人気カードゲーム『シンデレラが多すぎる』を下地に、漫画『五等分の花嫁』の要素を加えたコラボゲーム。元ネタである『シンデレラが多すぎる』を活かしつつ上手くアレンジし、運と読み合いが簡単・適度に楽しめるカードゲーム。2人でも遊べる変則ルール案も記載しています。
こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。
この記事では、カードゲーム『花嫁が多すぎる』の概要、ルール説明、プレイ記、および遊んでみての感想を記述しています。
なお、このゲームは本来3〜5人用なのですが、私は妻と互いに一人二役をこなすことで、強引に2人プレイで遊んでみました。
その際のルール案も書いていますので、『花嫁が多すぎる』を遊びたいけれど、2人でしか遊べないという方にも本記事が参考になればと思います。
本作品が生まれた経緯
まず、『花嫁が多すぎる』というゲームが生まれた経緯について記載します。
このゲームは大気圏内ゲームズさんから同人作品として初版が発売され、その後、アークライト社によって商用化された人気カードゲーム『シンデレラが多すぎる』の存在がそのベースとなっています。
花嫁が多すぎる 作って欲しい。 pic.twitter.com/yaUzkkRZAj
— 春場ねぎ (@negi_haruba) 2019年4月23日
このゲームについて、人気ラブコメ漫画『五等分の花嫁』を当時連載されていた春場ねぎ先生が、自作のキャラを用いたコラボ画像を描き、ツイートしたことがありました。
漫画『五等分の花嫁』は、2019年5月に第43回講談社漫画賞の少年部門を受賞し、単行本の累計発行部数は2020年4月時点で1200万部を突破している(※Wikipediaより引用)大人気ラブコメ漫画作品です。
作品の大きな特徴として、主人公の上杉風太郎がヒロインである中野家の姉妹の誰かと結婚することが作品冒頭で明らかになっているが、その姉妹が五つ子で容姿が非常に似通っているため、風太郎が姉妹の誰と結婚するのかが最後まで分からないという点がありました。
現在は既に連載終了していますが、連載されていた当時は誰が花嫁なのかを皆が予想しながら、物語を楽しんでいました。
当ブログでも連載の中盤以降は、各回が公開されてすぐに、毎回その感想記事を書いていたため、個人的に思い入れが非常に深い漫画作品でした。
家族とスタッフから的確にツボを押さえたプレゼントを貰いました。 pic.twitter.com/WyaYaVKqxb
— 春場ねぎ (@negi_haruba) 2019年7月27日
ちなみに、春場ねぎ先生は誕生日に『ソクラテスラ』をプレゼントされて、喜びのツイートをされていたこともあります。
このエピソードから、もともとボードゲームがお好きな方なんだろうなと分かります(というか、そうでなければ上で挙げたような『シンデレラが多すぎる』に掛けたイラストを描けないでしょうが……)
そうした、春場ねぎ先生の遊び心に端を発して、大気圏内ゲームズさんとの協力で生まれたカードゲームが『花嫁が多すぎる』なのですね。
ルール説明
以下、ゲームのルールについて説明します。
全体の大まかな流れ
このゲームは、各ラウンドをこなすことでプレイヤーに得点が与えられます。
プレイ人数により遊ぶラウンド数は異なり、3人の場合は6ラウンド、4人の場合は4ラウンド、5人の場合は5ラウンドでゲームが終了します。
規定のラウンド数をこなした上で、獲得した得点の合計が最も高かったプレイヤーが勝利となります。
ラウンドの準備
各ラウンドの最初に、まず花嫁タイルをシャッフルしたうえで、上から一列に並べていきます。
これが五つ子の花嫁度(=新郎である上杉風太郎からの好感度)の初期状態となります。この例では、一番上に置かれている三玖が最も風太郎に好かれている子ということになります。
続いて、全25枚ある花嫁カードをシャッフルし、各プレイヤーに5枚ずつ手札として配ります。
なお、配る際に余ったカードはこのラウンドでは使わないため、内容を伏せたままよけておきます。
