伝達役がお題を連想させるヒントを解読役に伝え、お題を当てさせるワードゲーム。しかし、相手チーム(盗聴役)にお題を当てられてしまってはならない。分かりやすくも分かりにくくもないヒントを出しつつ、相手の伝達を推測するのが楽しい連想ワードゲーム。
こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。
ボードゲーム『デクリプト』のルール説明とリプレイ(プレイ記)に関する記事です。
ルール概要
一言で言ってしまえば、あるお題について敵陣営に知られないように仲間に伝えつつ、自身も敵陣営の伝達内容を推測するワードゲームです。
細かい進め方は、やっている場面を見たほうが分かりやすいので、さっさとプレイ記(リプレイ)に移ります!
プレイ記(リプレイ)
1戦目
1戦目は妻と友人Kで対戦しました。
コード表の確認
まず、ゲーム開始時にそれぞれ自身のチームが伝達するべきコード表を伝達役と解読役が互いに確認します。
まず、こちらが妻のコード表。
- パンツ
- 耳
- 塔
- ビール
そして、こちらがKのコード表です。
- 写真
- 王冠
- 歯
- 肌
本来、このゲームはチーム戦で、伝達役と解読役で最低二人以上で一組のチームを作るのですが、今回は私が両チームの解読役を公正中立な立場でまとめて務めるという変則的なプレイの仕方をしています。
妻のコード表は妻(伝達役)と私(解読役)だけが内容を知っていますし、またKのコード表はK(伝達役)と私(解読役)だけが内容を知っている状態です。
暗号伝達:1st
さて、最初のコード伝達です。
伝達役はそれぞれ1〜4の数字で構成される3つの数字が書かれたカードを引きます。この数字は伝達役だけが知っており、解読役は中身を知りません。
伝達役はこの3つの数字を解読役に伝える必要があるのですが、一方でその中身を相手陣営に悟られてはならないという制約があります。
では、どうするか。
ここで、最初に共有したコード表を使って相手に数字を伝えるのです!
まず、妻から暗号が飛んできました。
魔術師-鬼-パン
これらと先ほどのコード表とを照らし合わせると……。
まず、魔術師から連想されるのは塔でしょう。そして、パンから連想されるのは耳ですね。鬼だけは少しその意図を迷いましたが、おそらくはパンツです。「鬼のパンツ」の童謡から、妻が発想したのでしょう。
それぞれ指す数字をコード表から読み取り並べると、3-1-2となりました。ここから、妻が伝えたかった数字は3-1-2だったと分かりました!
続いて、Kからのコード伝達です。
帽子-服-顔
帽子に当たりそうなのはヒントの中だと王冠だけですね。服は写真と肌で少しだけ迷ったのですが、写真だとヒントとして遠すぎるかなと思い、肌と解釈。顔にあるのは歯ですね。
これらから、Kが伝えたかった数字は2-4-3と判断しました。
解読役は解読した数字を宣言します。当たっていれば解読成功です。
大抵は当てる事ができるのですが、ヒントが遠すぎて解読役との意思疎通に失敗した場合、伝達失敗となります。そして、伝達失敗を2回やってしまった場合、そのチームの負けとなるのです。
暗号伝達:2nd
続いて2回目の暗号解読です。
妻から飛んできたのは
ウサギ-泡-二つの
Kから飛んできたのは
えらい-色-家電
でした。解読役の私は、受けたコードから解読を開始します。
一方、妻とKはこの2ターン目から互いに暗号の盗聴を試みることになります。相手が送っている言葉を頼りに、その数字を想像するのです!
