あるこじのよしなしごと

妻・息子2人(2014生:小麦アレ持ち/2019生)と四人で暮らしています。ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、育児、その他日常等について綴っています。

漫画『笑ゥせぇるすまん』第12話「ゴルフ入門」感想

漫画『笑ゥせぇるすまん』第12話の感想です。

感想の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。
他方、あらすじの紹介が主眼ではないので、話の枝葉末節は記載しないつもりです。そのため、本記事を読むだけでは物語の内容は分からない可能性があることも、ご了承下さい。

第12話「ゴルフ入門」

お客様について

サラリーマンの舞戸千代郎(まいど・ちよろう)です。ゴルフ用語のチョロと掛かった名前ですね。チョロとは、ボールを打つ際にミートできず、ボールを掠るようにスイングする事で起きるミスショットです。チョロっとボールが転がる様子から、そう呼称されます。

その名の通り舞戸はゴルフが下手くそ……というか、初心者です。

喪黒さんとのファーストコンタクトからして、この有様です。普通の人なら死んでいるかもしれませんが、そこは喪黒さん。全くの無傷でした。

舞戸がゴルフを始めた理由は、会社で皆がゴルフをやり始めたが、自分だけやっていなかったからというものでした。

私も会社員ですが、事業部内でのゴルフコンペ等がある会社なので、舞戸の気持ちはちょっと分かります。ただ、私はゴルフはやっていませんが、かといって肩身が狭いかというと、そんな事はありません。

連載当時は今よりもずっと皆がゴルフをやる時代だったでしょうから、ゴルフをやらない人の感じる疎外感は強かったでしょうね。このエピソードに共感した人も多かったかもしれません。

ゴルフと藤子A先生

藤子A先生とゴルフといえば、やっぱり『プロゴルファー猿』ですよね。

この記事を書くにあたってネット上で軽く情報を漁ってみたのですが、それによれば、A先生はゴルフがサラリーマンの間でブームになるよりも前からゴルフが好きで、相当やり込んでいたらしいです。プロゴルファー猿を描いたのも、A先生が元々ゴルフ好きだった事が影響したそうです。

この辺の喪黒さんのコメントは、A先生のゴルフ観がそのまま表現されているような気がしますね。

笑ゥせぇるすまんでは、この話の他にもゴルフのネタが何度となく登場しますが、ゴルフネタがメインに上がる記念すべき初回がこの回となります。

初めての……

舞戸ですが、喪黒さんの勧めにより、喪黒さんと共にいきなりコースを回ることになります。

どきょうをつけるにはコースへでなきゃだめです。百回の練習より一回の実践です。

とは、喪黒さんの弁。確かに、どんな物もその通りかもしれませんね。

その後紆余曲折あるものの、喪黒さんの「あたる!」「ドーン!」の神通力によって見事なティーショットを放ってからは、本人も満足行く出来でホールアウトします。これでコンペ当日もバッチリですね!と喪黒さんは舞戸のゴルフの腕前に太鼓判を押します。

さて、舞戸は元々、コンペに参加を表明した際に同僚の一人から、初心者が迷惑を掛けるな、足手まといになるなと散々な言われようでした。

そして迎えたコンペ当日ですが、その同僚からは無用なプレッシャーを掛けられます。

最終的にプレッシャーのあまり、舞戸の手からクラブがすっぽ抜け、それが件の同僚に直撃します。奇しくも舞戸が喪黒さんと出会った時と同じ事が起きる訳ですが、今回は喪黒さんではなく普通の人間が対象です。そこはタダで済むわけがなく……。

現場は大騒ぎに。ゴルフコンペどころではなくなってしまいました。

なお、この話の舞戸は漫画・アニメ共に喪黒さんとの約束に背いたりはしておらず、ただ災難な目に遭うだけでした。11話もそうでしたが、笑ゥせぇるすまん初期はこの手の、何も悪い事をしていないのに被害に遭うお客様率が高いですね。

また、この話は漫画版で初めて明確に死者が出る話だったりします。これまでの話でもお客様らは不幸な目に遭うものの、人死にが明確に表現されている場面はありませんでした。

第2話の「切る」は新聞沙汰になる事件が起きていますが、記事の内容が分からないので、死者が出たかどうかはよく分かりません。

しかし、本作品では明確に「死んじゃってるよ」という台詞が出ています。まあ、被害者となった同僚は舞戸に辛く当たっていた人間なので、ある意味自業自得かもしれませんが……。

アニメ版ではどうなったか?

このラストシーン、果たしてアニメでも死者が出ている描写となったのか? 気になったので、視聴してみました。

アニメは漫画版と多少異なる部分もある(喪黒さんが舞戸のゴルフ力アップのため、藁人形とボールが一体化したようなアイテムを使ったりする)ものの、ラストまでの流れはほぼ同じです。

肝心のラストシーンでの周囲の声を聞いてみると

救急車! 救急車!

となっていました。どうやらその場で死亡が確認される描写とはならなかったようです。アニメのため、描写がマイルドになったのでしょうか? しかし、漫画版よりもアニメの方がエグい表現になっている事もあるので、改変の理由ははっきりとは分かりませんね。

以上、『笑ゥせぇるすまん』第12話の感想でした。