各プレイヤーに5枚ずつ配るのですから、3人や4人で遊ぶ場合はそれぞれ、10枚/5枚ずつ使われない花嫁カードが存在するということですね。5人プレイの場合は、全ての花嫁カードが使われることになります。
各プレイヤーに手札が行き渡ったら、ラウンドを開始します。
ラウンド中の手順(プレイヤーが行えること)
手番は毎ラウンド、定められたスタートプレイヤー(スタートプレイヤーマーカーの持ち主)から順番に行います。
自分の手番が来た時点で、手札の所持数が2枚よりも多いプレイヤーは、手札を一枚場に出すことで、以下のどちらかのアクションを必ず行います。
1)ささやき
カードを1枚表にして場に出すことにより、各ラウンドの最後に行われる花嫁判定で除外されるカードの属性を指定することができます。
たとえば、上のカードは「NOT水着」とカードの下部に書かれています。これが出された場合、ラウンド最後の花嫁判定の際に、水着の属性をもつカードが花嫁候補から脱落することになります。
ざっくり言うと、自分以外のプレイヤーが持つカードを最後の花嫁判定で花嫁とさせないために行う、相手を不利にするためのアクションが「ささやき」です。
1)'ささやきの打ち消し
ただし、上で行ったささやきについては、それを正しい情報として認めるかのチェックを必ず行います。
参加プレイヤー全員がグーの手で前に出した上で、せーのの掛け声と共に、ささやきを認めたくないプレイヤーは手をパーに変えます。
認めないと主張した人(手をパーにした人)がいた場合、その全員が手札から好きなカード一枚を裏向きで先ほど出されたささやきのカードの上に置き、その情報を無かったことにします。上の例では二人が手をパーにしたので、二人が手札からカードを出した図を示しています。
なお、「ささやき」の打ち消しに関する注意点として、以下の2点があります。
- 既に手札が2枚[最低枚数]のプレイヤーは打ち消しできない(常にささやきを正しい情報として通す)
- ささやきのアクションを行った本人が自分で打ち消しを行ってもよい
2)花嫁度アップ
カードを一枚裏向きにして出すことにより、場の中央にある花嫁タイルの順番を入れ替えます。
入れ替え方ですが、元々並んでいるタイルのうち上にある2つ分のタイルを並びをそのままで列の一番下にスライドさせます。
この例では、元々は1-2番手にいた四葉・五月が下に移され、3番手にいた三玖が代わりに花嫁度の1番手になっています。
ざっくり言うと、花嫁タイルの並びをコントロールし、最後の花嫁判定で自身のカードが花嫁となる確率を上げるために行う、自分を有利にするためのアクションが「花嫁度アップ」です。
これらのアクションをスタートプレイヤーから順番に行い、全員の手札が残り2枚になった時点で各プレイヤーのアクションは終了となり、花嫁の判定に移ります。
ラウンドの終了(花嫁の判定/得点付与/スタプレ移動)
ラウンドの終了時、各プレイヤーは手札として残した2枚のカードをオープンします。この残った2枚が各プレイヤーの"花嫁候補"となります。
これらのカードを基に、以下の処理で各プレイヤーの順位を決定して、得点を付与していきます。
①花嫁条件を満たさないカードを除外
まず、ラウンド中に「ささやき」によって指定されたNOT条件に当てはまるカードが無いかを確認します。
当てはまるカードがある場合、それらのカードは"花嫁候補"から脱落となり、以降の花嫁判定から除外されます。
たとえば、上の例では変装・制服・浴衣・ツーサイド(の髪型)のカードは花嫁ではないことが示されています。
よって、それらに該当するカードを上のように判定の対象から外します。
②花嫁度が最も高い五つ子のカードを確認
続いて、場の花嫁タイルを確認します。
最も上にある五つ子から順に、花嫁としての序列が付けられます。
上の例では、五月の花嫁タイルが一番上にあります。
プレイヤーのカードの中で、五月のカードを持っているのは1名だけでした。そのため、このプレイヤーが一位となり、一位の得点である5点を獲得します。
続いて、上から二番目にあるのは一花の花嫁タイルですが、一花のカードをオープンしているプレイヤーは二人いますね。
この場合、二人は同点になるのでしょうか?
