ルールが分かりやすく美しいカードゲーム。自身の手札を場の札と交換する事を重ね、マイナス点を出来る限り減らすことを目指す。条件が揃う事で宣言できる「ゼロ」を達成した時の気持ちよさは格別!
こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。
カードゲーム『ZERO』のルール説明とレビューです。
ルール概要
ゲームの準備
このゲームでは各7色の1〜8の数字のカードを使います。
まず、各プレイヤーに手札を9枚配ります。このカードに書かれた数字は全てマイナス点となります。
その上で、共通の場札となるカードを5枚、中央に表向きで並べます。
残りのカードはこのラウンド中は使いません。
ゲームの目的
配られた手札を場に置かれた5枚のカードと交換する事で、失点をできる限り減らしていくのがこのゲームの目的です。
たとえば写真の手札の場合、2+2+2+3+3+4+5+6+7=34なので、単純な合計値でみるとマイナス34点となりますね。
しかし、この点数計算には追加のルールがあります。
同じ数字のカードが2枚以上ある場合
1枚だけマイナス点として計上します。
同じ数字のカードが5枚以上ある場合
同じ数字のカードの点数は全て0点として計上します。
同じ色のカードが5枚以上ある場合
同じ色のカードの点数は全て0点として計上します。
写真の手札のケースは、実際にはマイナス34点ではなくマイナス5点となります。内訳は以下の通りです。
- 2のカード3枚→マイナス2点
- 3のカード2枚→マイナス3点
- 赤のカード5枚→マイナス0点
ゲームの進め方
スタートプレイヤーを決めたら、そのプレイヤーから順番に自身の手番をこなします。
手番に行えるのは次のいずれかです。
- 手札から一枚カードを場に出し、代わりに場のカードを一枚手に入れる
- 机をコンコンとノックする(パス)
ノックがラウンド中に合計2回行われたら、最後にノックをした人以外が順番に自分の番を一度だけ行い、ラウンド終了となります(=2回目のノックを行ったプレイヤーは、そのラウンドにおける自身の手番は全て終了という事になります)。
ラウンドが終了したら、全員その時点の手札をオープンして、互いにマイナス点を計算します。
ゼロの達成
例外的にノックを省略していきなりラウンド終了する事があります。
それは、このゲームのタイトルにもなっている「ゼロ」を誰かが達成したときです。
ゼロとはこのゲームにおける最高の手で、手札の構成が同じ数字の5枚+同じ色の5枚になったときです。
たとえば先程、得点の例で挙げた写真にあった手札において、青3→青2、紫3→紫2になったとすると、その手札は
222224567
と同じ数字の5枚と同じ色の5枚の両方が共に満たされた状態となり、手札が0点(失点なし)になるという訳です。
ゲームの勝敗
最初に決めた規定ラウンド数ゲームを繰り返し、最終的にマイナスを最も抑える事ができたプレイヤーが勝者となります。
感想
ゲームのプレイ時、各ラウンドで取る選択は概ね以下の2点に集約されます。
- そこそこの失点に抑えつつ早めにノックし、他プレイヤーがゼロを達成する前にラウンドを終わらせる
- ゼロの達成を狙う
ゼロは達成できれば気持ちいいのですが、達成する前にラウンド終了となると、大きなマイナスになりやすいです。
それなら毎回ゼロを狙う事なく、堅実にマイナス点を低くしてさえいけばいいかと言うと、そんな事は無いんですよね。
それは、ゼロが達成できそうな初期の手札から失点が少ない堅実な形を目指そうとすると、時間(ターン)が掛かるケースが多いからです。
自身の初期手札や場の札の状況から、どちらの道を選択するのかは悩ましいです。
また更にいえば、場から拾うカードについても、大きい数字と小さい数字のどちらにするかも悩みどころ。
小さい数字を集めれば失点が少なくなるのは当たり前ですが、当然ながら皆、どちらかと言えば小さい数字が欲しいため、場には大きな数字のカードが溢れやすいです。
ゼロの達成条件の一つである「同じ数字5枚」について、2を5枚集めるのと8を5枚集めるのではその難しさが変わってきます。
最初から小さな数字ではなく大きな数字を沢山集めて5枚以上にする方が、ゼロが達成できなかったときのリスク(失点)は高いですが、近道かもしれません。
他のプレイヤーとの絡みといった要素もあります。皆が場に出してくる札からは、何の数字や何色を求めているのかが朧気ながら分かります。
場になかなか出てこない色、場に出てもすぐに誰かが回収する色があれば、それは他のプレイヤーが集めているのだろうと推察できますから、自分が同じ色を狙うのは避けたいところ。
あるいは、「同じ色」ではなく「同じ数字」のセットで使う目的で、それをカットするなんて事もできます。
この辺りの感覚を表す感想として、共に遊んだ友人から「麻雀みたい」と言われた事もありました。
他人がどんなカードを放出し、取っていったかという情報から状況を判断するという意味では確かにそうかもしれませんね。
ちなみに3人と4人でそれぞれプレイしてみると、3人戦では6ラウンドやってゼロは1回だけだったのに対し、4人戦では8ラウンドでゼロが3回発生しました。
これは4人で遊んだときの方が全体のカード数が増えるのでゼロが達成しやすくなる(3人プレイでのカード枚数は9*3+5=32枚、4人プレイでのカード枚数は9*4+5=41枚)のだろうと思います。
毎回のようにゼロであがるのを狙うか、それとも堅実に場を終わらせに掛かるか。
この辺は状況もですが、プレイヤー毎の性格も如実に表れますね。そこもまた好きな点です。そして、この辺りも麻雀に似てると言えばそうかもしれません。
堅実に場を見て低いマイナス点であがるのもクレバーですが、私はやはりゼロであがるのが好きですね。まだラウンドが終わらないと他プレイヤーが思っている中、ゼロであがったときの気持ちよさは格別です!
まとめ
シンプルかつエレガントなルール、押し引きの判断におけるジレンマ、他プレイヤーが何を集めているかの洞察と三拍子揃った、非常に良く出来たカードゲームです。
強いて言えば、マイナス点を計上するのが面倒なのが欠点ですが、個人的には他にこれといってキズが無いゲームだと思います。
カードゲームなので値段も比較的安く、また持ち運びも簡易です。ルールも直感的に分かりやすいので初めて遊ぶ時も入りやすく、更には遊ぶ際の場所についても省スペースです。
本当に良いゲームです。一家に一つあって困る事の無いゲームですね。
以上、カードゲーム『ZERO』のルール概要と感想でした。