あるこじのよしなしごと

妻・息子2人(2014生:小麦アレ持ち/2019生)と四人で暮らしています。ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、育児、その他日常等について綴っています。

漫画『五等分の花嫁』111話の感想・考察/五月が自身と母の境界を見極め、風太郎に感謝する

ざっくり言うと

学園祭三日目の五月の様子が描かれる。無堂に対して五月は自身の思いの丈をぶつけ、彼の「狙い」を打ち砕く。その後、自信を持つことができた五月は風太郎に感謝の念を述べる。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『五等分の花嫁』111話「最後の祭りが五月の場合③」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。

なお、下記は前話(110話)の感想・考察記事、および感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。

◾️前話の感想・考察記事 

◾️感想・考察記事 一覧

出来事のおさらい・感想

111話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。

  • 無堂に対して、五月が自分の思いを伝え、彼を赦さないと意思表示する。
  • 五月が自身が母とは違うことに気付き、その自信を持てたことを風太郎に感謝する。

 

111話は五月編のラストエピソードでしたね。私は風太郎編が始まるのだろうと思ってましたが、まさかの五月③が! 見事に読みを外されました。

物語の展開は何とも小気味良く、爽快感に溢れた話でした。このところ学園祭編で時系列が入り乱れる展開の中、読み解くことに多少疲れ気味だった方にとっても、今回の話は特に満足度が高いものだったのではないでしょうか!

以下、今回特に気になった点を考察します。

考察

無堂との対決

111話では、無堂の接近にノーを突きつける五月およびマルオの姿が描かれました。

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五つ子ゲームで無堂の愛の有無を確認した上で、彼への決別を切り出す。前回の記事でも取り上げましたが、この展開はTwitter等で予想されていた通りでしたね!

正直、ほぼ親交のなかった無堂に変装モードの三玖と五月を見分けろというのは無理ゲー感が強いと思いましたが、したり顔で父親の愛を語っていた無堂に対して、初手から衝撃を与えたいと五月が思っていたなら、こうした手段に出るのも納得できるかなと思いました。

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無堂について五月は、

あなたがお母さんから解放される日は来ないでしょう

と語っていました。

ここからは、少なくとも五月視点では、無堂はその動機はどうあれ、一応は贖罪のために現れたのだと捉えられていたようです。

私は女優になりつつある一花や中野家の財産目当てで近付いてきたのでは? と内心思っていたので、そうした展開よりは幾分マシな話だったのかもしれません。

ただ、無堂の謝罪はあくまで自分のための謝罪だったと私は思いました。謝っているというのは確かにそうなのですが、それは謝る事で自分が楽になるための行為ではないかと。

いじめっ子が成長してから、いじめていた相手に謝ることで過去の罪を赦され、楽になりたい気持ちのようなものです。

その点で、その謝罪や申し出を受け入れず、赦すことはないと明言した五月の言動は気持ちよかったです!

マルオはどうして学校にいた?

今回の五月が無堂と対峙する場面に、マルオが来ていました。中野家との断絶を決定的にするために彼の存在は欠かせなかったと思いますが、彼は何故都合よく学校にいたのか?

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これは勇也と下田が呼んだと作中で描かれていました。偶然居た訳ではないのですね。

私は最初に読んだ時、勇也の発言を見逃しており、マルオは学園祭二日目において、休暇中に病院に呼び戻される事があったのでその振替で三日目も休み、学園祭に来たのかもしれないと思いました。

しかし、どうやらそうではなさそうだと後から思い直しました。そう考えた根拠は勇也の言葉ではなく、マルオの服装でした。

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マルオは111話でネクタイをして無堂の前に現れています。

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一方、これは104話(二日目)においてインタビューを受けるマルオの様子。よく見ると、ノーネクタイである事が分かります。

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同じく104話、マルオは病院に戻って仕事をしている際には、やはりネクタイをしています。

この事から、もしマルオが三日目も休暇を取って学園祭に来ていたのであれば、ノーネクタイであるのが自然と言えると思います。

しかし、111話のマルオはネクタイをしていました。この事から、マルオは五つ子にとっての一大事と判断し、仕事を抜けて学校に来たと推定できるのですね。

……と考えをまとめてからこの場面を読み返してみたら、勇也が「俺らが連れてきたんだ」と話していることに気付き、普通に書いてあるじゃねーか!という気持ちになったのですが(笑)  折角の気付きなので書き記しておきます。

