こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。
漫画『はっぴぃヱンド』4巻の感想です。田舎に引っ越してきた主人公が、自身が殺されるループに囚われ、そこからの脱出を図るという作品です。感想はネタバレを含みますので、未読の方はご注意下さい。
感想
4巻の感想は、5巻が出てからまとめて書こうかと思ってたのですが、Amazonで5巻の予約販売について確認した際に(完)の文字が付いていたので、さすがに完結する前段階には感想を書いておきたいなと思って、急いで書き上げたという次第です。
この巻は自分にとって情報量が多かったのですが、自分で理解できる範囲で整理してみようと思います。
ひとまずポイントを大きく4点に分けて書きました。
- 監視者の存在
- 生存計画
- 「実験」の内容
- 首謀者は誰か?
監視者の存在
まず、首謀者の他に監視者という役割が設定されている事が分かりました。そして、監視者は各ループ(厳密にはループではないですが、手っ取り早くこう呼びます)で変わる事があります。
監視者の事が明らかになったループでは栗尾が担当でしたし、別のループでは椎葉が監視者でした。
生存計画
茜は首謀者を割り出しつつ、クラスメイト生存のための道筋を探し始めます。
そのための活動の一つがジャマーの量産です。各クラスメイトは首謀者によって体内に埋め込まれたチップにより、コントロールされる事があります。
茜はコントロールされたクラスメイトによって何度も殺されてきましたが、ジャマーを作る事でチップを無力化し、皆の支配を解く事ができるという訳です。
4巻ラストのループでは、茜の姉・相田紗耶が監視者でした。紗耶は監視者でありながら茜の姉である事から、茜に協力的な姿勢を取ってくれます。
茜が首謀者の「実験」に背く場合はペナルティがありますが、そうでない場合は余程の事が無い限りはお咎めが無さそうとのこと。そのため、茜以外のクラスメイト生存のために、ジャマーの量産体制に入ります。
そうして皆の支配を解いた上で、物理的に村からクラスメイトを脱出させる事を計画します。しかし、茜は村に残らなければ「実験」の阻害要因となってしまいます。では、どうすればよいか。
ここについては何かしら茜に考えがあるようですが、私には想像できませんでした。5巻に期待ですね。
「実験」の内容
村で進む「実験」とは何か。この謎について、幾つもヒントが出されました。
死体の一部からチップが抜かれていること。
茜の死体が一つもないこと。
血液と別の液体に浸った茜の死体(?)が動いているということ。
茜死体(仮)はさやかには「逃げろ」と言い、茜には「助けて」と言いました。
正直何が起きているのか皆目検討がつきません。特に抜かれたチップについては……。
茜はチップについて思いを巡らす中で
監視者のお姉ちゃんに記憶があるのと何か関係が……?
そもそも首謀者は何故お姉ちゃんに記憶をーー
と心の中で独白していました。
チップと記憶が一体であるという示唆だとするなら、チップを回収するイコール記憶の回収ということになりますが、そこから先について、うまく思考が回りませんでした。
動く茜死体についてはどうか。血液ではない液体が付着しているとありました。素直に考えるならホルマリン漬けだったということでしょうか。
他の死体と異なり、茜の死体が無い事はどう解釈すればよいのか。要らないなら他の死体と共に捨て置かれるでしょうから、消えているという事は「実験」で必要という事ですかね。
一方で、死ぬ際に茜の身体に残る何らかの痕跡を隠すため、という線もあるにはありますが……。
上の話を総合して「実験」の内容を想像すると、何らかの理由で茜の死体を保存する者が蘇らせる事を考えているのでしょうか?
ただ、当の本人である茜の死体は、その行為を望んでいないような言動をしています。
色々列挙してみましたが、いやー、全然分かりませんね。
首謀者は誰か?
本作のメインテーマといえる犯人当てについて。
この巻で明らかになった事としては、さやかが犯人ではないということ。
そして、茜が首謀者を「殺した」事で明らかになった通り、首謀者もバックアップの身体があるということです。
ちなみに、監視者は首謀者が誰かを知っているのか?
これについて、紗耶(監視者)は知りませんでした。また、過去の監視者が知っているかどうかは分からないと言いました。しかし、栗尾(監視者)は知っていました。茜がさやかを犯人指摘した際、解答発表(全員死亡する)前に「残念」と発言しているので、これは首謀者が誰かを知っていたということになります。
私は本作を読み進める中で、茜本人が黒幕という説を推していました。理屈はともかく、それが一番面白そうな話だからです。
しかし、今巻ではより重要な犯人候補が上がってきました。それは茜の姉、相田紗耶です。
単行本2巻を読んだ際に、私は彼女を黒幕候補から一度外しました。それは明らかに黒幕と別の身体で行動していると思われる描写があったからです。
しかし、首謀者の肉体に複製があり、記憶もチップでコンバートできるという前提があるならば、却って黒幕候補として立ち上がってくると思いました。
ちなみに、監視者として選定されている人間は首謀者からは外れるのか? と何となく思いましたが、身体の複製が可能な時点で、必ずしもそうとは限らないと自分は考えています。
別観点からの考えについても述べます。「実験」の内容がもし茜を救おうとするものだとしたら、実の姉が首謀者である確率は高まると思いました。
なお、茜を救いたいと考えるであろう、もう一人の人間がさやかですが、彼女は首謀者である事が既に否定されています。
更に紗耶の嫌疑を濃くしたのは茜死体の言動です。
もし茜本人が黒幕だとすると、皆を助けようとしたり、また生存茜に助けを求めたりする茜死体の存在は、少し違和感を覚えます。どちらかというと、茜が自分ではない誰かの暴走を憂い、止めて欲しいと思っている、と考える方がしっくりきます。
但し、チップが記憶を司るとすれば、死体茜と首謀者茜は全く別の存在といえるわけで、そうした意味では、首謀者が茜本人である線も消えてはいません。
それでは最終結論として、首謀者は誰なのか?
誰も彼も犯人候補として挙げたら下手な鉄砲数打ちゃ当たる状態になるので、一人に絞るなら……上で書いた事に背きますが、やはり茜本人が首謀者という説を推したいですね。理屈ではなく、直観として。
まとめ
色々、自身の推理や想像を好き放題書き連ねました。話がとっ散らかって、すみません。
自分の考えが当たるにしろ外れるにしろ、誰が犯人か・何が真相かを多少なりとも考えてから解決編を読むミステリは何だって面白いと自分は思います。
これまで本作品を単行本で読んできた方は5巻発売前に、4巻までの内容をもう一度読み直して、自身なりの回答を考えてみては如何でしょうか。きっと5巻が人一倍楽しく読めるようになると思いますよ!
以上、『はっぴぃヱンド』4巻の感想でした。