いえ、違います。この場合はスタートプレイヤーからの順番によって順位が決まります。
上の例では、スタートプレイヤーマーカーを持っている(=スタートプレイヤー本人である)左上のプレイヤーが2位となり4点、もう一人の右下のプレイヤーは3位となり3点を獲得します。
最後に、三玖のカードを残していた右上のプレイヤーは4位となり2点を獲得します。
なお、「ささやき」によって手持ちのカードが全て"花嫁候補"から脱落した場合、得点は1点となります(0点ではありません)。
また、上は4人プレイの例でしたが、5人プレイにおける5位は脱落と同じく1点となります。
最後に、次ラウンドが残っている場合はスタートプレイヤーマーカーを隣のプレイヤーに移動させて(=スタートプレイヤーの権利を移して)、次のラウンドに進むこととなります。
ゲームの終了
規定のラウンド数を行い、獲得した点数の合計点が最も高いプレイヤーが勝利となります。
プレイ記
以下、4人プレイの各プレイヤーを二人で半々ずつ受け持つ、変則的な2人プレイで妻と遊んでみてのプレイ記となります。通常の4人プレイとは若干プレイ感が異なることをご容赦下さい。
『花嫁が多すぎる』2人用ルール案
本来は三人以上で遊ぶ『花嫁が多すぎる』を二人で遊ぶために、2人用ヴァリアントルールを考えてみました。以下のプレイ記ではこのルールを元に遊んでいます。
- 各セットアップは4人プレイのときと同一に行う。
- 各プレイヤーはゲーム開始時に、順番を一つ飛ばした2プレイヤー分の手札をそれぞれ受け持つ。そして、その位置関係をゲーム終了まで固定する。
- ゲーム中、各自が受け持つ2プレイヤー分の手札を入れ替えてはならない(たとえばAプレイヤーの手番では、必ずAプレイヤーに配られた手札からプレイしなければならない)
- 「ささやき」の打ち消しに関するチェックは4プレイヤー分ではなく、実際に遊んでいる二人の間でのみ行う。そして、打ち消しにおいて裏向きで出す手札については、スタートプレイヤーからより遠い(=手番が後になる)プレイヤーの手札から先に消費するものとする。
- 各ラウンドでの得点はそれぞれが受け持つ2プレイヤー分のものを合計する。
- それ以外の処理は通常の4人プレイと同じ。ラウンド数も4ラウンドとなる。
「ささやき」の打ち消しについて補足すると、このゲームではラウンド中、できるだけ後に行動できるプレイヤーの方が有利です。そのため、後手番のプレイヤーのカードを優先して消費することを強制にすることで、プレイのジレンマを強めています。
二人プレイ記
ラウンド1
妻と話した結果、「最初は何したらいいかよく分からなさそうだから、あなたがスタプレやって」と言われたので、まずは私がスタートプレイヤーになりました。
上で書いたルールの通り、まず花嫁タイルをランダムで並べ、その上でカード5枚ずつの手札を4組作ります。
そして、私がスタプレと3番手のカード、妻が2番手と4番手のカードを受け持つこと、また、今後は常にこの場所のカードが自身の手札となることを確認します。
スタプレにあたる手番のカードがこれ。
もう一つの手札がこれでした。
妻の手札は、もちろん私には分かりません。
私の手札には四葉のカードが多めなので、四葉のカードが花嫁になるようにすればいいかな? とまずは考えました。
持っている四葉のカードは私服・浴衣・水着だったので、それらを否定するカードは出さないようにしようと考えます。
という訳で、一手目はとりあえずNOT変装のささやきをしました。これなら、私の四葉カードが潰される事はありません。
そして、妻はこのささやきを打ち消さなかったので、このカードの効果は残ります。
続いて妻のターンですが、NOTボブのささやきをしてきました。
NOTボブの条件を通してしまったら、私が花嫁にしようとしている四葉カード(髪型がボブ)は全滅です。
そのため私は、より後の手番である3番手プレイヤーの手札を一枚消費することで、今回のささやきを打ち消すようにしました。
更にゲームが進んで、状況はこんな感じになりました。
私の残した手札の一つはこんな感じ。
もう一組はこんな感じです。
本当は花嫁タイルを一回動かし、四葉の花嫁度を3位→1位にすることを狙っていたのですが、妻によって行われたささやきを却下していたら、タイル入れ替えを行うために必要な手札が無くなってしまったので断念しました。
互いに全ての手札の残りのカード枚数が2枚になったので、手札をオープンしました。水色の枠で囲んであるのが私の操作するプレイヤー、ピンク色の枠で囲んであるのが妻の操作するプレイヤーのカードです。
まずは花嫁候補の却下処理を行います。今回は変装・制服・ショート・ツーサイド・セミロングは花嫁ではないということになりました。
そのため、上の条件に当てはまるカードを花嫁判定の対象から除外します。
残されたカードにより、順位を判定します。今回は五月のタイルが一番上でした。
五月のカードを残したプレイヤーの手札は2つあったので、スタプレからの順番で順位を付けます。
結果、一位はスタプレであり私が操作していた右下のプレイヤー(5点)、二位は妻が操作していた左下のプレイヤー(4点)、三位は私がもう一つ操作していた左上のプレイヤー(3点)になりました。
なお、妻の操作するプレイヤーのうち、右上のひとつはささやきによって花嫁候補が全て消えたため、結果は脱落となります(1点)
したがって、ラウンド1終了時点での点数は
- 私:8点(5+3)
- 妻:5点(4+1)
となります。
ラウンド1を終えたので、スタートプレイヤーマーカーを一つ隣に回して、次のラウンドへ!
