あるこじのよしなしごと

妻・息子2人(2014生:小麦アレ持ち/2019生)と四人で暮らしています。ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、育児、その他日常等について綴っています。

漫画『五等分の花嫁』115話の感想・考察/五つ子と風太郎はそれぞれの思いを胸に学園祭翌日を過ごす

ざっくり言うと

学園祭翌日の五人の様子が描かれる。学園祭の夜に風太郎は告白をしたが、その相手とはまだ交際するに至っていなかった。一方の五つ子は風太郎の告白を経て、それぞれに思いを新たにする。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『五等分の花嫁』115話「五通りの朝」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。

なお、下記は前話(114話)の感想・考察記事、および感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。

◾️前話の感想・考察記事 

◾️感想・考察記事 一覧

出来事のおさらい・感想

115話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。

  • 風太郎が一花とデートし、その中で四葉との告白時のやり取りが明かされる。
  • 四葉は「まだやらなくちゃいけないことがある」と風太郎に伝え、両想いながら交際はおあずけとなる。
  • 四葉が二乃、三玖と会って話している様子が描かれる。

 

115話では学園祭の翌日の様子が描かれました。

114話の後、一体どの場面が描かれるか。可能性として想定していたのは

  • 告白シーンの続き
  • 翌日の様子
  • 更に先の時間軸(卒業式前など)

この辺だったのですが、結果は「翌日の様子」でした。一番可能性が高いところに着地した感じですね。

告白を終え、両想いであることが互いに分かった風太郎と四葉。しかし、まだ付き合うまでには至っていません。その理由は四葉がストップを掛けたからですが……。

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また、本話ではマルオ(&江端さん)が五つ子と共にペンタゴンで仲良く夕食を取る様子も描かれていました!

この夜、マルオは妙に重い雰囲気(だったと思われる)の五つ子たちをどう捉えたのか……というのはちょっと興味が湧きます(笑)

以下、今回特に気になった点を考察します。

考察

「やらなくちゃいけないこと」とは?

四葉が言う「やらなくちゃいけないこと」とは何でしょうか?

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二乃とのやり取りを見る限りでは、風太郎を好きだった他の姉妹に対して、結果的に抜け駆けするような形になったのを謝る事でしょう。

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四葉は基本的に他の姉妹を応援する立場に立っていましたし、またそもそも自分が風太郎と結ばれてはいけない(自分より他の姉妹が幸せになるのが当然)と思っていました。

しかし、学園祭で風太郎に告白される中で自分の感情に蓋をし切れず、彼に自身の好意を告げました。

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切ないのは、風太郎とのやり取りの直後には既に他の姉妹への謝罪について、四葉が考え始めている点です。

長年抑え込んでいた気持ちが溢れ、相手と両想いであることが分かった瞬間。普通ならそこでもう少し浮かれる気持ちになるというか、喜びの感情が少なからず湧き上がってくるはずではないでしょうか。

そうした気持ちを四葉が感じなかった訳では勿論無いと思いますが、そんな中でもすぐに他の姉妹への謝罪という点に思いが至ることから、四葉の他の姉妹に感じる負い目が相当強いことが分かると思いました。

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しかし、二乃にはその謝罪をはねつけられてしまいました。この時の二乃の気持ちについては後の項で言及します。

さて、二乃と対峙する際の様子を見ると、明らかに約束をして会っているのが分かりますね。

またもう一人、三玖とのやりとりを見ても二人が約束をして会っていることはほぼ明白です。

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四葉は三玖から声を掛けられて、その容貌を確認する前に「三(玖)」と言葉を発しています。これは自分に三玖が声を掛けてくる可能性を考慮していたからと考えるのが自然だと思います。

ただ、この点については「三玖の声」で相手が三玖だと四葉が気付いた線もあります。そのため、これだけでは明確には言い切れません。

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しかし、三玖がわざわざ四葉の変装をして四葉に声を掛けている事までを合わせて考えると、やはり二人は会う約束をしていたのだろうと思います。三玖が四葉と会うという前提なしに、この変装をしたとは考えにくいからです。

二乃と三玖、それぞれが個別に四葉に会う約束を偶然したとは考えにくいので、やはりこれは四葉のほうから二乃・三玖に謝罪をするために約束を取り付けたのだと考えられます。

四葉が三玖とこれから話すその中身は分かりませんが、二乃との会話内容から考えると、やはり四葉からの謝罪になるのでしょう。

問題は、四葉の謝罪を受けて三玖がどういった反応を返すのかですが……ここはちょっと想像が難しいですね。

四葉以外の五つ子の心理は?