五月が「母の呪縛」から脱却

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五月は無堂とのやり取りにより、自分が抱いた教師になるという夢の根源、そして自分という存在自体が母・零奈とは別であると明確に認識するに至りました。

これによって、五月はいわゆる「母の呪縛」から解き放たれる事になりました(尤も呪縛といっても、厳密には零奈によるものというのではなく、文字通り"自縄自縛"ではありますが)。

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母ではないのだからと敬語を解除した五月の見開きの可愛らしさは凄かったですね! この可愛さは破壊力抜群です。

いつかはこの場面(敬語が解除される場面)が来るだろうと多くの人が思っていたと思いますが、分かっていてもこのシーンは素晴らしかった。

いや、むしろ、待ちかねていたからこその感動だったのかもしれません。

五月はキスしたのかどうか

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この話で最も気になった点が、ずばり五月は風太郎にキスをしたのか? という部分です。

他の四人は、マガポケ版の各話に書かれている「前回までのあらすじ」の部分を正しい情報と仮定するなら、全員が風太郎とキスをしているのですね。

しかし、この話で五月がキスをしたかどうかの描写はあまりにも婉曲でどちらとも取れます。

という訳で、この話を読んだ他の方々がどう思ったかがあまりにも気になったため、Twitterでアンケート機能を用いて読まれた方の意見を募ってみました。

ご回答頂きました皆様、まことにありがとうございました。

結果はこちら。10時間にて240件の回答を頂きました。結果、実に九割の方が五月はキスをしていないとみているようですね。

その上で自分の意見なのですが……やはり、五月はキスしていないのかなと私も思いました。

この部分の決着については、112話公開時における「前回のあらすじ」に注目ですね! そこであっさりと白黒付く可能性もあります。

花嫁候補について

今回の展開を踏まえて、花嫁は誰かについても少し言及します。

もし五月がキスをしていないとしたら、彼女一人だけがキスをしていない点で異質と見ることができ、五月が花嫁の可能性は高くなるといえます(もう少し細かい理由付けもありますが、それは110話の感想で書いているので、よろしければそちらをお読み頂ければ幸いです)。

しかし、111話の描写から、五月はキスをしていないけれど花嫁ではない可能性だって勿論あると意識させられました。

もしキスをせずに風太郎の横をすれ違うという展開だとしたら、それは意味深だなと感じたんですよね。

五月のキスの有無が花嫁である事との関連を持たないとしたら、次に花嫁候補になりうるのは、やはり四葉でしょうか。鐘キスと学園祭での動きの整合性が取りやすいのは彼女です。

また、今回の話では敬語を取り払った五月の姿を見て、風太郎が彼女を零奈だと確信した可能性もあると思いました。

そして、もし風太郎が零奈を五月だと指摘する場面があるとして……そのまま"写真の子"のことまで五月だと思い込むとしたら、あまりにも四葉が可哀想すぎる展開です。

だとすると、風太郎が零奈を五月と判断した上で、四葉を写真の子と正しく識別する展開になるのではとも推測できます。

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風太郎は過去、京都で四葉と二人はぐれた際にマルオが四葉を名前で呼んでいるのを聞いているので、風太郎が誓いを交わした相手が四葉と気付く(思い出す)可能性はあります。

そうした展開となった場合、その着地点は四葉が花嫁となる可能性が高いのかなと考えた次第です。

まとめ

111話は怒涛の展開、かつ読後感が素晴らしい一話でした!

続く112話は……今度こそ風太郎編でしょうか? 修学旅行編でも私は三玖のパンの行方が気になった(笑)のですが、今はビンタの跡が何故ついたのか唐揚げチケットの行方がとても気になっています。この辺の経緯を是非知りたいものです。

話数を数えていくと、113話が13巻に収録される最終話となる予定のため、そこで話が綺麗に収束すると仮定するなら、112話に風太郎の話が描かれ、113話は風太郎②か日の出祭・三日目で学園祭編は終幕するとみていますが……果たしてどうなるのでしょうか。

以上、『五等分の花嫁』111話「最後の祭りが五月の場合③」の感想・考察でした。


§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。

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