ラウンド2
ラウンド1を終え、「やる事が大体分かった」と話す妻。今回は彼女がスタプレになります。
私に配られた2プレイヤー分の手札がこちら。五月と二乃のカードが多いので、それらを花嫁にしたいなと考えます。
序盤。花嫁タイル的には三玖が一番上ですが、一回動かせば二乃がトップ、五月が二番に来る形。良い感じです。
自身のささやきであるNOT私服によって、五月/私服の花嫁カードが生き残る可能性を潰していますが、まだ花嫁になりうる二乃・五月のカードは沢山手札に残っています。
中盤。私ではなく妻がタイル移動のアクションを行い、二乃がトップに来ました。これはこちらにとっても好都合。
しかし、その後の妻によるささやきが私にとって不都合な、NOTツーサイド(変装二乃以外が全滅する)だったので打ち消しを実施。
終盤。妻がもう一回花嫁タイルを動かし、二乃・五月がまとめて4-5番手に陥落!
これはまずいと思い、更に私が花嫁タイルを動かすことで何とか二人を2-3番手に押し上げる。
その後、妻が更にささやきを実施……何のカードか忘れましたが、これも多分NOTツーサイドだったかな? 通すわけにはいかないので打ち消しを実施。これによって、私は使える手札をすべて使用。
最後、上の画像には写ってませんが妻がラストターンでNOT浴衣を出して、全員のアクションが終了。
結果はこちら。今回はロング・私服・ショート・浴衣は花嫁ではないことに。
それらを除去すると、こうなりました。しかし、ここで一つの疑問が生じる。
私「何で3番手のプレイヤーは、最初に自分がスタプレでNOT宣言した"ロング"の四葉カードをずっと残してたの?」
妻の操作する右上のプレイヤーの手札に残されていた四葉/変装/ロングのカード。自分でNOTロングを出したのに、そのまま最後まで持ち続けたのは何故? と不思議に思いました。
花嫁になる可能性が無いカードは、プレイで使ってしまうのが普通です。中盤〜終盤に宣言されたNOTについては対応し切れないケースもありますが、このケースは序盤だったので幾らでも処理できたはず。
妻「四葉だからロングじゃないよね、と思い込んでた。変装してるから髪型がロングなんだって今更気づいた」
どうやら、単なるケアレスミスだったようですね。
でも、そう勘違いした気持ちもちょっと分かります。漫画原作を読んでいると、普段のキャラクターの髪型のイメージを変装しててもそのまま引きずってしまいそうになるんですよね。
このラウンドの得点は一位がスタプレでもある妻のプレイヤー(左下)、二位・三位が私、脱落が妻(右上)。よって、合計得点は以下のようになります。
- 私:8点+7点(4+3)=15点
- 妻:5点+6点(5+1)=11点
ラウンド3
再びスタプレが私に回ってきました。
初期手札。四葉・二乃が多いですね。その辺を活かしていきたいところ。
序盤。花嫁タイルはもともと五月→一花→三玖→二乃→四葉の並びでした。
私はショートのカードが無かったので、初手NOTショートを出したら通りました。しかし、次の妻のささやきは私にとって不都合(何のカードだったか失念しました。NOTツーサイドだったかな)だったので、打ち消し。
そして、次のターンで花嫁タイルを動かして、三玖がトップになる形にしました。これで二乃・四葉は一位でこそないものの、二位・三位になります。
その後、互いにささやきを出すも、どれも打ち消しはせず。しかし、妻がここでタイル移動の一手を打ちました。これによって四葉はトップにきたが、二乃は最下位に回ることに。
この局面で四葉をトップに据えたということは、妻も四葉のカードを軸に置いてるのかな?
