サークル「六角えんぴつ」さんのボードゲーム、エーテルグライダーの紹介。宇宙空間を飛び交い、荷物や旅客を運んだり、モンスターを倒したり、投資や施設建造を行ったりしてその勝利点を競うゲーム。ゲーム概要を説明した上で、ソロプレイでの遊び方や、そのプレイ記を通じてゲームの具体的な進め方についても言及する。
こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。
本記事はサークル「六角えんぴつ」さんの最新ボードゲーム『エーテルグライダー』のゲーム概要の紹介、また一人で遊べるソロルールに関する説明、そしてそのプレイ記に関する記事となります。
『エーテルグライダー』とは?
『エーテルグライダー』は『異世界ギルドマスターズ』など、異世界をテーマとしたボードゲームを多く作られているサークル「六角えんぴつ」さんの新作ボードゲームです。
ゲーム内容ですが、プレイヤーは宇宙船の船長となって宇宙空間を飛び交い、貨物や旅客の輸送、未知の生物との戦闘、惑星への投資、施設の建造などを行い、勝利点を稼ぐというものになっています。
ある場所から、別の場所へ資源などを運ぶことがゲーム内容の根幹となっていることから、システムとしては「ピックアンドデリバリー」と呼ばれるものに該当します。
kickstarter(クラウドファンディング)にてファンディングゴールを100万円に設定してプロジェクトをスタートしたところ、最終的に837の出資者から目標額を大幅に超える900万円以上の出資を受け、製作に至りました。
#エーテルグライダー
— 蜂月@六角えんぴつ (@hatituki003) 2023年10月18日
『エーテルグライダー』今後の販売予定です。
■店舗委託
ボドゲーマにて、11月上旬開始予定。他の委託先にも提案中
■千葉ボドゲーン万博
本体3~4個程度販売(手搬入のため)
イラストブック、宇宙船アクスタを販売
■ゲームマーケット2023秋… pic.twitter.com/LBJunk5yCh
現在入手しているのは既に終了したクラウドファンディングでkickしたバッカーのみですが、今後はゲームマーケット2023秋や店舗委託などの形で頒布・販売されていく旨がアナウンスされています。
ゲーム概要
ゲームの目的
このゲームの目標は勝利点をより多く稼ぐということになりますが、その道筋については具体的には下記のようなものがあります。
- 星間を移動して貨物や旅客をより多く輸送する。
- 未知の生物を戦闘により倒し、その亡骸を輸送(納品)する。
- 各星において投資や施設の建造、寄付などを行う。
そして、これらを行うためにプレイヤーは自身の手番において
- 積込:貨物や旅客を宇宙船に積み込む。
- 航行:宇宙船で移動する。
- 取引:その星で投資や施設の建造、寄付、また乗組員の雇用を行う。
といったアクションを主に行うことになります。
また、各プレイヤーはゲームの開始時に全8種類の惑星国家の後援者のうち、1人を味方にします。この後援者はそれぞれ各プレイヤーを支援する能力を持っており、その能力を元に各プレイヤーは基本的な指針を立ててゲームを始めることになります。
ゲームの進め方(ソロゲーム)
本記事はソロゲームについての説明となります。複数人での対戦プレイとは一部異なる点(繁栄トラックやスペースブイが登場しないなど)があるため、その点はご了承下さい。
ただ、基本的な動かし方はソロも通常ゲームも共通しているため、どういったプレイ感のゲームかは本記事である程度理解できるものと思います。
ゲームの進め方について、細かくは後ほどのプレイ記の中で出てくるので、ここでは全体感のみを書きます。
- ソロゲームは20回のアクションを行ったら終了し、得点計算を行う。
- アクションは「航行」「積込」「取引」などの手番を消費するメインアクションと、「配置」「再編」などの手番を消費せずにいつでも行えるフリーアクションの主に2種類がある。
- 8アクション、16アクションの終了時に「決算」があり、その際に一定の収入が得られる。
では以下、ソロゲームのプレイ記を記載します。本プレイ記の中で、より具体的に各アクションの内容については説明していきます。
ソロゲームプレイ記
ゲーム準備
まず、宇宙船が飛び交う星間を表現したマップボードと、今回使用する各星の星系ボードを準備します。マップボードには初期の状況となるエーテルタイル(アステロイド群や渦巻きのような模様が描かれたタイル。宇宙空間の状況を表す)を、星系ボードにはその星の投資タイルおよび投資チップを配置します。
なお、星系ボードは赤青緑黄それぞれ表裏で異なる惑星国家のものとなっており、どちらを用いるかによって異なる展開を楽しめます。
続いて、自身の宇宙船ボードを準備します。宇宙船ボードには待合室に初期人員となる黒キューブ2つや、エーテル結晶の数(初期値は2)、収入(初期値は0)などが分かるように自身のプレイヤーカラーのキューブを置きます。また、ボードの下部に施設建造に用いる施設チップを、コストの面が上に向く形で置きます。
更に、自身の後援者の実績ボードを準備します。実績ボードは自身の後援者に対応したものを用い、自身の後援者のカードおよび自身のアドバンテージとなる能力を示す国家支援カードを起きます。
