あるこじのよしなしごと

妻・息子2人(2014生:小麦アレ持ち/2019生)と四人で暮らしています。ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、育児、その他日常等について綴っています。

漫画『五等分の花嫁』101話の感想・考察/風太郎が自身の選択を一花に明かす

ざっくり言うと

学園祭を訪れた一花の様子が描かれる。一花は風太郎に姉妹の誰かとキスをしたと鎌をかける。風太郎は告白の相手に誰も選ばないと彼女に宣言するが……。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『五等分の花嫁』101話「最後の祭りが一花の場合①」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。

なお、下記は前話(100話)の感想・考察記事、および、感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。

◾️前話の感想・考察記事 

◾️感想・考察記事 一覧

出来事のおさらい・感想

101話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。

  • 一花が学校を訪れた際の経緯が明らかになる。
  • 風太郎は一花から、姉妹の誰かとキスをしただろうと鎌をかけられる。
  • 風太郎は姉妹が一人の男を巡って分裂したというドラマの展開を耳にする。
  • 風太郎は一花に誰に告白するつもりかを問われ、誰も選ばないと宣言する。

 

101話は一花にスポットが当たった回でした。

風太郎の告白シーンにそのままいくのか、あるいは学園祭の様子が回想されるのか?

比較的多くの方が、そのまま告白にはいかずに回想に入ると読んでいたようですが、ここは大方の予想通り、風太郎の告白シーンが描かれることはありませんでした。

また、そのサブタイトルから、今後、五姉妹が学園祭で過ごしていた様子が順々に描かれることが示唆されたのもポイントの一つです。

しかしこれは、風太郎による告白の場面が描かれるエピソードは大分、先になりそうですね……。

こうなってくると、学園祭で告白した相手がそのまま花嫁という可能性も出てきましたね。

私はもともと、学園祭編が終わってから、結婚編までの間にまだ展開の起伏があるとみていました。これは、この作品の連載が年内は終わらないという編集者さんのコメントを参考とした考えです。

学園祭編がすぐ終わってそのまま結婚式のエピソードに入ってしまうと、おそらく尺的に年内に入ってしまう。という事はそうはならず、学園祭での告白の後でも一波乱あって……という展開になるのかなと思ったわけです。

しかし、各姉妹の様子をそれぞれ、しかも一人につき少なくとも2話は描くとするとそれだけで10話分、年月で表すと最低でも11月までは続く計算になります。

だとすると、連載が今年は終わらなくても来年すぐで終わるのだとしたら、学園祭で告白した相手がそのまま花嫁になってもおかしくないと考えた訳です。

もっとも、風太郎は誰にも告白しないと本編で言っていましたが……この辺については、下記の考察で言及します。

以下、今回特に気になった点を考察します。

考察

一花は学校で風太郎と遭遇していた

一花が二乃の格好で学校を闊歩していたのは多くの人が予想していた通りでしたね。

私はその上で、一花が学校を訪れている場面では何かが起きていると考えており、それが99話で提示されていた何かしらのアクシデントと関係していると思ったのですが、そこまでのことは起きていませんでした。

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実際に起こっていたのは、風太郎との遭遇でした。

その後、二人は学園内で迷子となったショー君の面倒をみたりしていましたね。

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この点には、こっそり伏線めいたものがありました。上の画は99話でショー君にお礼を言われている風太郎ですが、ここできちんと

お兄ちゃんたち

と呼ばれているんですね。

何で複数形なんだ? と少し引っかかったのですが、あまり深く考えていませんでした。こういう意味があったのですね!

一花と風太郎を巡るやり取り

一花のキスシーンに動揺する風太郎

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一花がドラマでキスをしていたと聞いて、動揺する風太郎。初々しいですね。

一花に対して恋愛感情を持っているかはさておき、身近な彼女が他人とキスをしているという事実にはやはり胸中穏やかではなかったようです。

「お兄ちゃん」になるショー君に声を掛ける一花

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これから妹ができるというショー君に、お兄ちゃんとして強くならなければならないと話しかける一花。

その様子をじっと見つめている風太郎は何を考えていたんでしょうか?

かつて彼自身、妹のらいはが生まれる前にも同じような事を言われたのかもしれません。たとえば……今は亡き母親に?

一花とショー君のやり取りを眺めている風太郎の心情を想像してみると、なかなかにセンチメントなものがあります。

五姉妹の誰かとキスをしたと鎌をかける一花

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一花はキスシーンについて話が及んだ際に

フータロー君だって経験済みだもんね

と彼へと話題を振りました。動揺していた風太郎は素直に鐘キスの経験を口にし、それに対する一花の反応から、彼女が鎌をかけていたと気付きます。

このやり取りでポイントとなるのは、一花が鎌をかけただけなのか、実は前から知っていたのかは分からないという点ですね。可能性としては単純に

  • 本当に知らなかった
  • 本当は知っていた(=本人がキスをしたか、あるいは五姉妹の誰かから話を聞いているか)けれど知らないフリをした

 

この二つがあるわけです。ここを見極められる情報はありません。

ただ、これを踏まえた上で私は、101話の内容から、一花が鐘キスの相手である可能性は低いのではと感じました。

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そう考えた根拠は、101話の終盤において、一花が自分の気持ちに区切りをつけたいと強く考えている事が、明確になった点にあります。

そんな風に考える彼女自身がキスの相手だったなら、風太郎に隠したりせず、この話の流れで「自分がキスをした相手」だということも明かして風太郎の判断を仰ぎたいと考えるのが自然ではないでしょうか?

