あるこじのよしなしごと

東京の片隅で、妻と4歳の息子と三人で暮らしています。 ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、遊んだゲーム、育児について、その他日常などを綴っています。

漫画『五等分の花嫁』87話の感想・考察/母親の零奈に関して一部明らかになる

ざっくり言うと

話は五つ子の小学生時代へと遡る。五姉妹の母親の修学旅行出発時の様子、母親に甘える五月、父親になる前のマルオ、五姉妹と竹林との接触、そして"写真の子"と風太郎の出会いが描かれる。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『五等分の花嫁』87話「私と姉妹①」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。

なお、下記は前話(86話)を読んでの感想・考察記事となります。よろしければ、ご覧下さい。

出来事のおさらい・感想

87話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。

  • 五姉妹が小学生だった「六年前」に話が遡る。
  • 母親・零奈の家庭での様子が描かれる。
  • 結婚前のマルオについて語られる。
  • "写真の子"を除く姉妹が竹林と接触する。
  • "写真の子"が風太郎の冤罪を晴らす。

 

いよいよ、"写真の子"と風太郎を巡る過去の話が明らかになります。サブタイトルにナンバリングされている事から、何話かで構成されることが分かりますね。

ちなみにこうしてナンバリングされたエピソードで、最長は「七つのさよなら」編の12話ですが、一方で「勤労感謝ツアー」「今日はお疲れ」は2話のみで構成れています。なので、現時点でどのくらいの長さになるかは明確ではないといえます。個人的には、何となく4話くらいで構成されるのかなと思っていますが……。

以下、今回特に気になった点を考察します。

考察

初めての「お手本」発言

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幼い頃の五姉妹は時々、サッカーの助っ人を買って出ていたようでした。そんな中、コーチは四葉に運動の才能がある事を見出します。四葉はコーチの褒め言葉に、嬉しそうな表情を浮かべています。

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写真の子にまつわるエピソードの中で外せないのが、みんなのお手本になる発言です。こう思うようになったきっかけは、サッカークラブのコーチの言葉にあったようですね。

また、四葉はバスケ部に陸上部と様々な部活の助っ人をやっていました。その源泉も、かつてサッカークラブの助っ人をしていた事にあったのかもしれません。

ちなみに、このサッカークラブの助っ人を五姉妹でやっている時点では、運動があまり得意ではない三玖が悪目立ちすることは無かったようですね。この事から、この時点ではまだ各自の個体差は殆ど無かった事が分かります。

零奈(母親)について

五姉妹の母親・零奈が登場しました。これまでは誰かの回想や思い出話の中で登場していましたが、作中の誰かのフィルターを介さずに、その姿が描かれるのはこの話が初めてですね。

五月と零奈

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何より印象的だったのは、その口調が五月にそっくりである点です。

……いや、正確には違いますね。五月の口調が、零奈にそっくりなんですよね。

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かつて二乃と五月が喧嘩した際、二乃は

未練がましく母親の代わりを演じるのはやめなさいよ

と五月に対して言葉を発していました。これは、五月が優等生然として、姉妹の取りまとめ役を果たそうとしている事を指しているのかと何となく思っていました。

しかし、この二乃の台詞の真意は、五月の口調が母親の模倣だった事を含めた煽りだったようです。

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五月はこの後のシーンで、修学旅行に出発する前に母親との別れを名残惜しんでいました。この事からも、五月の母親に対する強い思い入れが感じられます。

三玖と零奈

ところで、母親の零奈については小学生時代の二乃(サッカーをしている際に身に付けているビブスの番号は、姉妹の生まれ順の通りと考えてよさそうです)が

あの無表情のお母さん

と語っていました。

実際、五月に抱きつかれている時もノーリアクションでしたが、その独特の雰囲気はどことなく、最初に登場した頃のミステリアスだった三玖の姿とも重なるような気がしました。

マルオと零奈

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この話で明確になった点で驚いたのは、五姉妹が修学旅行に出発した当日時点で、マルオは零奈とは結婚していなかったと思われる点です。

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驚いた理由はというと、風太郎の回想によれば、写真の子との別れの場面に居合わせたのがマルオだったからです。

何故、修学旅行先に親であるマルオがいるのか? という疑問をこれまで私は持っていたのですが、そもそもマルオはこの時点で親ですらなかった可能性が高いと知って、尚更説明がつかなくなりました。これは一体どういう事なのか。