なお、自身の後援者を誰にするかについては、特に定めがありません。ランダムにしてもよいし、それぞれ好きな後援者を選んでもOKです。
今回のソロプレイにおける後援者は、惑星国家ソリダスターのノニを選択しました。
選んだ後援者に応じてマップボード上に配置する自身の宇宙船のスタート地点も決定します。今回はソリダスター(青の惑星国家)を選んだので、青色の支星がスタート地点となります。本星ではない点に注意してください。
また、シークレットオーダーのカードも3枚引きました。これは各プレイヤーに与えられる個別の目標で、条件を満たすことで得点計算時のボーナス、またはゲーム内の通貨・フロルを得ることができます。なお、対人戦の場合は他プレイヤーに見えないようにカードを所持します。
ソロルールには《快晴》《曇天》《大嵐》の3つのモードが設定されており、それぞれで引くべきシークレットオーダーの枚数などが異なります。
今回は《大嵐》をプレイすることにしたので、ルールに応じてシークレットオーダーカードを3枚引きました。この3枚のうち、ゲーム終了時までに最低2枚のHARD条件を満たさなければ、得点は0点となります。事実上のゲームオーバーですね。
依頼ボードには通常依頼(貨物)のチップと、乗客依頼(旅客)のカードをランダムに並べます。
また、依頼ボードのそばに置かずとも何処でもよいのですが、デンジャーカード(未知の生物。デンジャーマスにおいて戦闘することになる。亡骸を納品することで報酬が得られる。詳細は後述)も用意します。
これで一通りの準備ができました。早速ゲームを開始しましょう!
決算1回目まで(1〜8アクション)
アクション1:積込
何はなくともまずは荷物を積み込まないことには始まらないので、一手目は積込です。
積み込んだ貨物や旅客を所定の場所(それぞれの色の支星または本星)まで運ぶと、運んだ内容に応じて実績ボードを埋めることができます。このときプレイヤーは一定の収入が得られたり、また最後の得点計算でボーナスが得られたりします。
積み込めるものは初期だと2つまで、かつ、オーダーリストに並ぶ中で縦または横に並んでいるものになります。
通常依頼(貨物)チップは1つにつき容量1、乗客依頼(旅客)カードは1枚につき容量2のスペースを取ります。宇宙船は初期状態で容量2まで積載が可能です。よって、貨物なら2つまで、乗客なら1枚まで持つことができるということです。
貨物と旅客にはもう一つ差があり、貨物はそれぞれの支星や本星どちらでも納品できるのに対し、旅客はボードの隅にあるため到達するのが大変な本星でなければ降ろせないという制約があります。もちろんその分、旅客のほうが輸送した際の報酬は大きいです。
とりあえず今回は貨物2つを積み込むことにしました。
依頼ボードの状態を見ると、黄色の貨物が縦に、青の貨物のチップが横にそれぞれ並んでいますね。今の宇宙船の積込の能力では、縦または横に並んでいる依頼なら2つまでまとめて積み込めます。
しかし、自分が今いる色の星の通常依頼や乗客依頼は積み込めないというルールがあるので、青の通常依頼は積み込むことができません。
というわけで、ここでは黄色のチップ2つを積み込むことにしました。依頼ボード上の空いたスペースには、また新たに依頼チップをランダムで引き、補充します。
アクション2:航行
荷物を積み込んだら、次は宛先の星に運ぶため、宇宙船を移動させる必要があります。そのため、2手目は航行(宇宙船の移動)をします。初期能力だと移動力は2のため、宇宙空間を2マス分移動できます。
なお、宇宙空間(エーテルタイル)にはアステロイド群やエーテル渦、デンジャーなど様々な種類のタイルがあり、それに応じて移動時に制約を受けることになります。
エーテルタイルが置かれていないエリアは「未調査エリア」と呼ばれます。上の例のように、未調査エリアに足を踏み入れた場合、必ずそこで停泊するルールがあります。移動力をまだ残していたとしても、未調査エリアを通過することはできません。
青の支星から黄色の支星までは4マスですが、仮に移動力を強化していたとしても、一発で青の支星から黄色の支星までは行けないというわけですね。
未調査エリアに入った場合、まず4フロルをストックより貰います(忘れやすいので注意)。そして、新たにストックからエーテルタイルを引き、自身が踏んでいるマスに必ず掛かるようにして、引いたタイルを配置します。今回はエーテル渦を自身の踏んでいるマスとなるようにタイルを置きました。
なお、エーテル渦の上で停泊した場合、エーテル結晶を1増やす効果を得られます。そのため宇宙船ボード上のエーテル結晶数を初期の2から3に増やしています(エーテル結晶の使い道については後述します)。
アクション3:航行
黄色の支星に到着するため、3手目は2手目同様に航行します。しかし、実は今の宇宙船の能力では2マス先の黄色の星には辿り着けません。
黄色の星へ向かう途中で通過するタイルに、2と書かれているものがあります。これは「エーテル希薄宙域」というマスで、通常であれば通行に1行動力必要なところ、ここは2必要になるのです。
そこで、宇宙船の能力を強化(人員である黒キューブを配置)し、行動力を2から3に上げました。
3マス分の行動力を得たので、エーテル希薄宙域を通過して、無事に黄色の支星に到着できました!
