五月は自身が風太郎に抱いていた気持ちに少しずつ気付き始める。一方、四葉は二乃と正面から対峙しようと会話を持ちかける。
こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。
漫画『五等分の花嫁』117話「五里霧中ランチタイム」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。
なお、下記は前話(116話)の感想・考察記事、および感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。
◾️前話の感想・考察記事
◾️感想・考察記事 一覧
出来事のおさらい・感想
117話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。
- 五月が自身の風太郎に対する感情に戸惑う。
- 四葉が二乃に会話の機会を設け、それに二乃が応える。
117話では学校で交錯する五月・風太郎・二乃・四葉の姿が描かれました。
前話の引きからして、私はペンタゴンに戻った四葉が皆と会話をするという展開になるのでは? と予想していたのですが、実際には学校が舞台で会話は交わされるようですね。
前話の引きから今話はペンタゴンが舞台になると思っていましたが、予想に反して舞台は学校でした。
— あるこじ (@arukoji_tb) 2020年1月14日
ここから逆算で考えると、二乃と四葉の会話の場面には風太郎の配置が必須だったと考えられます。
五月が必要なだけならペンタゴンの会話に出くわす描写でよかった筈です。#五等分の花嫁#ネタバレ pic.twitter.com/9yaZfcULiF
この展開からは、会話の場に居合わせた風太郎の存在が何らかのキーになるであろうことが予想できると考えます。
もし、二乃・四葉・五月だけで今後の展開が成立するなら、この会話の場面はペンタゴンで展開された方がより自然な流れだったと思うのです。
しかし、実際には学校がその場面として採用された。もし、ペンタゴンで会話が交わされた場合には、風太郎が関与するのが物凄く不自然です。それを避けるために学校が舞台として選ばれたのだとすれば、この場所でなければ関与しえなかった人物=風太郎が展開の鍵となると考えられるように思います。
以下、今回特に気になった点を考察します。
考察
五月の感情と恋の行方
117話で大きくスポットが当たったのが五月の感情についてでした。
五月は115話で、両想いであることが分かり結ばれたはずの風太郎と四葉に対し、素直に祝福できないと語っていました。そして、その理由について
皆のことを考えると
と語っていましたが、どうもその前提が揺らいできました。
自分自身の風太郎への密かな想いも、二人を素直に祝福できない理由の一つだった可能性が出てきましたね。
個人的には、五つ子の中に一人だけでも風太郎と純粋な友人関係にある存在がいてもいいんじゃないかと思っていたのですが、やはり五月も風太郎に好意を内心抱いていたという展開になりそうですね。
ただ、ここで五月が風太郎に告白等に及んだとしても、既に二乃や三玖から明確な好意を寄せられていたにも関わらず四葉を選んだ風太郎がブレるとは考えにくいでしょう。
展開としてここから引っくり返るとは考えにくく、五月の想いは悲恋に終わる可能性が高そうです。
風太郎の言葉の意味
ラストシーンで風太郎が口走った
寒いところでは雪降ってるらしいぜ
という台詞の意味について。これはどういう意味があるのか?
この台詞は、五月が風太郎と遭遇した際に口走ったものと同じでした。
この時の五月は
私は少しも動揺していません
と内心で独り語っていますが……そのままの意味で取れる訳がないですね(笑)
実際には、動揺を隠そうとして咄嗟に振った話題だったということでしょう。
これと同じ文言を風太郎が口にしたということは、つまり風太郎もまたこの場面では内心動揺していたということを意味すると考えてよいでしょう。
この場面で五月が風太郎に抱いた
さすが上杉君、どんな時も冷静です
という感想も、実際はその逆であるという解釈を補助するための描写とみるのが妥当でしょう。
更に言うなら、五月は同じく自分が風太郎にその台詞を振って動揺を隠した経緯があるのですから、五月もまた風太郎の台詞で彼が内心動揺している事実に気付いた可能性があると考えられます。
最後のカットで五月が驚いたような表情をみせていますが、これは「上杉君も動揺してるじゃないですか!?」という思いの表れなのかなと思いました。
四葉の話がもたらしうる化学反応
四葉の話とは何か?
四葉は二乃に話があると声をかけました。何の用事なのでしょうか?
謝罪ではありませんね。それはもう115話で四葉がしており、そして二乃に拒絶されました。
そうだとすると……おそらく四葉は三玖に語ったように「私も実は上杉さんが好きだった」という話をするつもりなのでしょう。
では、それを聞いた二乃はどう反応するか。
おそらく、私の方が風太郎に早く好意を抱いていたのに後から好きになった四葉に取られて悔しいという主旨の話をするのではないでしょうか。
そう話が転がった結果、どうなるか……もうおわかりですよね。
そう、多分この場面で四葉は、自分がもっと前から風太郎のことが好きだった……つまり、自分がかつて小学生の時に京都で風太郎と出会っており、その時からずっと好きだったのだと話をするのではないでしょうか。
二乃は四葉の風太郎に対する過去からの好意について(多分)把握していません。その彼女でなければ、この四葉の発言は引き出せないのですよね。
また、本記事の冒頭で挙げた、この場面に風太郎がいなければならない理由もこれで説明がつきます。ここで風太郎は写真の子が四葉だったという真相を知ることになるのだと思います。
あるいは「そのことを風太郎が既に知っていた」という反応をみせるのかもしれませんが……ただ、個人的にはその可能性は低いとみています。
ちなみにその理由ですが、もし風太郎が写真の子=四葉だと知っていたなら、作品の読み手から「風太郎は結局四葉が写真の子と知っていたから告白した」と非難される可能性が出てくるからです。
そうした周囲からの不条理な騒音をかわすためには、風太郎は四葉が写真の子であると"知っていてはならない"。
よって、風太郎は写真の子=零奈=五月と誤認している状態だろう、というのが私の見方です。
五月の反応は?
さて、ここまで推測を重ねた上で、予想がつかないのが五月の反応です。
五月は117話で風太郎への好意を朧げながらも自覚し始めました。今更引っ掻き回すような真似はしない……というモノローグは非常に意味深です。
そして、更に話をややこしくしているのが、風太郎が写真の子の正体だと考えている(と思われる)零奈を演じたのが五月であるという事です。
四葉が写真の子だと主張した時に、風太郎はそこで零奈が写真の子だと想像するとして……しかし、実際に零奈を演じていたのは五月なのです。
これは何とも危うい状況のように感じるのは、私だけでしょうか?
いずれにせよ118話において、四葉がする話の運び方によっては五月がどんな反応をみせるかが非常に重要になってくると思われます。
まとめ
117話は主に五月の今の複雑な胸中を描写しつつ、次話へ繋ぐ意味合いの強いエピソードでした。
丁寧な前振りを置いた上での118話。四葉は、二乃は、風太郎は、そして何より五月は何を語るのか……要注目です!
以上、『五等分の花嫁』117話「五里霧中ランチタイム」の感想・考察でした。
§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。