なお、実際には既に零奈とマルオが入籍しており、その事を子供たちに明かしていないだけという可能性も一応ありますが、ここはとりあえず零奈の言う通り、マルオが零奈の単なるファン(少なくとも入籍等はしていない関係)であると仮定して考えます。

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そもそも二人の接点はどこにあったのか。これについては、マルオが医師である事から素直に考えれば、零奈の病気と関係があるのでしょう。たとえば、診療の際にマルオと出会い、マルオが一目惚れしたと考えれば、話はとても分かりやすいです。

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二人が定期的に会っている事までは姉妹の会話で分かります。なので、零奈による「ファン」発言をどう解釈するかという問題はあるものの、二人はそれなりの関係にあり、しかし、まだ正式な交際には至っていないというのがこの時点での零奈とマルオの関係性と考えられます。

では、正式な交際にまで至っていないとして、だとしたらマルオが京都まで来たのは何故なのか?

もし五姉妹を京都まで迎えに来なければならない事情があったなら、零奈が来ればよい話です。にも関わらず、零奈ではなくマルオが来たという事は、零奈が京都まで来られない状況にあるためにマルオが来たと考えられます。

わざわざ修学旅行中の子供たちを連れ戻さなければならないような理由が存在し、かつ連れ戻しに来た人物が親権者でもないとしたら、親権者自身に何かあったと考えるのが自然でしょう。

この事態から真っ先に思い浮かぶのは、零奈の病状の急変・悪化に伴い、マルオが五姉妹を連れ戻しに来たという可能性です。今後の話の中で、この辺については明らかになるのでしょうが……。

五姉妹の修学旅行について

五姉妹の修学旅行が行われたのは、作中のカレンダーから6月であることが明らかになりました。

この修学旅行については、他の生徒の様子が見えないことや、マルオが京都にいるなどの不可思議な状況から、実は単なる修学旅行ではなく、"修学旅行"という名目の家族旅行なのでは? と内心疑っていたのですが、本話にて本当に学校の修学旅行だったことが明確になりました。

愛知県における小学校の修学旅行統計

修学旅行に関しては、面白い資料がありました。以下のリンクは、愛知県の修学旅行実施状況について調査されたものです。

http://jstb.or.jp/relays/download/18/233/8/1078/?file=/files/libs/1078/201809281421457209.pdf

これによると、

名古屋市立小学校では、実施時期が6年生の5〜6月と9〜11月に二分されており、特に秋の9月10月に約82%の学校が集中して実施している。

旅行先は、例年のように京都・奈良方面を中心に関西方面が99.6%と多い。

との事でした。2017年版の調査なので、作中の年代およびねぎ先生が実際に子どもだった頃とは多少状況が違うかもしれませんが、6月開催で行き先が京都というのは、それなりに納得感がある設定だったというのが分かります。

ねぎ先生自身が愛知県出身なので、小学生の時、6月に京都に修学旅行で行ったというのは、先生自身の経験に基づくものであった可能性もありそうですね。

なお、五等分の花嫁の舞台は太田川なので、厳密には名古屋市ではなく東海市になるのですが、修学旅行の実施状況が名古屋市と近くの東海市で大きく変わるとは考えにくいため、状況はほぼ同じものと解釈しました。

ちなみに、五姉妹についてみると、前の高校での落第騒ぎ等によって転校してきた事もあり、引っ越し前は名古屋市だった可能性もあります。

一方で、風太郎はおそらく小学生の頃から引っ越ししていません。これはアニメ版で「小料理屋うえすぎ」という看板が住居にあった事から推定できます。飲食店を風太郎の自宅が営んでいたのは、85話の手作りパンのくだりから、母親が存命の時点と考えられます。そこから高校時代の風太郎の住居が変わっていないのですから、風太郎は引越しをしていない筈です(なお、漫画版とアニメ版の設定の整合性についてはねぎ先生がチェックしているとの話があります。そのため、アニメ版の設定を逆輸入する形で上の論を立てています)。

小学生の頃から今まで引越ししていないとすると、風太郎はずっと東海市在住ということになりますね。

竹林と四葉は遭遇していない

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地味なポイントですが、本話では四葉が竹林を目撃していない可能性が高いと思われる事も分かりました。