だとすると、水着・浴衣・変装の四葉のカードはこちらが押さえているのだから、制服または私服のNOTカードを出せば、妻の四葉カードが花嫁になる可能性を潰せるかもしれません。
終盤。私が上の推測から折良く持っていたNOT私服を出すも打ち消しはされず。続く妻もNOT私服のカードを出して、盤面に影響しない形でカードを一枚捨てる格好になる。
ということは、妻が残している四葉カードは私服ではなく制服が濃厚と分かります。
が、そう分かったところでどうしようもない。こちらは先行で動いていたのと途中で打ち消しを一回していたことで、手札が2プレイヤー分とも尽きてしまい、行動不可に。
つまり、このあとは妻が2連続で行動できてしまい、かつ私は何の妨害もできないということ。よって、こちらだけに都合の悪いNOTカードを出されても阻止できず、大打撃を受けてしまいます。
しかし、妻は妻でここから状況を動かしたくなかったようで、自分でささやいて自分で打ち消すというマッチポンプのような行動を取って、手札2枚を消化。助かった……。
妻の手札には、自身の勝利条件を残しつつ、相手(私)だけにダメージを与えられそうなささやきのカードが無かったのですね。手札運に助けられました。
手札オープン。やはり、途中で考えていた通り、妻は四葉/制服カードを押さえていましたね(右上のプレイヤーの手札)。
今回はショート・浴衣・水着・私服・セミロングが花嫁ではないことになります。
結果、こんな感じに。私は右下のプレイヤーの手札が二枚とも脱落してしまいましたが、四葉変装を残しておいたのでスタプレ(左上)のほうの手札では一着をキープ。残りの妻のプレイヤーが二着・三着になります。
- 私:15点+6点(5+1)=21点
- 妻:11点+7点(4+3)=18点
その差は3点差まで縮まりました。いよいよ次が最終ラウンド! このキープを保ち続けて、最後まで逃げきれるか?
ラウンド4
最後のラウンドは妻のスタプレで始まります。
初期手札と花嫁タイル。花嫁タイルは一度動けば四葉、二度動けば五月がトップに来る形。なので手札的には上を四葉、下を四葉と五月で残すのが安全そうです。
序盤、妻はNOTショートで一花が花嫁の可能性を消してきました。私はNOTツーサイドで二乃の可能性を消す。ここまではお互いに打ち消さずに通し、早くも花嫁候補が三玖・四葉・五月に絞られる(変装している場合は残りますが)
中盤。妻はNOT浴衣を打ってきたので通し、私は花嫁タイルを動かして四葉を花嫁度のトップに持ってきます。
その後、妻が何かのカード(NOTボブだったかな? 忘れました)を出してきたので私は打ち消し。その後、私がNOTロングを出しました。
しかし、妻はNOTロングを打ち消してきました。
さて、ここまで3ラウンドに渡ってプレイしてみて、ようやくゲーム中の相手の手と先を読む余裕ができてきました。
NOTロングを否定したということは、当然ですが妻はこのラウンドにおいて、五月を重要視しているということです。
その予想通り、次ターンで妻は花嫁タイルを動かして、五月をトップに移動させました。この動きを素直に受け取るなら、このまま五月を花嫁にする狙いでしょう。
私の次ターンで、使える手札がこれ。この状況から打てる最良の手は何でしょう?
