あるこじのよしなしごと

妻・息子2人(2014生:小麦アレ持ち/2019生)と四人で暮らしています。ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、育児、その他日常等について綴っています。

漫画『五等分の花嫁』113話の感想・考察/学園祭の夜、風太郎が一つの決断をする

ざっくり言うと

学園祭三日目の夜、風太郎は前田・武田と話しながら、いつも全力だった五つ子の姿に影響を受けたことを語る。今まさに学園祭が終わらんとする中で、風太郎は五つ子の一人と対峙する。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『五等分の花嫁』113話「最後の祭りが風太郎の場合」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。

なお、下記は前話(112話)の感想・考察記事、および感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。

◾️前話の感想・考察記事 

◾️感想・考察記事 一覧

出来事のおさらい・感想

113話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。

  • 風太郎が武田・前田との会話において、五つ子に影響を受けて今の自分があるのだと語る。
  • 風太郎が保健室に現れ、四葉に声を掛ける。

 

113話は予想通り「風太郎の場合」でした。まあ、これはほとんどの人がそうだろうと思ってましたよね。

頼むから「風太郎の場合」だけはやめてくれ!と思ってましたが、そうしたタイトル及び展開にはなりませんでした(笑)

今回は変に引き伸ばしたりせず、ズバッと切り込んできました。風太郎は四葉を選んだとみて、良いでしょう。

また、個人的にはさすがにここからの逆転はやらないだろうと思ってます。いくら意外性があったとしても、その展開は読み手の反感を買いまくるでしょうから。

以下、今回特に気になった点を考察します。

考察

男同士三人の夜

風太郎は夜、前田や武田と話していました。

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修学旅行から、この三人で過ごしている場面がよく出てきますが、そのシーンを見るたびに風太郎、本当にきちんと友達いるんだな……とホッとする気持ちになる自分がいます。

最初の頃は人間関係は壊滅気味でしたし、また後半になって五つ子との絡みが生まれたとしても、それ以外のクラスメイトとの関係が断絶されたままだったら、やはり風太郎の成長という面では疑問符が付く展開になっていたと思います。

ちなみに『ドラえもん』では、のび太が結婚前夜にジャイアンやスネ夫、そして出木杉らとバチェラーパーティーを開く場面があります。

一応説明すると、バチェラーパーティーとは、独身最後の夜を男友達と過ごす会合のことです。「バチェラー」という言葉には独身の男性という意味がありますね。

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113話を読んで、風太郎も前田や武田とバチェラーパーティーを開かないかな? と少し思ったのですが、式当日の風太郎と前田の会話は、およそ前日に会った者同士の会話とは思えません。

三人でバチェラーパーティーを開く可能性は低そうですね。

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風太郎が五つ子の誰かのことが好きなんだと察した前田は強く背中を押してくれました。

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武田は風太郎を後押しするまでの発言はなかったですが、風太郎の話を聞くその目はとても優しげでした。彼も風太郎の選択を尊重する気持ちになったのでしょう。

風太郎の告白相手について

本編を読んだ方なら、もったいぶる必要は何もないですね。

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告白先は四葉でした。

前回考察では、まず五月の所に行ってから四葉の下に行き、そして告白という流れになるのではないか……と思っていると書きましたが、実際の風太郎はストレートに四葉の所(保健室)に移動しました。

確かに、五月に何らか感謝の念を持っていたとしてもこのタイミング(告白しに来たと勘違いされるタイミング)で動くのってどうなんだろう? とは思っていたので、結果的に納得できました。

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アナウンスおよび風太郎による「待たせたな」の台詞の前後関係、および、四葉の行動を整理すると、

  1. アナウンス時には風太郎は部屋の前/四葉は屋外
  2. 風太郎はドアを開けて入る/四葉はスマホを忘れた事に気付く
  3. 風太郎が部屋で待機する中に四葉が戻ってくる→風太郎による「待たせたな」発言

 

となります。前後関係に矛盾はないですね。

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ただ、100話の上のページはアンフェアスレスレな描写という印象です。このページの中に風太郎の待機まで含まれていると解釈するのはちょっと微妙だなと正直思いました。

せめてもう一コマ、時間的断絶を表す空白を示すコマが入っていてもいいんじゃないかなとは思いました。

しかし、一方でこのページで上の1〜3の一連の動作が含まれている事実を否定することもまたできないとも納得しました何故なら、上で述べたようにその前後関係は正しく描かれているからです。

【追記】ドアを開けたのは四葉だと捉えれば時間的断絶を描く必要は無い

自分で書いた記事を読み直して理解したのですが、この場面でドアを開けたのは四葉なんですね。ようやく理解しました。

この時、風太郎は保健室の中で待っていただけ。そこに、外から戻ってきた四葉がドアを開けたと解釈すれば、時間的な断絶を描くためのコマはそもそも必要ないのだと理解しました。