目的地に到着したら、自動的に輸送してきた貨物や旅客の納品や降船にあたる「荷卸」を行います。この荷卸にはアクションを消費しません。
通常依頼を終えた際、運んできたチップを実績ボードに配置します。各チップは科学・魔術・鉱物・生体のいずれかに属するので、該当する実績ラインに左詰で配置していきます。
配置した際、そのスペースに描かれている報酬を受け取れます。今回の例だと通常なら、魔術チップのラインに配置で人員キューブを1つ、生体チップのラインに配置でエーテル結晶を1つ貰えることになります。
が、今回は後援者の国家支援(特殊効果)を利用して、1フロルを支払うことで生体チップを本来とは異なる魔術のラインに配置することにしました。
これにより、今回の報酬は人員キューブ(※)が1つと4フロルになりました。フロルはもともと4あったので、差し引きで7フロルになりますね。
※なお、実績ボードへの配置時にもらえる人員のキューブは、対戦プレイの場合は「繁栄キューブ」というゲームの進行度に関係する銀色のキューブを取るのですが、ソロプレイの場合は黒キューブにしても進行上関係が無いので、私は処理のしやすさから黒キューブに統一して用いるようにしています。
ここで1フロルをわざわざ支払って配置する実績ラインを魔術に集中させたのには二つの理由があります。
一つ目の理由はシークレットオーダーの中に、「1ラインについて6個目まで到達させること」という目標があるからです。
二つ目の理由は、この次に行うアクションが関係しています。
アクション4:取引(投資)
「取引」は支星や本星にいるときに行えるアクションで、下記の4種のサブアクションのいずれかを行うことができます。
- 投資:所定のフロルを支払い、投資タイルまたは投資チップを獲得する。
- 雇用:6フロルを支払い、人員(黒キューブ)を待合室に配置する
- 建造:所定のフロルを支払い、自分の宇宙施設を建造する。
- 寄付:12フロルを支払い、20点の価値を持つ寄付チップを獲得する。
取引の回数は初期状態では1回で、これも宇宙船を強化することで取引の回数を増やしたり、また取引を行う際に4フロルを獲得することができるようにしたりすることができます。
さて、今回引いたシークレットオーダーの中に「投資タイルを4つ確保する」ことが目標となるものがありました。
投資タイルは上述の通り、サブアクションの投資にてコストとなるフロルを支払うことで得られるタイルで、最終的な得点になることに加え、多くの場合はプレイヤーを有利にする効果を持っています。
黄色の惑星国家の投資タイルを見てみると、投資時のコストを軽減したり、沢山投資タイルを持つことでより効果が得られるというものがあるのが分かります。そのため、黄色の惑星国家で投資タイルを集めるように方針を決めました。
タイル4枚の獲得が目標になっているので、まずはここで一枚だけでも獲得しようと思います。
獲得したのは「灰色まだら市場」の投資タイルです。タイルの右上にコストとなるフロルが書かれており、このタイルは6フロル支払う必要があることが分かります。
3アクション目の実績ボードへのチップ配置で所持金を7フロルにしたのは、この6フロルが払えるようにしたかったためです。
投資タイルを獲得すると
- 書かれている特殊効果が適用される
- 収入が増える
- ゲーム終了時に勝利点になる
という効果が得られます。
「灰色まだら市場」の場合は収入が2増え、また3フロル支払うことで積込を一時的に強化できる特殊効果を得られます。投資タイルの効果を最大限に得るためには、状況が許す限りは早く獲得したほうがいいですね。
アクション5:積込
黄色の星への輸送を終え、取引も行ったところで、次の仕事を始めましょう。輸送のためには当然荷物を積み込む必要があるので、5アクション目は積込です。
さっきは青の支星にいたので取れなかった青いチップがちょうど横に並んでいるので、また1アクションで2つまとめて取れますね。
というわけで、今回は青チップ2つを積み込みました。
さて、これで積み込みは終わったわけですが、次に青の星まで移動するにあたっては往路で既に航路を開拓済みで、未調査エリアがない状態です。なので、行動力さえあれば一気に青の星まで戻れます。
なので、また宇宙船を強化します。「航行」の能力を強化するために黒キューブを宇宙船の「航行」のところに2つ配置します。これにより航行の能力が強化され、一度の航行で2マスから5マスまで移動できるようになりました。
ちなみに、宇宙船の強化のためのキューブは一度配置すると、エーテルを消費して行うフリーアクション「再編」を行わない限りは配置を変えられないというルールがあります(なお、配置の入れ替えは全キューブまとめてではなく、キューブ一つずつしか行えないことも補足しておきます)。