私はNOTロングのささやきを打つ手を取りました。これは、自分の手札の五月ごと潰してしまう一手に見えるかもしれませんが……。
先ほど一度NOTロングを打ち消して、更に花嫁タイルのトップに五月を持ってきた妻は、残り一枚の手札で必ず打ち消しに来ると予想しての一手でした。
案の定、妻は打ち消してきましたが、彼女の手札を消費させることこそが一番の狙いです。
これで彼女が使える手札は無くなったので、ラストターンの行動権を私で確定できました。
最後の一手で花嫁タイルを動かして五月を下に追いやり、私が手札に残している四葉のタイルの序列が上になるように調整して、手番を終了します。
最終ラウンドの手札オープン。このラウンドは打ち消しと花嫁タイルの移動が多かったので、成立しているささやきが少ないですね。ショート・ツーサイド・浴衣が花嫁ではないことになります。
互いにそれらを除去して、得点を計算します。
四葉のカードは3プレイヤーが残していますが、スタプレからの順番により一位(右下)と三位(左上)が私、二位(左下)が妻のプレイヤーとなります。妻のスタートプレイヤー(右上)は五月を残していましたが、最後にタイルをズラされたことで四位になりました。
最終的な得点は
- 私:21点+8点(5+3)=29点
- 妻:18点+6点(4+2)=24点
となり、私の勝利でゲームを終えることができました。
感想
以下、ゲームの感想です。良かった点と気になった点に分けて、書いてみました。
良かった点
普段ゲームに触れたことのない人でも遊びやすいカードゲームに仕上がっている
本作は漫画『五等分の花嫁』とのコラボ作品ということもあって、普段こうしたカードゲームに触れたことが無い人が多く遊ぶ可能性があると思います。
そのため、そのゲーム性はシンプルさを保った上で、適度な戦略と運を楽しめるものであるのが好ましいと思います。
そうした意味では、本作品は普段ゲームをやらない方でも中身を理解した上で、十分に楽しめる出来になっていると思いました。
ルールを一通り読まれて、一見すると複雑に感じた方もいるかもしれませんが、プレイ記のように実際に1ラウンドこなしてみると、プレイ内容が意外と簡単であることが分かると思います。
ゲーム勝敗については、それなりに読み合いが生じるゲームでありながら、その上でガチゲー(実力差が強く出るゲーム)にはなっておらず、多少の運次第で展開がいくらでもひっくり返るように作られています。
オリジナルの『シンデレラが多すぎる』自体がもともと運と戦略のバランスの良いカードゲームなので、本作もそうした条件を満たすのは当然かもしれません。ただ、コラボ作品としての改変を加えつつ、オリジナルの良さを維持しているのはとても素晴らしいと思いました。
五つ子の変装要素が適度に絡んでおり、その変装先も納得度が高い
漫画『五等分の花嫁』といえば、やはり容姿の似通った五つ子たちの変装・入れ替わりによって生じるユニークな状況が作品の魅力の一つです。このゲームではその変装の要素を、上手く仕組みに取り入れています。
五つ子はそれぞれ髪型が違うのですが、プレイ記を読めば分かる通り、「ささやき」によって髪型で花嫁条件を絞っていくことがあります。
例えば、五つ子の長女である一花の髪型はショートカットですが、「ささやき」によりショートカットの子は花嫁ではないという条件が指定されることがあります。
このとき、何の工夫も無ければショートカットは花嫁でない=一花は花嫁ではないことが早々に確定してしまいます。
しかし、各姉妹には変装している姿のカードが用意されており、一花のカードでありながら髪型がセミロング(三女の三玖の髪型)のものが用意されています。そのため、ショートカットが花嫁ではないという条件が確定しても、一花のカードが花嫁である可能性が残る作りになっているのですね。
また、この五つ子たちの変装については
- 一花→三玖に変装
- 三玖→二乃に変装
- 二乃→四葉に変装
- 四葉→五月に変装
- 五月→一花に変装
という組合せになっているのですが、この変装の組合せは漫画原作を読んでいる人間にとってはとても納得のいく変装先なんですよね。
ネタバレになるため詳細は書きませんが、いずれも重要な意味付けのされた変装なのです。この点で、原作のファンのことをよく考えてデザインされていると思います。
また、説明書の中では、前田・武田・竹林・下田・江端という5名が遊んでいるという体で例が書かれていますが、この仮プレイヤーの名字は作中に登場するキャラクターから取られたものなのです。これも、原作を知っている人にとっては面白い遊び心です。
ちなみに江端さんは、多忙である五つ子の父親・マルオに代わって、育児を小さい頃からフォローしてきた初老の男性です。上の説明書で描かれている手に皺が刻まれているのは、元となっているキャラクターが年配の男性だからなのですね。
気になった点
オリジナルよりも花嫁決定のプロセスがボヤけている
一方で、少しだけ残念に思ったのは花嫁度が同一の五つ子のカードを複数人が持っている場合、スタプレからの順番によって順位が決まるというシステムです。
オリジナルでは、各カードにそれぞれ数字が付与されています。これにより、最後の判定時には候補に残ったカードにおいて数値が小さいほど強いという基準で、序列がバシッと決まるのですよね。
このシステムに比べると、同着の場合にスタートプレイヤーからの順番依存で順位が決まるという作りについては、個人的には若干の物足りなさを感じました。(システムの優劣というよりは、ほとんど好みの問題ですが)
オリジナルと同じようにカード毎に強さの序列を数字で示せば良かったのかもしれませんが、このゲームでは敢えてそういう作りにはしなかったのだと考えられます。それは何故なのか?
