あるこじのよしなしごと

東京の片隅で、妻と4歳の息子と三人で暮らしています。 ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、遊んだゲーム、育児について、その他日常などを綴っています。

漫画『笑ゥせぇるすまん』第26話「老顔若体」感想

ざっくり言うと

老化を恐れ、若返りを望むお客様。やりすぎが原因で、異形の姿に変貌させられてしまう。アニメ版は漫画版よりもオチを理解しやすかった。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『笑ゥせぇるすまん』第26話の感想です。
感想の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。
他方、あらすじの紹介が主眼ではないので、話の枝葉末節は記載しないつもりです。そのため、本記事を読むだけでは物語の内容は分からない可能性があることも、ご了承下さい。

第26話「老顔若体」

お客様について

会社社長の出雲若志です。年齢は73歳と高齢ですが、若々しい見た目をしています。名前の由来は「いつも若い」から。

出雲はその若々しい見た目を自負しており、他の同年代にその若さを誇示しています。

しかし、実際には昔ほどの若々しさはなく、身体は衰えを感じ始めていました。

以前、別エピソード「単身赴任」の記事で当時『笑ゥせぇるすまん』が連載されていた雑誌「中央公論」の読者層について言及しました。

この話のお客様である出雲は、まさにその年齢層に当てはまります。共感できた読み手も多かったかもしれませんね。

さて、出雲はゴルフ場の更衣室で喪黒さんと出会います。ちなみにこの出会いの際、アニメ版だと喪黒さんはくたびれた出雲に「モグロ湿布」を貼ってくれます(笑) 興味があったら、アニメ版もチェックしてみて下さい。笑った口のデザインが施された、かなり独特な見た目の湿布です。

顔は若いのに身体が…

喪黒さんに悩みを打ち明ける出雲。顔は若々しいのに身体が衰えているという悩みを喪黒さんに伝えます。すると、喪黒さんは身体に若さをよみがえらせてあげようと言い出します。

肉体に若さをよみがえらせる代わりに何かを犠牲にするという言葉を怯みながらも受け入れる出雲に対し、喪黒さんは特殊な鉄アレイをプレゼントします。そして、使用方法のアドバイスをします。

マッスル! マッスル! 私の体よ! ムキムキにな〜れ! と念じながら、それを朝夕、十三回ずつ振って下さい。

何じゃそりゃ。いくら何でも流石にそんな事やらんだろう……。

やってました。なかなかにシュールな光景です。

というのも実は、鉄アレイを渡された直後に出雲は、「念じるのです!」と喪黒さんにドーン!されているのですね。出雲が素直に言われるがままにトレーニングに励んだのも、そのためと思われます。

トレーニングの内容の胡散臭さに反して効果は実際にありました。出雲が若々しい身体を取り戻した喜びを喪黒さんに伝えると、喪黒さんは例の如く、一つの忠告をします。

忠告の内容は、トレーニングをやり過ぎるなというものでした。ちなみにアニメ版だと、若返った肉体で若い女性と付き合ったりして精力を消費すると大変な事になるという忠告に変わっていました。漫画版もアニメ版も、この後に出雲はスナックの女性と関係を持つのですが、その展開への導入をよりスムーズにするための改変なのかなと思いました。

犠牲になったものとは?

しかし、案の定、出雲はトレーニングを継続します。ますます若々しさを取り戻していく出雲の肉体でしたが……。

最後は化け物のような姿に変容してしまいました。漫画版・アニメ版共にラストのカットの衝撃は大きいです。特にアニメ版を小さい頃にテレビで見ていたら、ちょっとしたトラウマものかもしれませんね。

ところで、このラストシーンですが、これまでの自分は、このオチの正しい解釈ができていなかった事に今回の記事を書くにあたり、気付きました。

私はこの話のラストについて、ほどほどにすべきだったトレーニングをやり過ぎた結果、単に化け物になったとしか思っていませんでした。絵のインパクトが強くて、あまり凝視していなかったのも、単純にそう思った理由かもしれません。

しかし、今回の感想を書こうとアニメ版を鑑賞してみると、ラストシーンで喪黒さんが以下のようにモノローグしていました。

肉体が若返った分、顔にシワ寄せが……いやいや、顔がシワシワになるとは、怖いですねぇ〜

これを聞いて、出雲は単なる化け物になったのではなかったのだと、はじめて理解できました。かつて顔が若々しく身体が衰えていたのに対して、その逆に身体が(異常に)若々しく、そして顔が(異常に)衰えたのだと。なるほど、犠牲になったものというのは顔の若々しさだったんですね。つーか、タイトルでも「老顔若体」とオチの意味をずばり書いてるんですが、それすら気付いてなかったという……。

改めてアニメ版を確認してみることで、上記の事に気付く事ができた点が、個人的にとても嬉しかったです。

以上、『笑ゥせぇるすまん』第26話の感想でした。