あるこじのよしなしごと

東京の片隅で、妻と4歳の息子と三人で暮らしています。 ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、遊んだゲーム、育児について、その他日常などを綴っています。

漫画『五等分の花嫁』93話の感想・考察/二乃の心情と一花の決意が語られる

ざっくり言うと

風太郎は二乃と連れ立ってケーキ屋店長の見舞いに訪れる。一花は母・零奈の命日において、高校を辞めるつもりだと他の姉妹に告げる。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『五等分の花嫁』93話「ツンデレツン」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。

なお、下記は前話(92話)の感想・考察記事、および、感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。

 ◾️前話の感想・考察記事 

 ◾️感想・考察記事 一覧

出来事のおさらい・感想

93話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。

  • 二乃と風太郎はケーキ屋店長を見舞う。
  • 「押してダメなら引く」を仕掛ける二乃のことを風太郎が可愛いと感じる。
  • 五月が他の姉妹に、一花が家を出ようとしている件を伝える。
  • 一花は他の姉妹の追及を否定しつつ、学校を辞めるつもりだと告げる。

 

93話は前半は二乃、後半は一花にフォーカスが当たる構成でした。

ケーキ屋店長へのお見舞いについては、二乃と風太郎の他に三玖も来るかと想像していたのですが、来ませんでした。

考えてみれば、病室にパン屋さんがいたというのは91話を読んだ読者視点でしか分からないこと。となると、面接で落とされただけの三玖が来るというのは、確かに考えにくい展開でした。

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風太郎は恋愛マニュアル本に書かれた先人の教えに感銘を受けつつも、そうしたマニュアル的なものに頼るのはやめようと考えているようでした。

これは、92話における五月による

あれこれ考えるより、やってみてわかることもあると思いますよ

というアドバイスを受け入れたためと考えてよいのでしょう。

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病院では、二乃が「押してダメなら引く」を実践し、あらかじめその手を恋愛マニュアル本から学んでいた風太郎がそれを看破するというユニークな場面が描かれました。

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二乃は途中、色々とやりすぎたと最初は感じていたようですが……

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結果として、風太郎の心理を揺さぶる事には成功しました。

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作中で、風太郎に"恋愛"を強く意識させることに最も多く成功しているのは二乃という印象が強いです。

写真の子という過去からの繋がりを考えると、花嫁は四葉なのかなという気持ちになりますが、風太郎への積極性を考えると、二乃が最後に結ばれるというのも決して無い話ではないのかなと思わされますね。

以下、今回特に気になった点を考察します。

考察

寂しさを感じる二乃

二乃は病室で会ったマルオに対して、

明日も忙しいの?

と聞いていました。姉妹の中でマルオを最も煙たがっているのが二乃だと思っていたので、この発言は少し意外でした。二乃は二乃なりに、マルオを一人の家族として見ているのですね。

しかしマルオは、そんな二乃の質問に対して

ああ

と、にべもない返答でした。うーん……もうちょっとこう、何とかならないものか。

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このやりとりの後、二乃は風太郎に、自身の寂しい気持ちをストレートな言葉で伝えます。

二乃は周囲が変化し、今までの関係が崩れ、皆が自身から去っていく事を恐れているのだという事がよく伝わってきます。

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ちなみに、これは69話の様子です。一花も同じく、他の姉妹とやがては離れ離れになることに対し、寂しさを感じています。

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しかし、その後の描写から、一花や風太郎は個々が独立していくことを肯定的に捉える傾向にあることが分かります。

心地よい関係・環境の継続は魅力的ですが、一方で人が変化、成長するためには何処かで、それまでと違う自立の道を歩き始める必要があります。そして、その過程でそれまでの関係が崩れる事も結果としてあるのだということを一花や風太郎は認識している。そのように読み取れます。

二乃がそうした事を理解していないという訳ではないのでしょうが、それでもやはり今の関係・環境が変化することへの寂しさは感じずにはいられないのでしょうね。

一花の決意

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さて、今の環境から大きく変わろうとしているのが一花です。一花は学校を辞めると皆に伝えます。

素直に考えるならば、これはやはり女優業に専念するための第一歩なのでしょう。

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そもそも、高二の林間学校の時点から既に、周囲の意見もあり、一花は女優として大成するための選択として、高校を辞めるという選択も視野に入れていたものと思われます。

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それでも風太郎との接点を求め、高校生活を送っていた一花でしたが、風太郎への想いを断ち切ると修学旅行の最終日に決めた時点で、高校に残る必要性は無くなりました。それ故に、高校をもう辞めることを決断したのでしょう。

家を出ていくというのは誤情報?