私はそれぞれ
- 妻:2(ウサギ→耳)-4(泡→ビール)-3(二つの→塔[ロードオブザリング])
- K:2(えらい→王冠)-4(色→肌[肌色])-1(家電→写真)
と発想しました。
2ターン目からは、解読役が自陣営の回答を行う前に、盗聴のチャレンジが行われます。ここで、相手の送った数字を言い当てられば、盗聴成功となります。そして、盗聴成功を2回達成できた場合、そのチームの勝ちとなります。
妻とKは互いに自身なりに考えて3つの数字を言い合います……が、まだヒントが少な過ぎるのか共に不正解。
その後、解読役(私)による回答を行います。今回も私の考えた数字は合っていましたので、伝達は両チーム成功となります。
暗号伝達:3rd
さあ、暗号伝達も3回目。この辺まで来ると、相手チームの暗号も段々と予想がついてきます。
妻からの暗号は
音楽-大人-服
Kからの暗号は
国-かたい-やわらかい
でした。
ここで、これまでに出てきた暗号を整理してみましょう。
・妻が2ターン目までに出してきた暗号
- 鬼
- パン、ウサギ
- 魔術師、二つの
- 泡
これだけ見ると、2が指すものが耳というのはかなりの確率で分かるように思われます。
そして、そう推測する事ができれば、上で妻が出した「音楽」が指すのは2なんじゃないの? というのも分かってしまうというわけですね。
・Kが2ターン目までに出してきた暗号
- 家電
- 帽子、えらい
- 顔
- 服、色
こちらは妻よりも分かりづらいかも。強いて言えば、2が帽子・えらいというヒントから、王冠と想像できるかも……? くらいでしょうか。
結局、このターンでも二人とも盗聴は失敗。その後、私が
- 妻:2(音楽→耳)-4(大人→ビール)-1(服→パンツ)
- K:2(国→王冠)-3(かたい→歯)-4(やわらかい→肌)
と発想および回答して無事に正解。
暗号伝達:4th
このラウンドでいよいよ事態が動きました。
妻が出してきた暗号は
ふさぐ-高い-びん
Kが出してきた暗号は
頭-骨-とる
結果的にKは妻の出してきた暗号を見破れなかったのですが、妻はKの暗号解読に成功します!
というのも、ここまでに出された暗号を並べてみると
Kが3ターン目までに出してきた暗号
- 家電
- 帽子、えらい、国
- 顔、かたい
- 服、色、やわらかい
まず、最初の「頭」は帽子という暗号との親和性から2の可能性が高いとバレてしまいました。
続いて「骨」という言葉も3の顔や"かたい"という言葉から連想できます。
最後の「とる」の意味は明確には妻には分からなかったようなのですが、何となく4ではない気がすると思ったようです。
結果的に妻は2-3-1と3つの数字を当ててきました。盗聴成功です!
Kは残念ながら盗聴失敗。答は
- 妻:2(ふさぐ→耳)-3(高い→塔)-4(びん→ビール)
ですね。
暗号伝達:5th
このターンでは妻が
麦-たこ-試練
Kが
姫-趣味-山
と暗号を提示。
ここでも妻は暗号を2-1-4と見破り、これで2回目の盗聴成功となったので妻の勝利で決着しました。
思考過程を聞いてみると、
- 姫は「国」「えらい」との関連で2と分かった。
- 趣味はまず3ではないと考え(ちなみに妻は3を歯・頭蓋骨・頬骨と読んでいたらしい)、4と1だと4っぽい気がしなかったので1。
- 残った山は4。
と考えたようです。つまり、指し示す言葉が何かが明確には分かっていなくても、何となくイメージを掴まれると読まれてしまうんですね。
なお、妻の出したヒントの答は
4(麦→ビール)-3(たこ→耳[耳にたこができる)-2(試練→塔)
でした!
2戦目
ルールは上で大体分かったと思います。
今度は私が暗号伝達&盗聴役となり、妻と対戦しました。代わってKが2チーム共通の解読役を務めることに。
1戦目は言わば、神の視点でゲームを見つめてきた訳ですが、今度は参加者の視点で流れを追ってみましょう。
コード表の確認
私に与えられたコード表はこちら。
- 鍵
- 蝶
- 映画
- 部屋
妻のコード表は私にはもちろん分かりません。
共通の解読役を務めるKは両方のコードを確認しました。
暗号伝達:1st
まず、伝えるべき3つの数字を確認します。今回は3-2-1が伝えるべき数字でした。つまり、映画-蝶-鍵と伝わる暗号を出せば良いわけです。
そこで
暗い(映画館は暗い)、変身(蝶はさなぎから変態する)、金属(鍵の素材)
と暗号を出しました。
妻側はというと
ちかん、イースター、鳥
とのこと。今の時点では、何のことやらさっぱり分かりません。
1ターン目なので盗聴は単なる山勘になるので飛ばして、Kの回答へ。まあここは問題ないだろうと余裕をかましていたのですが……。
あるこじさんの答は4-2-1?