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79話で風太郎の初恋の子が"写真の子"と聞かされた四葉。これについて、仮に四葉が修学旅行のとき、風太郎と竹林が共にいる時点から捕捉しており、また風太郎が当時好きだった竹林を写真に収めている場面まで目撃していたならば、「写真の子である初恋の子」を竹林だと四葉が誤認しうるという考え方が一つありました。

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しかし、本話では四葉が竹林に会っておらず、また風太郎についても目撃したのは駅で既に独りだった時点からである事が示唆されました。そのため、四葉が風太郎の初恋の子を竹林と誤認したという可能性は低くなりました。

内心ドキドキで声を掛けた四葉

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風太郎視点ではなく四葉視点における、京都駅での初めての出会いの場面も描かれました。

冤罪を晴らすために声をあげた四葉。これまでは、この状況にも物怖じしていないイメージを持っていました。しかし、自分が見ていたと伝える直前、拳を握りしめる描写からは、実際には四葉は勇気を振り絞って声を掛けていたのだという事が分かりますね。

「五人一緒でいること」への疑問

この話からは四葉が「五人一緒でいること」への疑問を抱いている様子が伺えます。

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京都で一人はぐれた四葉は

私たちは五人一緒じゃなきゃいけないのに…。

……本当にそうなのかな…?

と内心で独白していますね。

しかし、この直後に

って、だめだめ! こんなこと考えちゃ…

とも四葉は考えていることが伝えられます。

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この四葉の内心には、スクランブルエッグ編で四葉自身が話していた、小さい頃の思い出が関係しているのかもしれませんね。

四葉はある日、気まぐれで皆と違う格好をしてみたら、他の姉妹と仲違いしたのかと祖父を心配させてしまったことがありました。それ以来、祖父の前では一緒の姿でいるように決めたとの事でしたが、また同時に"私たち姉妹は一緒でいなくてはいけない"という考えを無意識の内に抱くようになったのかもしれません。

なお、あるいは修学旅行先で姉妹一緒でいることについての疑問が生じたからこそ、祖父の前で違う格好をしてみたという解釈もできるかもしれません。

ただ、どちらかというと私は前者、つまり祖父とのやり取りが修学旅行よりも先にあった可能性の方が高いと考えています。

その根拠は、四葉がおじいちゃんの前で皆と違う格好をしたというエピソードが語られている場面には、零奈が五人を引率している画が挿入されているためです。

もし仮に上の項で挙げた通り、修学旅行時点で零奈が病状を悪化させ、その関係でマルオが京都まで迎えにきたのだとしたら、零奈はその後、残念ながら亡くなったと考えられます。だとすると、修学旅行よりも後のタイミングで零奈が祖父の家に行ける機会は無かったのではないかと考えられることになります。よって、まず先に実家での祖父とのやり取りがあり、それ故に修学旅行先で四葉は思い悩んでいるのではないかと思いました。

【追記】マルオが零奈の「ファン」であることについて

マルオについて語った零奈の言葉。

私のファン らしいです

このセリフにどうも引っかかるなと思ったのですが

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これは塾講師の下田が語った零奈の思い出で使われていたファンクラブという言葉があったからですね。

もし、零奈の語った「ファン」という言葉が、自身の(かつての)教え子という意味合いなのだとすると、マルオは下田と同じく、元は零奈の教え子だったということになりますね。また、マルオと親交のある上杉勇也(上杉父)がマルオと学友だったと仮定すると、勇也も零奈の教え子だった可能性が出てきます。

そうした仮定で、上で挙げた画像の右下のコマを見てみると、下田・勇也・マルオの三人が叱られているようにも見えてきました。金髪が勇也で、目つきの鋭い男がマルオですね。今とは大分イメージが違いますが……。

もしそうだとすると、マルオは不良から心機一転、学業に励み、医師の道へと進んだ事になります。そして、病に侵された恩師(零奈)を診療することになった……という事なのでしょうか。

だとしたら、そこには単なる恋愛感情だけでなく、自身を指導してくれたことへの感謝の念も含まれているのかもしれません。遺された姉妹に対するマルオの献身的(と言ってよいと私は思うのですが、どうでしょう?)な態度にも、納得がいく話です。

ところで、マルオはこの京都でおそらく金髪の風太郎を目にしており、またその彼が高校生の頃にはすっかり黒髪に戻して勉学に励み、全国トップクラスの成績をおさめているのも目にしています。マルオが風太郎の事をいまいち好きになれない描写が幾度となく出てきますが、これはルオが風太郎に同族嫌悪を抱いているという事なのかもしれませんね。