言い換えると、一度配置したとしても、エーテルさえ潤沢にあれば再配置は可能ともいえます。ただ、これまでは使っていませんがエーテルも色々使い道があるので、できる限り再編はしなくて済むよう、本当に宇宙船の強化が必要な局面までは強化しないのがいいですね。
アクション6:航行
では、計画通り黄色の支星から青の支星へ帰還しましょう。5マス移動できるので、一発で移動できますね。
ところが、移動には一つ問題がありました。それは、通り道にあるエーテル渦のタイルです。
エーテル渦のタイルで停泊した場合にはエーテル結晶を一つもらえましたが、通過する場合にはアクシデントロールを行う必要があります。
アクシデントロールを行う際はダイスを振り、4以上の目なら成功、3以下の目なら失敗となります。そして、成功の場合は問題なく通過できますが、失敗の場合はその場で停泊しなければなりません。
ただし、ダイスロールで失敗した場合にエーテル結晶を1消費することで、ダイスをもう一度振り直すことができます。この振り直しはエーテル結晶があるなら、何度でも可能です。
また、エーテル結晶は通行時に2個消費することで、エーテルタイルのどんな内容も無視して通過していいというルールもあるので、この方法でエーテル渦をアクシデントロールを行わずに通過することも可能です(ただし、未調査エリアをこのエーテル結晶2消費によって通過することはできないことを補足しておきます。通過できるのはあくまでエーテルタイルが配置済みのマスのみです)。
今回、アクシデントロールを行ったところ、一度目は2の出目で失敗でした。
そのため、エーテル結晶を1消費して再度ダイスを振り直しを行い、そこで出た目は4だったので、エーテル渦を無事通過して青の支星に到着しました。これで黄色の星で積み込んできた貨物を荷卸できます。
チップのうち、一つは魔術ラインのものだったのでそのまま配置し、もう一つは鉱物でしたが、ここでもノニの国家支援の能力を用い、1フロルを消費して魔術のラインに置きます。これによって2フロル、収入が+2、黒キューブ1つの報酬を獲得しました。
さて、また積荷が無くなったので、新しい荷物を積み込みます。
航路が既にできている黄色の星行きの依頼をまた請けたいところ。黄色の依頼は貨物と乗客であれば縦に並んでいますが、貨物2つは並んでいないので、今の積込能力だと積み込めません。
そこで積み込みをする前に、積込のところに人員キューブを配置し、宇宙船を強化します。これで積み込みできるものが位置に関係なく2つ取れるようになりました。
ということで、斜めに並んでいた黄色のチップを2つ取り、船倉に置きました。
アクション8:航行
黄色のチップを積んだので、目指すのはまた黄色の支星です。同じ航路を通ってもいいのですが、この航路はまだ何度か通行するため、エーテル渦の通行(アクシデントロール)無しで通れるルートが見つけられないかと未調査エリアに踏み込みました。
未調査エリアを開拓したので4フロルを得て、ストックから新たなエーテルタイルを引きます。結果、アステロイド群はあるもののエーテル渦が無いエーテルタイルが引けました。マップボードに配置します(アステロイド群については後述)。
◆決算(1回目)
これでアクション8まで終えたので、1度目の決算となります。決算では
- 宇宙船ボードの収入の値に応じてフロルを得る
- エーテル結晶を2つ得る
という処理を行います。
よって、収入の4フロルを参照して4フロルを獲得し、またエーテル結晶について2→4に増やします。
決算2回目まで(9〜16アクション)
アクション9:航行
決算後の9アクション目、黄色の支星に向けて進行するため、選ぶアクションはもちろん航行です。もう目の前だったので、問題なく到着できました。
目的地に到達したので、運んできた黄色の貨物を荷卸し、チップを実績ボードに配置します。今回は科学・鉱物のチップでしたが、人員キューブが欲しかったため、国家支援の効果を適用し、本来は鉱物に置くべきチップを科学の実績ラインに1フロルを消費して配置しました。これにより報酬は4フロル、黒キューブ1つとなります。
アクション10:積込
さて、また積み込みを行うのですが、ここでいよいよ旅客を乗せてみることにします。
依頼ボード上には青の旅客が2人いたので2人とも乗せたいのですが、旅客依頼のカード1枚につき2容量が必要なため、現在の宇宙船の容量だと足りません。
そこで、先ほど獲得した人員キューブを宇宙船ボードの容量のところに配置して能力を強化し、容量4にします。
これで容量4までなら積み込めるようになったので、青の旅客をまとめて乗せることができました。旅客は本星でしか降ろせないので、目指すは青の本星です!