との発言。いきなりの伝達失敗です!(笑)
おいおいどうした……と思ったのですが、私の出した暗号「暗い」から「映画」が連想されず
暗い→暗い部屋ってこと?→4
と思われてしまったようです。確かに、これはそう思われても仕方ないな……。
なお、妻側の方は1(ちかん)-3(イースター)-4(鳥)と見事に正解。
これで私は「暗い」は3にも4にも当てはまりうるヒントであると妻にバレた上に、もう二度と伝達失敗できないという枷まで付いてしまいました。
暗号伝達:2nd
気を取り直して2ターン目へ。今回の数字は3-1-2。ワードに置き換えると映画-鍵-部屋です。
もう伝達失敗はできない中で出した暗号は
チケット(映画を観るのに必要)、あい(合鍵)、密室(部屋の一種)
ポイントは「あい」で、ここを妻が愛と読み違える事を狙った一手。
一方で妻の出してきた暗号は
たかい、地下、バナナ
さっぱり分からん。が、早めに当てたいので考えるしかない。
高い→鳥と同じ関係が? と思って4、地下→さっきの言葉との関連が見えないので2、バナナ→イースターと同じ片仮名で書ける→3、と答えるが全くのハズレ。
妻も盗聴にトライするが、まだ流石に分からないようでこちらもハズレ。
Kは今回は両方とも無事に正解。よかった。
暗号伝達:3rd
今回伝えるべき3つの数字を確認すると3(映画)-1(鍵)-2(蝶)だった。
そろそろ掻き回していかないと勘の良い妻にはバレてしまう……と少しキツめのヒントを出していく。
観客、謎、プロボクサー
観客と謎は問題なく伝わるとして、2だけはちょっとした賭けでかなり遠めにヒントを置いた。
Kからすれば映画と鍵はすぐ分かるだろう。あとはプロボクサーが蝶と部屋、どちらを指すかの二択だ。
このヒントはプロボクサー→モハメド・アリ→「蝶のように舞い、蜂のように刺す」→蝶、というかなり無理めの連想だった。果たしてKに届くか!?
妻が出してきた暗号は
やきそば、おばけ、にんじん
2ターン目までの答も合わせてみると
- ちかん、たかい
- 地下
- イースター
- 鳥、バナナ
だった。うーん……。
焼きそばは横手やきそば? と考えた。目玉焼きが乗っていて、これとイースターの関連なんじゃないだろうか? つまり、ワードは卵だ。よって、3。
おばけは地下と関連がある気がする。2かな。
人参がよく分からない……が、何となく動植物の感覚があるのは4か?
結果、3-2-4と回答するが今回もハズレ。
一方の妻も回答してくるが、ハズレである。ただ、その回答内容から3が映画を指すのはどうも気付かれたようにみえた。
暗号伝達:4th
このターンでは、私が出した暗号からまず書いてみよう。
スーパー、ランナー、ハリウッド
それぞれ、何を意味するか分かりますか?
与えられた数字は2(蝶)-4(部屋)-3(映画)だった。
スーパーは漢字にすると超→蝶、ランナーはルームランナーからの連想だ。
一方、3の映画はもう妻にはバレたと判断して、万一にも伝達を失敗しないように分かりやすく置いた。下手したら「スーパー」や「ランナー」を映画だと思われてしまうかもしれない(字幕スーパー/ブレードランナー、炎のランナー)と思ったのだ。
妻側の暗号は以下の通り。
植物、毛、夏
3ターン目までの回答を並べてみる
- ちかん、たかい、おばけ
- 地下、にんじん
- イースター、焼きそば
- 鳥、バナナ
1は大体予想がついた。何かしら怖い要素と関係がある何かだ。2は分からず。3は卵だろうか? 4は黄色(キイロイトリ、バナナの色)か南国か?