上では四葉の気持ちについて書いてみましたが、他の四人の心理もみていきましょう。

一花

一花はこの話で風太郎とデートをしていました。

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風太郎と四葉がまだ交際していないと話した時には少し心が揺れたようにもみえました。が、そんな中で一花が風太郎の背中を強く叩いたのは、風太郎に喝を入れる気持ちもさる事ながら、同時に自分自身へも感情に流されないよう、気合を入れていたように受け取れました。

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その後は二乃からの言葉を思い出し、他の姉妹を祝福する気持ちに倒れていきました。

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この辺、多少の割り切りの良さが垣間見えるのは、学園祭二日目の夜に風太郎の気持ちをある程度知る事ができた一花だからとも考えられそうですね。

二乃や三玖に比べ、自分の気持ちに整理を付けるための時間が取れていたのが大きかったのではないかと考えられます。

二乃

二乃は四葉からの謝罪をはねつけました。

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しかし、ここで二乃が怒っているのは単純に、四葉が風太郎と結ばれたからではないというのがポイントです。

もちろんそのことが全く関係していないとまでは思いませんが、二乃の

私がずっとフー君のこと好きだって知ってたはずよ

それが分かってて昨日を迎えたはずでしょ

この台詞を考えた時に「好きだったって知ってた」だけでなく「昨日を迎えた」という言葉が付加されているのがポイントです。

単に四葉が抜け駆けしたことを怒るのだとしたら、前の部分だけでいいはずなのです。しかし、実際はそれに加えて「昨日を迎えた」というワードがあります。

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学園祭、最終日の夜。それぞれの場所に分かれる前、五つ子は皆の絆を確認し合うように互いの指を繋ぎ、何かを誓っていました。おそらくは、誰が選ばれてもその結果を受け入れるという誓いでしょう。

にも関わらず、四葉は二乃にその結果について謝罪しようとしている。そのことが二乃の怒りを買った一番の理由ではないかと考えられます。

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なお、二乃のもう一つの台詞である

今、あんたに心配なんかされたくないわ!

この言葉からは、やはり風太郎を奪われてしまった悲しさが読み取れます。しかし、一方で「今」……つまり風太郎と四葉が両想いであることが明らかになった直後、という言葉が添えられている事からは、二乃もまた一花同様に自身の気持ちに整理をつけている只中であることも読み取れるように思いました。

三玖

彼女は五つ子の中で一番、その心理が読めません。

四葉の下に現れた彼女は冗談めいたことも話しており、その様子は思いのほか冷静にみえます。しかし、それが本当に彼女の気持ちを示しているのかは分かりません……。

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一点語るなら、三玖は水族館での告白時などの様子を見ると、風太郎のことは好きだし、また彼に選ばれたいとも思っているが、自分の気持ちを伝える事がまず第一であり、その結果として選ばれなければそれは風太郎の気持ちであるし、仕方ないというような考え方をしているようなふしがあります。

水族館での告白後、学園祭での行動を通じて三玖の精神は更に成熟し、不可能な事なんてないという考えを持てるように成長したのも事実ですが、風太郎が三玖のことを選ぶかどうかとそれは無関係だとも彼女は認識しているはずです。

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不可能な事はないというのは、最初から諦めて行動しないのはダメだということであって、努力すれば絶対に結果がついてくるという話ではないのですよね。

三玖はそれが分かっているから、四葉と風太郎が結ばれたことを受け入れられているのかもしれません。

また、更に三玖の考えそうなことを想像してみます。

まず、四葉が風太郎を好きになってもおかしくないと三玖は考えるでしょう。

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何故なら、彼の魅力は三玖自身、よく知っているからです。その魅力に四葉が惹かれても何らおかしくない、と考える気がします。

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そして、四葉が三玖の恋路を心より応援してくれていたのも事実です。修学旅行前や修学旅行中、それは特に顕著でした。三玖はそのことに感謝していると思います。

そんなに応援していたのに最後は横取りする様な事をするのかという指摘をされる方もいるとは思いますが、ここは考え方の違いですね。

そこまで応援してくれた四葉だからこそ風太郎と結ばれても許せると三玖が考えている可能性もあると私は思いました。

いずれにせよ、三玖の胸中はかなり複雑だと思います。次話で実際、彼女がどう思っているのかが明かされるのが待ち遠しいです。

五月

一貫して風太郎の友人というポジションにおり、恋愛としては一歩引いた関係の五月。

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彼女は「二人は応援したいが、皆のことを考えると素直におめでとうと言えない」と一花に話していました。

この言葉は五月の気持ちをストレートに表したものと捉えました。四葉は応援したいが、二乃や三玖の手前、手放しには喜べないということです。

この描写からは五月自身はやはり風太郎への恋愛感情を持っていないと確認できると思います。

五月が本心を語っていない可能性も無くはない(たとえば、実際は自分も好きだから喜べないというところを、他の姉妹を気にかける形に転嫁しているなど)かもしれませんが、私個人としては他の姉妹同士の関係性を純粋に心配している様子に見えたというのが正直なところでした。

まとめ

114話で両想いである事が分かった二人でしたが、すんなりと交際には至らない事が115話の展開で明示されました。

この後、四葉が三玖からどういった言葉をもらうのか。ここが今後の四葉の気持ちに強く影響する可能性が高そうです。

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また、一花にレクチャーを受けた風太郎から四葉への改めての告白が行われるとして、それが四葉に何らかの変化をもたらす可能性もありますね。

とても先が気になるところですが、今回も前回同様、マガジンが合併号のため、次話が読めるのはまた二週間後(2020/1/8)となります。とても歯痒い……! ですが、気長に待つしかないですね。

 

今年の初め、このブログで『五等分の花嫁』に関する感想・考察記事を書いた結果、多くの方に読んで頂くことができました。そのことについて、感謝の気持ちで一杯です。

皆さま、今年一年どうもありがとうございました。良いお年をお過ごし下さい。そしてまた来年も、本ブログに足を運んで頂ければ幸いです。

 

以上、『五等分の花嫁』115話「五通りの朝」の感想・考察でした。


§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。

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