アクション11:航行
黄色の星から再び青の惑星を目指します。よって、アクションは航行を選択します。
一旦、青の支星まで進みました。しかし、この際にエーテル渦を通過する中でアクシデントロールに2度失敗したため、エーテル結晶は4→2に減ってしまいました。
アクション12:航行
停泊したエリアから青の本星を目指します。本星との間にはまた未調査エリアがあるため、そこまでの到達を目指します。
青の本星の目の前の未調査エリアに停泊し、4フロルをもらい、新たなエーテルタイルを配置します。青の本星は、もう目の前です。
アクション13:航行
更に航行を行い、青の本星にようやく到着しました。本星に初めて到着したとき、本星の位置に置かれている到達チップを入手できます。これは得点計算時に10勝利点としてカウントされます。
乗客依頼を達成した際は、乗客依頼カードに描かれている報酬を得ます。2人分の依頼を達成し、12フロル、科学・鉱物・生体の白チップ、エーテル結晶1つを獲得します。
乗客依頼の達成時にもらえる白チップは、貨物の荷卸同様に実績ボードに配置します。鉱物と生体はそのまま配置し、科学のチップは国家支援能力で1フロルを支払って魔術の実績ラインに配置しました。
更に、実績ボードの一番上には、後援者からの依頼となるプリンセスオーダーが書かれているのですが、この乗客依頼の達成およびチップの配置により、「実績1ラインに5つのチップ」「乗客依頼2件達成」をそれぞれ達成したため、そちらの報酬(人員キューブ1つ、収入+3)もまとめて得られます。
結果、実績ボードへのチップ配置およびプリンセスオーダー達成による報酬は12フロル、黒キューブ1つ、エーテル結晶2つ、収入+5となりました。
なお、エーテル結晶は持てる上限が4に定められており、上限を超えるエーテル結晶は1フロルに変換して取得します。そのため、この時点で保持するエーテル結晶の数が3だったので、値を上限の4にし、所持金に更に1フロルを追加して、最終的な所持金は31フロルになりました。
そして、プリンセスオーダーを2件達成したため、後援者の依頼に応えたということで後援者カードを裏返します。これでゲーム終了時には10勝利点を得られます。
アクション14:取引(投資)
青の本星で荷卸を終えたところで、フロルも潤沢にあるので取引を行い、投資タイルを獲得することにしました。さて、どの投資タイルを獲得しましょうか。
大まかな方針として、黄色の星にある投資タイル3枚を優先して取ることを考えていたので、シークレットオーダーのHARD条件(投資タイル4枚の確保)を考慮すると、青の星では1枚だけ投資タイルを獲得すればいいことになります。
ここでは、得られる勝利点やコスト、また航行をサポートしてくれる特殊能力が使えそうなことから「エーテルライン研究所」の投資タイルを獲得することにしました。10フロルを支払って投資タイルを獲得し、収入を+3します。
アクション15:積込
さて、次の仕事に取り掛かるため、新たに積み込みを行います。
ゴールまでは本アクションを含めて残り6アクションしかありません。この時点で、最終的に黄色の星に到達して、投資タイルを獲得したあたりでゲームが終わりそうだと、おおよそ先が見えてきました。
黄色のチップと乗客を1つずつ積み込みました。これで、黄色の本星が今回のゲームにおける最終目的地に決定しました。
アクション16:航行
黄色の惑星を目指して出発する前に、ここではじめてフリーアクション「再編」を行います。
再編はエーテル結晶を2つ消費し、既に配置されている宇宙船ボードの人員キューブを右端のものから一つだけ取り、それを他の能力のところに動かすという処理を行います。
まず、容量はもう3で足りるため、人員キューブを一つ外し、それを戦力に回します。あとは積込の能力も不要となるため、そのキューブを航行に回します。
結果的に戦力が1、航行が8となりました。エーテル結晶は2回の再編で使い果たしたので0です。
航行を強化したのは、残りアクション数も少なくなってきた中で、青の本星から黄色の支星までを1アクションで移動したかったためです。
そして戦力を強化したのは、マップボード上のアステロイド群を通過したいためでした。
隕石のような絵が描かれているタイルは「アステロイド」で、戦力0のときは通過するのにアクシデントロールが必要になりますが、戦力1以上なら不要というマスです。装備した砲台などでアステロイドを撃ち落としながら進行するイメージでしょうか。