ここから植物→2(植物関連っぽい気がする)、毛→1?(卵と黄色・南国とは関係ない)、夏→4?(南国との関連?)と推理するもまたまたハズレ。
一方、妻が何とここで盗聴成功!
あと一回当てられても、また伝達に失敗しても私の負けである。いよいよ追い詰められた……。
暗号伝達:5th
このラウンドではまず相手に当てられず、更に解読に成功して少しでも追いつくことを考えなければならない。
妻が出してきた暗号は
歯、かばん、ジェットコースター
だった。4thまでで得られたヒントを再確認すると
- ちかん、たかい、おばけ
- 地下、にんじん、植物
- イースター、焼きそば、夏
- 鳥、バナナ、毛
となっていた。
ここまで来ると、1に続いて2と3もはっきり分かる。2は根、そして3は祭だ。
4だけがイマイチよく分からないが、上の物に当て嵌まらなければ4で答えればいい。
よって、歯→2(歯根)、かばん→4(?)、ジェットコースター→1(怖い)が答えだ!
一方の私が出した暗号は
ダンスダンスレボリューション、間取り、ワード
の3つ。果たしてKに伝わるだろうか?
間取りが部屋を意味するのはまず迷わないだろう。
ワードも「キーワード」→鍵と解読役には簡単に伝わるが、口頭で伝えているので、妻はMicrosoft Wordと誤認するかもと一縷の望みを託して放った暗号だ。
ダンスダンスレボリューションが多分一番遠いが、分かる人には簡単に分かる。このゲームを代表する曲がbutterflyなので蝶、という連想だった。ゲーマーのKならその辺の基礎知識は持っているはず。
しかし、4th時点までにこちらが出していたヒントをまとめると
- 金属、あい、謎
- 変身、プロボクサー、スーパー
- 暗い、チケット、観客、ハリウッド
- 暗い(Kが誤認)、密室、ランナー
だった。
こうして並べてみると、上で挙げた3つも間取りは密室とほぼ関連づけられそうで、残ったワードとダンスダンスレボリューションは映画と関係がないので、普通っぽいワードのヒントは1、よく分からんヒントが出てるほうは2と指摘されるのでは……と思っていたら、案の定そうなった。妻が二回盗聴成功したので妻の勝ちである。
最後は私も盗聴成功したものの、妻に一手遅れ、このゲームは妻の二連勝で終わったのだった。
ちなみに妻の1が意味していたのは「悲鳴」だった。これは怖いイメージの言葉という予想の通り。
最後まで分からなかった4が意味していたのは「皮」だったそうだ。鳥皮、バナナの皮、毛皮、カバン(革製)……なるほど!
まとめ
相手の推測を上手くかいくぐって伝達しなければならない点と、また逆に相手の思惑を推理する点、両方の思考が必要なので忙しくも面白いゲームです!
ワードゲームとして他に有名なものに『コードネーム』というゲームがありますね。
『コードネーム』では様々な単語を示しうる単一のワードを探すのに対し、『デクリプト』では単一の単語を示すために様々なワードを探すという点で、同じワードゲームながら、その内容は対照的です。どちらも違った面白さがあると言えますね!
なお、今回は3人で変則的なルールで遊んでみましたが、普通はチーム戦で遊ぶゲームです。4人ならその関係は今回と同じく1:1ですが、5人以上になると複数人で解読・盗聴時に意見を合わせる事も必要になり、複数人での調整といった要素も入ってきます。
この辺の要素は人によって好みが分かれるかもしれませんね。皆で議論しながら複数の意見を出し合って楽しむのと、一対一で成功も失敗も個人の責任として楽しむのとでプレイ感は変わってきます。
ただ、どちらにしても、暗号の発信・解読・盗聴と様々な思考を絶え間なく巡らす事を楽しめるゲームなことには変わりありません。言葉による連想・意思疎通系のゲームが好きな方なら、このゲームもきっと、存分に楽しめることと思います!
以上、『デクリプト』のルール説明&プレイ記でした。