零奈の変装道具と写真を見つけたのでこっそり持ち出し隠していたという解釈も出来るでしょうか。

ただ、やはり零奈は五月なのかなというのが自身の中での結論です。そう考えた理由は2点あります。

1点目は五月が風太郎に「もうひとつの顔がある」という言い方をした点です。上で挙げたひねった見方、つまり「誰かが零奈に変装したのを知っている」という事が秘密であり風太郎にそれを明かそうとしたのなら、単に「秘密がある」という表現になる筈なのです。「もうひとつの顔がある」という表現は不自然です。

そして2点目ですが、そもそも「零奈の変装道具」は変装した本人以外、その服装が持つ意味を分かり得ないという点です。読者からすればあの服を見てすぐに零奈の格好だと分かりますが、作中の人物にとってはそうではありません。五月が零奈でないのなら、仮に誰かの部屋にあの服があったとしても、そんな意味がある物だとは気付けない筈なのです。あの服装一式を一花から隠そうとする、そしてそれを前に思い悩むという時点で、あの服装は五月の物である可能性が極めて高いのです。

但し、かろうじて五月以外が零奈の線も残されています。それは「五月がたまたま零奈と風太郎の邂逅を陰から目撃していた(五月が"目撃者"である)」ケース、または「零奈として風太郎に会った五月ではない別の五姉妹の誰かから、服装一式と共にその旨を打ち明けられた(五月が"共犯"である)」ケースです。これなら服装一式に対して、零奈本人ではない五月でも何らかの意味を読み取る事ができます。

ただ、いずれも確率の低そうな話ですし、またこの場合は理由1として挙げた「もうひとつの顔」という表現の説明が付きづらくなります。これらを踏まえると、あまり現実的な解釈ではない気がします。

やはり、零奈は五月と考えるのが一番可能性が高いといえそうです。そして、もし写真の子が一花だとしたら、写真の子になりすまして零奈として風太郎に会ってしまった事を五月が思い悩んでいると考えるのが素直な見方と思われます。

なお、五月が零奈になりすました動機についてまで考えると話がとっ散らかるので、本記事では棚上げします。

【2019/3/30追記】

五月が何故零奈になりすましたのか、その動機について、79話「シスターズウォー 二回戦」の内容と過去のシーンから考察した記事を書きました。よかったらご参照ください。

まとめ

修学旅行編を前に、様々な情報が提示された回でした。中でも、一花と五月に関する情報はこの作品の根幹に関わる点のため大変重要です。思い出の地である京都でどんな物語が展開されるのか、今後も目が離せませんね。

以上、『五等分の花嫁』77話「女の戦」の感想でした。


§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。


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