現在、青の本星から黄色の支星まで進もうとすると、このアステロイド群が大量にあります。そのため、アクシデントロールを無しで進むために戦力を最低限の1だけ付けたというわけです。
また、黄色の支星に渡るには青の支星の上を通過しますが、この支星の上を通過する際もアクシデントロールが必要になる点に注意が必要です。今回、既にエーテル結晶を使い果たしているのでここは賭けでしたが、ダイスの目が5で何とか通行できました。
今更ですがアクション14の取引(投資)で、勝利点や収入こそ下がってしまうものの「超空間アレーアンテナ」のタイルを獲得していたら、ここでハラハラすることなく安定してゲームを進められたかもしれませんね。ダイスロールが上手くいったので、結果的には良かったですが……。
色々と手間を掛けましたが、黄色の支星に無事到着しました。
運んできた貨物タイルは魔術なので、このまま配置して、8フロルと黒キューブ1つを獲得します。
これで魔術のラインのチップが6つになったので、シークレットオーダーの一つのHARD条件は達成です!
なお、実績ボードをみると、下のところに勝利点のマークがありますが、これは縦一列にチップを配置できた場合、得点計算でボーナスが得られることを表現しています。一列目はもう揃っているので、次に揃えたいのは二列目ですね。鉱物と生体の実績ラインにチップを置くことができれば、ボーナス達成になります。
さて、これで何もなければ16アクションの終わりということで決算を迎えるわけですが、決算の前に少しでも収入を増やしたいため、黒キューブ2つを「研究」の能力に注ぎ込みます。「研究」に黒キューブを配置すると、フロルを貰えた上で第二段階までは「収入」が増加します。今回2つキューブを置いたので、収入+4となります。
ちなみに先ほどの再編の処理で「研究」のキューブを他に動かすことはできず、また他からキューブを配置することもできない点には注意が必要です。よって、決算直前に「他の能力を強化している状態から一時的に研究へキューブを回す」といったことはできません。研究へのキューブ配置は必ず待合室からのものとなります。
◆決算(2回目)
アクション16までを終えたので、2度目の決算となります。
収入は16まで伸びているので、もともとの所持金33フロルに加算して49フロルになります。またエーテル結晶は0の状態でしたが、決算で2つ増えるので2になります。
さて、この決算を終えて残りは4アクションです。ここまで来ると、最終的にやりたいことからの逆算で取るべき行動は決まってきます。
まず、投資タイルが残り2つ欲しい。よって、投資で1ないし2アクションを使うのは確定です。更に黄色の乗客を届けたいので本星直前の未調査エリアまでで1アクション、そこから本星までの航行で1アクション。
上記を踏まえ、投資を1アクション内で複数行えるように、再びエーテル結晶2つを消費して再編を行い、もう長距離移動する力は不要となるため航行のキューブから取引にキューブを移し、取引の能力を強化します。
取引の能力を一段階強化すると、1アクション内で行える取引の回数が1→2に増えます。これで、終盤で勝利点を高めるための手番が増えることになります。
ゲーム終了まで(17〜20アクション)
アクション17:取引(投資+投資)
荷卸を終えた黄色の支星で取引をします。まず、1つ目のサブアクション「投資」により「ブログメス証券市場」の投資タイルを獲得するため、49フロルから10フロルを支払います。この投資タイルの特殊効果で次に投資タイル1枚を得るときには2フロル安く買うことができます。
更に取引でもう1つサブアクションが行えるため、再び「投資」によって今度は「シメイン投資家クラブ」の投資タイルを獲得します。こちらはコストは本来16ですが、ブログメス証券市場の効果で支払いは2少ない14フロルで済みます。これで所持金は39→25フロルになります。
投資タイルの獲得時には収入も上がります。通常の収入増分と、投資タイルを4枚所持しているためにシメイン投資家クラブの特殊効果を合わせて、収入は+8となります。
ちなみに、もう決算を行うタイミングはありませんが、最後の得点計算でも収入の値は参照するので、決算後でも収入の値を高めることには意味があります。
そして、これで獲得した投資タイルが4枚になったため、残り一つのシークレットオーダーのHARD条件を達成できました!
