『お買い物ゲーム(Wir spielen Einkaufen)』を簡易ルールで、3歳5ヶ月の息子と遊んだので、そのレポです。
どんなゲーム?
子供用のボードゲームで4歳からが対象年令となっています。全部で4人まで遊ぶことができます。ただ、男の子コマが2つ、女の子コマが2つなので、不都合の場合(三姉妹で遊ぶとか)は何か別のコマを代用にした方がよいかもしれません。
ざっくり説明すると、おつかい要素が入ったすごろくで、色々なお店で必要な商品を買い、全て揃ったらお家に帰ることでゴールとなります。
サイコロを振って自分の駒を進め、お店に着いたら欲しい商品を選んで、お金を払って購入します。なお、各お店にはお金を入れる穴があり、そこに直にお金を入れて支払います。
お金が足りるなら一度で幾つでも購入が可能です。欲しい品が無ければ、棚の商品の入れ替え(全取っ替え。一部のみ変えるのは不可)も可能です。
商品の購入が終わったら、空いたスペースに既存の商品を移動し、価格の変更を行います(価格が下がるか現状維持かします)。そのため、少し知恵が付いてきた子なら、他の人が欲しい物を見て「あの人があのお店で買い物した後なら安くなるな」みたいな判断ができるでしょう。
もし手持ちのお金が足りなくなってきたら、銀行に行ってお金を補充します。銀行に着いたら即サイコロを振り、出た目の数だけお金がもらえます。なお、サイコロは2〜4のみの目になっています。
なお、スタート時のお金は簡易ルールと通常ルールで異なります。簡易ルールではお財布一杯のお金(=8金)を持ってスタートします。通常ルールではお財布にお金が無い状態からゲームを開始し、お家に1ターン留まることで1金ずつもらえ、好きなタイミングでスタートします。なお、銀行は一度買い物してからでないと使えないというルールがあるため、0金でスタートを切っていきなり銀行に駆け込むというプレイはできません。
息子と遊ぶ(ソロプレイ)
(以下、『お買い物ゲーム』の純粋なレビューというより、初めてボドゲらしいボドゲで遊んだ息子の様子になっているため、余計な描写も多いです。ご了承下さい)
買い物ごっこに目がない息子。先日、保育園で大規模なお店屋さんごっこをやったときも大層楽しかったようで、未だに買ってきた物(キャンディ、イチゴチョコバナナ、焼肉弁当、ウサギ)を持ち出しては遊んでいる。そんな息子に「これならヒットするだろう」とポチり。
届いたゲームについて「これ何?」と聞かれたので、「お買い物のゲームだよ」と言うと、やりたい!と目をきらっきらに輝かせて言う息子。
そんな訳で箱を開けてセットアップ。コマはどれにする? と聞くと、一つ一つコマを手に取って、これは〇〇くん、これは××ちゃん、と保育園の友達の名前を当てていた。じゃあどのコマにする?と聞いたら、××ちゃんにする! と好きな女の子のコマを選んでいた。それでいいのか。普通は自分に似たコマを使うんだよ、と一応声を掛けたところ、そうかそうかと男の子のコマに変更する息子。
いよいよゲーム開始。簡易ルールのため、お金を財布一杯にしてあげる。銀色のお金をたくさんもらい、テンションが上がる息子。
お家からスタートして、サイコロを振ってから進むんだよ、とレクチャーする。しかし、息子の人生初すごろくということもあってか、上手くコマを進められない。最初のマスでも1!と言ってからコマを進めるため、本来進める数より1少なく進んでいる。その都度、最初はゼロでいいんだよ、と言って補正すると、徐々に上手く進められるようになった。
「何を買いに行くか分かる?」
最初に渡したお買い物リストを見せて質問する。
「お肉と、ぶどうと、くろわっさんと……わかんない」
描かれていた物の内、洋梨が分からなかったらしい。普段、別に食べないもんな……。むしろ、小麦アレルギーでパンは完全除去中なのに、クロワッサンが分かって感動した。妻も教えていないようだったので、保育園で学んできたのだろう。
最初に着いたのはお肉屋さん。
「お肉と……ウインナー下さい!」
いきなりリストに無い物を買っている。大丈夫か。なんで買うの?