家を出ていくのでは? という二乃の質問に対し、一花は否定しました。

そもそものきっかけとなった場面を改めて見てみると……

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確かに、一花は家を出ていくとは一言も言っていないですね。

ところで、一花は本当に家を出ていくつもりは無いのでしょうか? 実は出て行くつもりだが、嘘をついているという可能性もあるのでは、と考えた方も多いのではないでしょうか。

この点について、私は一花は本当の事を言っていると思います。

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何故かというと、その発言の後に、学校を辞めるという、よりインパクトのある話を自分から暴露したためです。

もし「家を出ない」という話が嘘だったのであれば、おそらくは、学校を辞めるつもりである事も含めて内緒にするのではないでしょうか?

嘘をつく時には本当の話も混ぜた方がバレにくくなる、という考え方もあるかもしれませんが、今回のケースでは学校を辞めるというのが本当だった場合、わざわざその情報を出す方が、家を出る疑惑をより深める結果になります。

一花がどこまで考えて発言しているのかは読めませんが、上記の理屈から、私は一花は本当の事を話していると思います。

電話の相手は誰だった?

もし、一花が家を出ないのだとすると、先に挙げたシーンの電話の相手は誰だったのでしょうか?

家を出る・出ないという話が前項の通り無関係(一花は家を出るつもりがない)とすれば、おそらくは五月が想定していたであろう、電話の相手が大家さんという可能性は低くなります。

相手は事務所社長?

可能性が高そうなのは、事務所社長です。

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もともと、電話のシーンでは一花は住居の件で電話を掛けるために、外に出たようでした。だからこそ、五月は大家さんに電話していると考えたのですよね。

しかし、もし一花の電話相手が大家さんが相手でなかったとすると、この電話はたまたまこのタイミングで掛かってきて、それに対して一花が受け応えをその場で始めたものではないかという推測ができます。

というのは、一花が誰かに電話を掛けようと考えたとしたら、住居の件で大家さんに電話をしようと外に出たこのタイミングでわざわざ掛ける必要は無いはずなのです。普通に考えれば、また別のタイミングで掛ければよかったはず。しかし、実際にはそうはならなかった。

ということは、この場面の一花の電話相手は、相手の方から電話を掛けてきたのでは? と推測できます。

そして、マルオが一花に電話を掛けてくるとは少々考えにくいです。それは、マルオの方に五姉妹に対する何らかの用があった際、その場合の連絡先は五月となるケースが多いためです。

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よって、一花が敬語で受け応えをするような相手で、かつ相手から電話を掛けてくる相手となると、事務所社長の可能性が高いのではないかと考えられます。

ただ、この考え方にも弱い点があります。それは、事務所社長に対して、他の姉妹が今後どうなるかまで一花がわざわざ話すだろうか? という疑問がある部分です。

相手はマルオ?

他の姉妹の事を話題に出す必要があるとすれば、それはやはり家庭教師に関する件でしょう。

電話を何故このタイミングで掛ける必要があったのかという疑問点に目を瞑って考えると、その相手として相応しいのはやはりマルオです。

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卒業を目指さないのであれば、家庭教師は不要。となると、上杉家との契約変更になるので、マルオに電話で報告するというのは行動に妥当性を感じます。

相手は上杉勇也(上杉父)?