アクション18:航行
投資タイルを無事4枚獲得できたところで、黄色の本星に向かって歩みを進めます。
例によって本星の前は未調査エリアとなっているため、そこで一時停止。所持金25フロルに4フロルを加算して29フロルとした上で、新たなエーテルタイルを配置します。
アクション19:航行
最後の航行のアクションを行います。黄色の本星に到着し、黄色の到達チップを獲得します。その上で、黄色の乗客を降ろして乗客依頼を達成します。
まず、乗客の荷卸の報酬で、4フロルと科学と鉱物の白チップを得ます。
続いて、実績チップを配置します。鉱物のチップはそのまま鉱物に、科学のチップは1フロルをコストに支払って生体に、それぞれ配置します。配置による報酬は4フロルと黒キューブが2つ。これで所持金は36フロルになりました。
そして、この配置で2列目まで縦のラインでチップが揃ったので、ゲーム終了時には勝利点のボーナスを得られることになります。
アクション20:取引(建造+建造)
いよいよ最後のアクションです。ここまで来れば、やる事はもう決まっています。「取引」で勝利点上乗せのラストスパートを掛けます。
ここで初めて「建造」のサブアクションを行います。
建造では、所定のコストを支払い、自身の持つ施設チップを既定のルールに従って宇宙ボード上に配置することができます。こうして建造した施設はゲーム終了時の得点計算で勝利点になります。
まず、所持する36フロルから4フロルを支払い、コスト4の【宙駅(ステーション)】を建造します。 これは今いる星エリアから2マスまでのエリアの中で、未調査エリア・星エリア・デンジャーエリア・他の施設が既にあるエリア以外から建造する場所を選び、施設チップを設置します。
今回は本星のすぐ隣にあるアステロイド群のエーテルタイル上に宙駅を設置します。この宙駅は得点計算の際に勝利点となる他、収入が+2となる効果があります。
さて、宙駅を建造して残りのフロルは32フロルとなりました。最後のサブアクション1回も建造です。
施設の中には勝利点が60、収入+8と効果が最大級の【本社衛星(ヘッドクォーターサテライト)】というものがあり、かつこの施設は支星だと50フロルが建造コストに掛かりますが、本星にいるときは40フロルとちょっとお得に作れる仕様なので、黄色の本星に停泊中の今が建造するのには最も良いタイミングなのです。
しかし、現在の所持金は32フロルと必要なコストに8フロル届きません。
そのため、黒キューブ2つを研究に追加で配置します。研究の強化は二段階目までは収入が増えますが、三段階目は収入が増えないかわりに6フロル、以降は2フロルがもらえます。これで所持金は合計8フロル増えて、40フロルになりました。
これで必要なコストが捻出できたため、本社衛星を建造します。本社衛星は今いる星から1マス以内かつ宙駅があるエリアに重ねて作らなければならないという制約がある(※)のですが、この前に建造した宙駅はちょうどその条件を満たすように設置しておいたので、このエリアに作れます。
※すみません、こちらは私のルール解釈誤りであることを六角えんぴつの蜂月様からお教え頂きました。本社衛星は宙駅に重ねて作ることもできる(宙駅に重ねなくても建造可能なエリアであれば作れる)が正しいとのことでしたので、訂正致します。
というわけで、40フロルを支払って本社衛星を建造しました。これにより収入が更に+8となり、最終的な収入の値は34となりました。
さて、これで20アクション全てを終えました。果たして最終得点は何点になっているでしょうか?