「……ウインナー食べたいから」
そか、なら仕方ないか。買い物リストに無いけど、買ってこうか?と訊ねると、うんと頷く息子。
銀色のコイン1枚のウインナーとコイン2枚のお肉をチラッと見て「300円でーす」と言いながらお金をお店の穴に支払っている。簡単なお金の計算はできるみたい。本当は3ユーロなんだけど、息子にしてみれば銀色のコインで物が買えそうな物となると百円玉になるのだろう。3円ではなく300円と判断している辺りは少し感心した。
お肉屋さんで買い物を済ませた息子は、続いてクロワッサンを買いにパン屋さんへ向かう。
「これ、なに?」
パン屋さんに到着すると、並んでいるプレッツェルを指差して聞いてきた。小麦アレルギー抜きにして、これは知らんだろうな……。名前を伝えてあげると、「ぷれっつぇる」と不思議そうに鸚鵡返す。
クロワッサンは200円と300円と別の金額で2個並んで売られていたが、わざわざ高い方を選んで買っていた。安くて同じやつがこっちで売ってるよ?と声を掛けたが、「いーの!」と強く拒否られたので引き下がることに。高い方が美味しいとか考えたのかな。
クロワッサンを買った後は、何でも屋さんへ。八百屋さんではぶどうが売っていないが、何でも屋さんには売っているのでそちらを目指すようだ。
何でも屋さんに着くと、またお金を支払って商品を手に取る。この、お金をお店の穴に入れる動作がとても楽しそうである。もし、これが共通のストックに返すという動作だったら興醒めだろう。お店に穴を付けたのは素晴らしい!
ここでお金が足りなくなる息子。要らんものまで買ってるので当然である。銀行に行ったらお金がおろせるよ、と教えてあげると、サイコロを振って銀行へと向かった。
銀行では出た目の数だけお金がもらえる。3が出たので300円もらい、お買い物を再開。今度は八百屋さんへ行き、洋梨を買う必要がある。
「ようなしと……トマトくださーい」
また要らんものを買っている。今度は何故?
「お家になかったから、買っとく……」
我が家にトマトが今無いので買っておこうという意図だったようだ。愛い奴め。ありがとう、じゃあ買っといてくれというと、にっこり笑ってうん!と返してくれた。
八百屋さんでの買い物を終えると、もうあとは家を目指すだけだ。サイコロを振ってゴールを目指す。最初の頃に比べて、コマの動かし方も慣れてきたのが分かる。
最後は家の前で謎の足踏みをしていたが何とかゴール!
終了時の図。トマトとウインナーがリストに無い分余計だが、頼まれたお買い物は無事にできました!
まとめ
ゲームシステムがどうこうという話はほぼ触れず、専らごっこ遊び的に消化してしまいました。ゲームとしての楽しみはもう少し子供が成長して普通ルールで遊ぶようになってから考えるとして、子供の食いつきという観点でまとめます。
とりあえず、お買い物やおままごと的なものが好きな子なら、このゲームはハマるでしょう。何より、お店の穴にお金を入れる仕組みが何とも素敵です。あの要素がこのゲームの魅力の多くを占めていると言っても過言ではないでしょう。
親視点では、息子がお金の概念や商品の概念なんかがどのくらい分かっているかの確認ができるのも面白かったです。今回のゲームでは同じ商品でも高い物を買っていたのが特に興味深かったと思いました。単純に高い・安いの区別が付いてない可能性もありますが、普段から高いとか安いとかの言葉を使い分けているので、高いクロワッサンの方がより良い物だからと自分なりに判断して購入していたのかもしれません。
リストに無いものを買い始めたのも面白かったです。自分が欲しい物だったり、あるいは実際に家にストックが無い物だったりで、本人が基準を持って買い物をしているんだなと感慨深くなりました。
ポードゲームの入り口としては、自分の手番が来たらサイコロを振り、終わったら次の手番まで待つ、という基本的なマナーを学べる点でも良さそうです。
今回のレポ内容はソロプレイのものでしたが、実はこの後に接待プレイで私と一緒に2人プレイで遊びました。このとき、順番に自分の番をやるんだよと教えたら素直に聞いていました。
ただ、これは今はまだ勝ち負けの概念が弱く、ズルをしてでも勝ちたいとかいう考えが無いからなのかなと感じました。そういう気持ちや知恵が芽生えてきたら、自分の番を連続でやりたがったり、サイコロを置き賽したりするんじゃないかなと思っていますが……まあ、その時までのお楽しみ(?)ですね。
きちんとしたゲームとして遊べるかはさておき、ごっこ遊びの内容物としても優れていると思うので、推奨年齢未満からの遊び道具として買ってみてもよいと思います。
以上、『お買い物ゲーム』簡易ルールで遊んでみての感想でした。普通ルールでも一緒に子供と楽しめるようになる日が待ち遠しいです!