【追記】勇也・マルオ・下田が学友という伏線について

上記の三人が学友である可能性について上で書きましたが、このことに関して、なるほどと思わされる意見をネット上で見かけました。

上杉・中野・下田で「上中下」になる点からしても、この三人が繋がっている可能性が高い

言われてみれば確かに! という話ですね。目から鱗でした。

私がこの記事を書く際には風太郎や五姉妹との区別を付けるために、勇也やマルオという呼称を使っています。そのため名字を並べると、そこに関連性がみられるという点には気付きませんでした。

なお、この繋がりは87話を読む前でも気付こうと思えば気付けそうな点です。ひょっとしたらもっと前から、この三人の名字の繋がりに気付いていた方もいるのかもしれませんね。

もし事前に気付けている方がいたとしたら、素晴らしい洞察力だと思いました。私は全く気付けませんでした!

【追記】「病気が治った零奈」について

本記事について、名無しの五つ子さんより下記のコメントを頂きました。

マルオは大病院の開業医の息子で、その病院は終末医療としての在宅医療(訪問診療)を行っているのではないかと考えております。悪性腫瘍等で生命予後が短い場合、QOLを出来るだけ高くするべく、終末期に自宅退院する事は以前からずっと一般的な事です。零奈は元気になっての退院では無く、終末期を家で過ごすための退院と思われます。そこに訪問診療をしに来たマルオが零奈の病状悪化を確認し、ファンでもあった零奈の五つ子を呼びに来たというストーリーです。医者としてのその行為は深入りし過ぎですので、個人として迎えに来たというスタンスでしょう。

これはとても納得のいく説だと感じました。ご意見ありがとうございます。

もともと、今回の話を読んだ中で一つの違和感がありました。それは、零奈の病気が治ってから、死に至るまでのスピードが早すぎる点です。

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零奈の命日は8/14だと57話で四葉が明言しています。修学旅行が行われたのは6月なので、この時点から零奈の死亡までは約2ヶ月という事になります。

仮に零奈の病気がすっかり治ったのだとして、もちろん再発から死亡まであっという間に進む病が無い訳ではないのでしょうが、それにしても早いなという気持ちがありました。

なので、私は内心では、最終的に零奈は病ではなく事故か何かによって命を落としたのかもしれないという疑いを持っていました。

しかし、名無しの五つ子さんの言う通り、既に治療が望めず、余命を自宅で過ごすために退院した、または通院をやめたのだと考えると、この2ヶ月というスピード感も腑に落ちます。

五姉妹には当然、この事情は伏せられたのでしょう。マルオと定期的に会って話をする事について五姉妹は把握していましたが、それは交際相手としてのデートではなくて訪問診療だった。だから、零奈は五姉妹に対してマルオとの関係をストレートに語らなかった(語れなかった)。確かに辻褄が合っています。

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そうした背景があると仮定してこのカットをみると、前にも増して泣けてきました。零奈の語る「五人が健康であることが何よりの幸せ」という言葉の重みが変わってくると感じます。

余命幾ばくも無い中で帰宅した家で、仕事に対する労いと、実際には治っていない病気に対し、それでも治ったという言葉を信じて祝福してくれる五人の娘たちの姿。条件反射的に感じられる幸福感と、彼女たちと過ごせるのは残り僅かであるという絶望感の両方の気持ちが零奈の胸中に去来したことでしょう。

無表情と周囲から言われていた母親の零奈ですが、五つ子を抱き寄せながら彼女は、子どもたちに表情が見えない中でひっそりと涙を流していたのかもしれません。

まとめ

ついに四葉の内心が描かれるエピソードが始まりました。彼女が風太郎についてどう考えていたのか。そして、個人的に一番興味がある何故マルオが修学旅行先の京都にいるのか(しかも、今回明らかになった通り、まだ五姉妹の父親にもなっていないのに!)。これらについて、明らかになっていくのでしょう。

修学旅行編を終え、少し小休止のような回が描かれるのかとも思いましたが、その勢いは止まることなく、更なる新事実が今後も描かれていきそうです。来週も展開から目が離せませんね!

以上、『五等分の花嫁』87話「私と姉妹①」の感想・考察でした。


§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。


 

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