★デンジャー処理について
最終結果の確認の前に、一つだけ追加の説明を。今回のプレイでは貿易・投資に注力したため、戦力を高めてデンジャーを倒すという行動を全く取りませんでした。なので、補足としてデンジャーの処理に関する説明を入れます。
デンジャーエリアに航行で進んだ場合、まずそこで必ず停泊します。その上で戦力が1以上かつ討伐対象となるデンジャーを倒した場合に船倉に積み込める容量の空きがあるという条件を満たしている場合、デンジャーロールを行えます。
デンジャーロールではダイスを振り、自身の戦力とダイスの目を足した値が、対象のデンジャーの数値以上になった場合に勝利(つまり同値でも勝利)となり、デンジャーの亡骸を宇宙船に積み込むことができます。
デンジャーロールで失敗した際にはアクシデントロール同様、エーテル結晶を1つ消費することでダイスの降り直しができます。
なお、デンジャーロールに失敗した場合でも、ペナルティは特にありません。
最弱のデンジャーの強さは3なので、この程度なら最低限の戦力強化と通常のダイスロールで倒せると思いますが、最強のデンジャーの強さは10なので、戦力をそれなりに強化したり、国家支援や投資タイルなどの効果を用いたりしないと倒せません。もちろんそれだけ、亡骸を納品した際の報酬も大きいです。
デンジャーを撃破した場合、もともとデンジャーマスとなっていたエリアには空白のマップ用チップを置き、以降は問題なく通過できるようになります。
倒したデンジャーはその場では処理できず、まずは船倉に積み込みます。そのため、デンジャーロールの前に積み込む容量がきちんとあるかどうかの判定をしている訳ですね。
デンジャーについては納品まで行った時点ではじめて報酬を得られます。デンジャーの納品はどの色の星でも行えますし、かつ支星・本星のどちらでも可能です。
得点計算
さて、ゲーム最後の得点計算です。
実績ボードで科学・魔術・鉱物・生体がセットで揃っている列の数に応じて点数になります。今回は2列なので5+10で15点です。
⑤投資チップ
投資で入手できるチップにも勝利点が付いています。今回は投資タイルを集めるのに専念したため、投資チップは一枚も持っておらず0点です。
⑥プリンセスオーダー
プリンセスオーダーを2件達成しているので、ボーナスとして10点がもらえます。
⑦投資タイル
所持している投資タイルの得点が入ります。今回は20+10+10+5で45点です。
⑧デンジャー
納品したデンジャーはその強さに応じて勝利点が得られます。今回はデンジャーを一つも倒していないので、勝利点が付かず0点です。
⑨寄付チップ・到達チップ
その他チップ類による点数です。
・寄付チップ
「取引」のサブアクション「寄付」をすると、12フロルで20点の勝利点となるチップを1枚貰えます。が、今回は未実施なので0点です。
・到達チップ
本星に初めて到達した際にもらえるのが到達チップです。1枚につき10点。今回は青と黄の本星に着いたので、2枚で20点です。
⑩シークレットオーダー
最後にシークレットオーダーです。今回は15点になるHARD条件のものを2つ達成できたので30点ですね。
なお、ソロプレイのルール《大嵐》では最初に配られたシークレットオーダー3つ中、2つをHARDでクリアする必要があります(満たさないと最終得点が無条件で0点になります)。
今回は「実績ボードの1ライン6つ」と「投資タイル4枚」の2つのオーダーを達成しているため、デンジャーのオーダーは全く満たしていないですが、問題ありません。
最終得点
上記を合計した結果、最終的な得点は219点となります!
得点について、評価の基準が説明書に書かれているのですが、219点はAAA評価にぎりぎり1点届かずのAA評価です。あと1点、何とかして獲得したかった。
最後までソロプレイを終えた時点でのマップボードの様子です。様々な航路が開拓され、黄色の星の近くには大きな施設が建造されました。複数人でプレイした場合は、より賑やかな状態になることでしょう。
まとめ
ゲーム概要の説明やソロプレイのプレイ記などにより、かなりの長文記事となりました。最後まで読んで頂けたのであれば大変ありがたいです。
『エーテルグライダー』はコマやカード、タイル、チップなどコンポーネントが多数登場するので一見難しそうですが、こうしてプレイの一つ一つを見てみると感覚的に分かりやすく、良い意味でそこまで複雑ではないことが、今回のプレイ記で分かって頂けるのではないかと思います。
また、得点に至るルートも色々あり、選択する惑星国家・後援者によって指針が与えられるため、色々な戦略を展開によって選んで楽しむことができるゲームだと思います。
ゲームのテーマという観点から述べると、宇宙を舞台に新たな航路の開拓、貨物や乗客の輸送、施設の建造、未知の存在との戦闘というテーマが好きな方にはとても楽しめる作品だと思います。
現在、環境的に他の方と遊ぶことが難しいため、私は専らソロプレイでこのゲームを遊んでいますが、それでもとても楽しめています。
収納を効率的にした上で準備やプレイに慣れてくると、セットアップに8分、プレイに40分、後片付けに4分とソロゲームであれば、およそ一時間でワンプレイを終えることもできるようになりました。
『エーテルグライダー』一般販売は【11/7】に決まりました!
— 蜂月@六角えんぴつ (@hatituki003) 2023年10月25日
予約サイトのリンクです。
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本記事を読まれた方で『エーテルグライダー』について興味を持たれた方がいましたら、ちょうどこれから一般販売や2023秋のゲームマーケットなどで手に入れられる機会があるため、よかったら入手してみては如何かと思います。
以上、ゲーム『エーテルグライダー』のゲーム概要の説明、およびソロプレイのプレイ記でした。