おそらくですが、このゲームの中でその仕組みを作ろうとすると、五つ子自体に何らかの序列を付けなければならず、各姉妹を平等に扱えなくなるため、そうしたデザインを避けたのだろうと推測できます。
なお、何人でプレイしてもスタプレは必ず同じ回数行うルールとなっているため、プレイヤー間での不公平が生じる設計ではないことは補足しておきます。
オリジナルにおける設定の馬鹿馬鹿しさも活かして欲しかった
もう一つだけ、個人的に残念だった点を。
元ネタの『シンデレラが多すぎる』では、ゲームの展開によっては、何故かおっさんや猫がシンデレラになるラウンドが発生します(笑)
シンデレラを探す中で、証言(このゲームにおける「ささやき」)によって対象者を除外していったら、最後に残ったのはおじさん、または猫だった……というユーモラスな事態が巻き起こることがあるのです。
この良い意味での馬鹿馬鹿しさを、本作品にも再現してくれたら嬉しかったと思いました。
『花嫁が多すぎる』で花嫁になるのは必ず、一花・二乃・三玖・四葉・五月……つまり五つ子の誰かになります。
しかし、そうではなくて例えば、風太郎の妹である上杉らいはや、風太郎の親友になる武田、果ては五つ子の父親であるマルオなどのカードが用意されていて、それらが何故か花嫁になるなどの展開がゲームに表現されていたら、より破茶滅茶で面白かったんじゃないだろうかと思いました。
こうした要素まで入れると、このゲームのシステムはもっと複雑になったでしょうから、それを避けるためにこの辺の作りは取り込まないという結論になったのは、理解できるのです。
ただ、漫画原作はラブコメらしいドタバタに溢れた作品なので、上記の要素を入れても、その世界観を損なうことは無かったと思うのですよね。それだけに、ついそんな風に感じてしまいました。
まとめ
今日は記念日との事なので要望を書くと、以前ネタツイートされていた『シンデレラが多すぎる』が元ネタのゲームを是非、本当に作ってみて欲しいです!
— あるこじ (@arukoji_tb) 2019年5月26日
「似た容姿の五姉妹が入れ替わる」という要素を上手くアレンジすれば、オリジナルに無い特色も生まれそうです。#五等分の花嫁#五等分の花嫁記念日 https://t.co/TyqXMVE72T
かつて原作が連載されていた2019年5月当時、同漫画のキャンペーンにおいて、『花嫁が多すぎる』を実際に作ってみてほしい! と書いてみたツイートが上のものです。
そうして自身の願った通り、実際にプロジェクトが進んでいって、最終的に一つの製品となったゲームを手に取って遊ぶことができたのは望外の喜びでした!
上の感想でも書きましたが、単なるコラボグッズとしてでなく、一つのカードゲームとしてきちんと楽しめる出来に仕上がっているのはとても嬉しいです。
なお、プレイ人数の範囲は3〜5人となっていますが、個人的には、使われない(ラウンド開始時によけられる)カードが一部存在することによる偏りがありつつ、人数の多い4人プレイが一番楽しそうかなと思いました。
なお、プレイ記を書いた通り、2人でも頑張れば何とか遊べました。
一度プレイしてみた限りでは、若干点差が付きにくかったり、運要素が少し下がったりするなどの不備はあるものの、この2人用ルール案は一応ゲームとして成立するように思いました。
ゲームデザイナーの考えた本来のゲームバランスを崩してしまう点は申し訳ないのですが、どうしても3人以上で集まれないのであれば、そうした遊び方もあるということで提言してみました。2人でしか遊ぶ環境が用意できないけれど『花嫁が多すぎる』を遊びたい! という方は、よかったら試してみて下さい。
細かい話を色々と書きましたが、最後にまとめると、オリジナルの『シンデレラが多すぎる』の面白さが活かされているゲームです。原作の漫画が好きな方はカードのイラストやゲームルールに上手く落とし込まれた作品の世界観を特に楽しめると思いました。
漫画『五等分の花嫁』の原作が好きな方であれば、その思い入れも相まってより一層、楽しむことができると思うので、是非遊んでみてほしいです!
以上、カードゲーム『花嫁が多すぎる』の概要、ルール、プレイ記と感想に関する記事でした。