上で書いていた事は私の読解力不足による誤解でした。大変失礼しました。

 

ともあれ、風太郎はそういう形で、一度は外に出てしまったらしい四葉と、保健室で無事出会うことになります。

何故、四葉は保健室の外にいたのかという疑問がありますが、こればかりは次話を読まないと正しい事は分かりません。

ただ、一定の想像はできて、おそらく四葉は風太郎から自分が選ばれる訳がないと思ったか、または自分が選ばれてはならないと思ったか、このどちらかではないかと思います。

ここからどういう展開になるのか……は気になる所ですが、残念ながら続きは次号です。

基本的には凍てついた四葉の精神を風太郎が溶かしていくという流れになると思うのですが、具体的にどういった形で話が進むのかは読みきれません。

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ただ、本話で風太郎が、おそらく四葉が設置したであろう休憩用の椅子に視線を送っているのは意味深です。

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風太郎は、四葉が人のために努力して、その結果、彼女が人から慕われる存在になっている事を学園祭の中でこれまで以上に認識した筈です。この点が何らか展開に関わってくる可能性はありそうですね。

他の姉妹たちの挙動について

四葉以外の姉妹についてもみていきます。

何故、他の姉妹は風太郎から告白されないと判断できたのか?

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彼女たちは四葉を風太郎が選んだことまではおそらく知り得ない。にも関わらず、自身が選ばれなかったと気づいています。

これは一体、何故でしょうか?

考えられるのは、学園祭終了のアナウンスが流れるまで(=学園祭が終わるまで)に風太郎が告白に来るという話になっていたという可能性です。

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五月は風太郎に各人の部屋を伝えているので、同時に期限について伝えていたとしてもおかしくはないでしょう。

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一花・三玖・五月が選ばれなかったと自覚する中、二乃だけは動きませんでした。

これはおそらく、自身が選ばれなかった事を認めたくなかったのでしょうね……切ないです。

一花は何処まで知っていたのか?

他の姉妹と一人だけ状況が違うのは一花です。彼女だけは風太郎が選ぶのは四葉ではないかと予想する根拠があったようです。

その根拠とは、102話で一花が風太郎に対して行った問いかけにあります。

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二日目の夜、一花が風太郎に強いた四択の場面。

鐘キスの話から発展して、一花は誰からキスをされていたら嬉しいかについて、買ってくる飲み物で答えるよう、風太郎に要求しました。

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この場面について、風太郎の手元が頑なに描かれない事から、実は何らかの飲み物を買っている可能性もあると考えられていました。

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ここで、風太郎は実際にはジュースを買っていたようですね。つまり、四葉が好きだと暗に伝えていたという事になります。

しかし、一花がこの風太郎のこの時の答えを何処まで本気に捉えていたかはわからないです。

そう考えた理由は二つあります。

一つ目は、一花が落ち込んでいるのがアナウンス後(=風太郎に選ばれないことが確定した時)だったことです。

上のコマを見る限り、一花はこの時点で強く落ち込んでいるように見えます。しかし、初めから自分が選ばれると思ってもいなかったのなら、この時点でそこまで落ち込むだろうかと思ったのです。

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もう一つは、各部屋に散開する直前において四葉と共に二乃も勇気付けている点です。

ここで四葉だけを励ますという事であれば、その行為は納得できます。一花視点では、四葉が選ばれることは分かっているという解釈が可能だからです。

しかし、四葉が選ばれると内心思いながら、同時に二乃まで同じように励ますことができるかどうかは微妙に感じました。

それが必要な励ましだったのだとしても、一花の立場から、数分後には涙を流す事になる可能性が高い二乃の背中を単純に押せるかどうか……。

私だったら押せないかなと思いました。

この2点から、一花は風太郎が二日目の夜にジュースを選んだ姿を見たものの、何処まで風太郎が本気なのかは見極められなかったのではと思いました。

そして、風太郎の告白を受けられないと実感した瞬間に、風太郎の飲み物の選択の意味について、一花は内心で結論付けた。

その時点で初めて、あの夜の風太郎の気持ちが本物であったのだと一花は感じたんじゃないか。そう思えたのです。

まとめ

113話でとうとう、四葉が花嫁の可能性が濃厚である事が明らかになりました。

次話以降は風太郎が何故、四葉を好きになったのか、また四葉がどう風太郎に心を開いていくかが焦点になってきそうです。

ここで一つのポイントになりそうなのは、風太郎は四葉が写真の子と気付いているのかどうかですね。

前話(112話)の感想記事では、四葉が写真の子であると風太郎が気付いていない展開にする事で、読み手の「四葉が写真の子だから選ばれた」という発想を打ち消してくると想像している旨を書きましたが……果たしてどうでしょうか?

いずれにせよ、次回の更新が待ち遠しくて仕方ありません。

以上、『五等分の花嫁』113話「最後の祭りが風太郎の場合」の感想・考察でした。


§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。

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