もっとも、仮に一花がキスをした本人だとして、明かさないのが不自然であると言い切るつもりもありません。

たとえば、風太郎への想いを半ば諦める中で、せめてキスをした思い出だけは自分の心の中に留めておきたいなどと考える可能性だってあるでしょうから。

ただ、私の中では、一花がキスをした可能性は低いのかなぁという気持ちになりました。

風太郎は事故だと思っている?

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この場面で風太郎は鐘キスについて、事故だと考えていると発言しました。

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一方で、以前恋愛について四葉に問われた際に「真剣な気持ち」だと風太郎が認識を改めつつあることが示された場面がありましたが、その中でこのキスシーンの回想があるのは興味深いです。

しかし、もし単なる事故と風太郎が思っているのだとしたら、鐘キスを真剣な恋愛感情の発露と考える風太郎の心理はどう解釈すればよいのか?

矛盾がない前提で考えるとしたら、考えられる一つは、キスにまで至ったのは事故のようなものだが、接近については恋愛感情が根っこにあると風太郎は思っているという見方です。

そもそも、キスをした後に何も言わずに離れている彼女のことを考えると、単なる事故ではない(本当に純粋なる事故なら弁解するはず)と推測するのは普通でしょう。 

考えられるもう一つは、キスは事故だなどと本当は思っていないが、一花の手前、気恥ずかしくて事故という表現をしたという可能性です。これも十分ありうるでしょう。

ただ、どちらの説を採ったとしても、風太郎は一花に「事故」と伝えたが、接近した"五月"が恋愛感情を持って近付いたという認識は持っているという解釈が成り立つため、過去の風太郎の発言及び意識との矛盾は生じないと考えます。

風太郎は本当に告白しないのか?

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風太郎は一花に「誰も選ばない」と伝えました。これは本当の事なのでしょうか?

実際に誰も選ばないつもりだった

まず、一番単純に解釈するなら、この意見は風太郎の気持ちを率直に表したものという考え方ができます。

元から誰も選ぶつもりはなく、その事実を一花に伝えただけ。分かりやすい。納得です。

本当は誰かを選んでいた

しかし、実際には誰かを選んでいた可能性もあると思いました。といっても、一花に嘘をついたという話ではなく、本当は誰かに告白するつもりで学園祭に皆を召集したが、気が変わったという可能性の話です。

もっとも、これは風太郎の考えが単にブレているという話ではありません。

ポイントは、迷子のショー君との会話の場面です。

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ショー君は姉妹が一人の男を巡って険悪になるというドラマの話を風太郎にしました。

ここで風太郎は何か思うところでもあったのか、

そのドラマ、最後はどうなるんだ?

とショー君に尋ねました。これに対してショー君は

片方と結ばれて片方とはそれっきり

という救いの無い結末だったと語ります。

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この場面で風太郎は他所を向いている様子でしたが、実はこのショー君の言葉に少なからず影響を受けていたのではないでしょうか?

中野五姉妹も同じような事態にならないとは限らず、そしてそれは風太郎の望むところではないでしょう。

だとすると、実は告白するつもりだったのだが急遽止めたという可能性もあるのではないでしょうか?

「そもそも、何故風太郎は初日に皆を集めて告白すると宣言したのか」という点は一つの疑問としてありましたが、本当はやはりそこで告白するつもりだったと考えれば、筋が通るようにも思えます。

最終日までに心変わりする?

もともと告白する気が無かったのか、あるいはショー君の言葉で思い留まったのか。

いずれにせよ一日目のラストで、風太郎は告白しないことを一花に宣言しました。

しかし……告白しないという風太郎の意思を読者に早い段階で提示した上で最終日、本当にその言葉通り告白しないという展開が描かれるかというと、それは微妙です。

風太郎のこの宣言があったことにより、むしろ、最終日に風太郎が誰かに告白する可能性は高くなったと思いました。

そして、もしそうだとすると、現時点で風太郎は誰も選ばないつもりだったが、この学園祭の中で五姉妹の誰かに対してその魅力を再認識し、結果的に彼女に告白するという流れになるのではないかと考えられます。

そういう展開であると読みを働かせた場合、気に掛かるのは演劇部に協力していることから、普段と異なる魅力が描かれそうな四葉の存在ですが……まだまだこのエピソードは先が長そうですし、どう事態が転がるかは何とも言えませんね。

まとめ

今週、前回の引きからどう話が展開されるかは非常に気になっていました。風太郎は果たして告白するのか、しないのか?

告白するならするで学園祭編が一気に収束してしまうし、しないならしないで結論の先送り感が出てしまう。

非常に手綱さばきが難しい局面でしたが、一花の回想シーンを描きつつ、不在となる可能性がある彼女から風太郎に質問させる事でひとまずの回答を出すという何とも巧みな手法でクリアしました。素晴らしい展開だったと思います!

かつ、ショー君とのやり取りを入れる事で、本当に風太郎が告白する相手を決めてなかったのか、それとも途中で取りやめたのかは確定できない形に持っていきました。このやり方には脱帽です。

次話は、仮にその内容が煽りの通りであるなら、一花の学園祭二日目の様子が描かれるようです。

しかし、そもそも、一花は学園祭二日目に来ていたのでしょうか? 

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100話の上のカットを見る限りだと、彼女はロケ中のように見えたのですが……一体どういう事なのでしょう?

今週も、どのように次話が展開するのかを楽しみに待てそうです!

以上、『五等分の花嫁』101話「最後の祭りが一花の場合①」の感想・考察でした。


§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。

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