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大穴としては、相手が上杉勇也という線も考えられます。家庭教師に関する契約変更について、彼に直接伝えている可能性も考えられるのです。

この説でネックとなるのは、何故一花または上杉勇也が相手の連絡先を知っているのか? という点ですね。

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ただ、一花は五姉妹の長女という事でマルオから連絡先を聞いている可能性もありますし、あるいは「スクランブルエッグ」編で連絡先を交換していたという可能性もあります。

しかし、仮に連絡先の件をクリアしたとしても、家庭教師の件について、マルオの頭越しに一花と勇也が連絡を取り合うという展開は少々考えにくい気もします。

それを承知でこの説を挙げたのは、もし一花が勇也に電話で報告していたとすると、それは今後、風太郎に勇也経由で一花が学校を辞める話が伝わるための伏線となりうるからです。

今後おそらく、一花以外の姉妹の誰かあるいは全員が風太郎に相談するという展開になるものと思われますが、話にアクセントをつけるため、上記の変則的なルートで風太郎が情報を入手するという展開にしたかったとすると、一花が勇也に電話を掛けたという展開を設けた可能性もあるのかなと考えました。

花束は誰が置いた? 

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今回の話におけるもう一つの謎が、五姉妹より先に母・零奈の墓前に置かれた仏花は誰によるものだったのかというものです。

置いたのは下田?

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可能性が一番高いのは下田でしょう。彼女は以前、月命日に御墓参りをしていた実績があります。仏花は彼女によるものと考えるのが素直な解釈だと思います。

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彼女がまだ周辺にいて、五姉妹と会うことがあれば、そのまま一花の女優になりたいという夢とそれに関連して学校を辞める選択について、大人の視点から諭す可能性もありますね。

ただ、この展開は五姉妹および風太郎による事態の解決の芽を摘むことに繋がるので、そう単純に話が転がるかは分かりません。

置いたのはマルオ?

マルオが置いていたという可能性はどうでしょう? これはこれで如何にもありそうです。

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マルオは病院で、明日(つまり零奈の命日)は忙しいと言っていましたが、何故忙しいのかというと、命日の御墓参りもあるために忙しいという理屈の可能性もあるからです。

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ただ、もしマルオだとすると、作中で五姉妹がその可能性をあっさりと否定する様子が描かれている点が少し引っかかる気がします。

もちろん、彼女たちのこの判断がそのまま正しいとは限りませんが、「花を置いたのはマルオ?→マルオじゃない(と登場人物がわざわざ否定)→やっぱりマルオでした」という流れになるのは、個人的には結構興醒めです。

もしマルオが本当に花を置いた人物だとしたら、五姉妹の「お父さんじゃない?」「まさか」という台詞のやり取りをわざわざこの場面に配置しないのでは? と思いました。

置いたのは上杉勇也?

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またまた登場、上杉勇也です。彼が仏花を置いた可能性も考えられます。

零奈と勇也に何の繋がりがある? と考える方もいるかもしれませんが、彼およびマルオが下田同様に、零奈のクラスの生徒だったのではないかという推論があります。

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その根拠は

  • 零奈が教師を務めていた際のことを語る下田の回想シーンで、金髪の少年(勇也?)が登場している
  • 下田、中野マルオ、上杉勇也と、その名字にいずれも「上中下」が含まれており、その繋がりを示唆しているように見える

などです。詳細は、下記の87話に関する感想記事内でも言及しています。

もし、彼が零奈のクラスの元生徒だったとすれば、かつての師である零奈の命日に御墓参りしている可能性はゼロではありません。

そして、もしそうだとすれば、上でも少し触れた「風太郎は一花が学校を辞めようとしている事実をどうやって知るのか?」という今後の展開に、こちらの線から関係してくる可能性が考えられます(たとえば一花の発言を勇也が耳にしており、そこから風太郎に伝えるなど)。

置いたのは五姉妹の実父?

最後の可能性はこれです。零奈と別れた、五姉妹の実父が登場する可能性があります。

これまで、五姉妹の実父の姿は全く描かれていませんでした。それが物語の終盤が近い(と思われる)今、登場するのかもしれません。

ただ、個人的には、現在の登場人物で世界は十分に構成されており、ここに更に五姉妹の実父が出てくるという展開は話をいたずらに複雑化するという印象を持っています。

実父の登場はまた、五姉妹の親権がどうだったのかといった問題などを孕みます。マルオが今現在、実際に養育している現状からして、その辺の問題が浮上するのはややこしいです。

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一方で、五月が大事にする母・零奈の教えの一つである「男は見極めなければならない」。この教えの根元に実父の存在が関与しているのではないか、そしてそれは物語における重要な構成要素なのではないか、と考える方がいるとすれば、この場面での実父の登場というのは、充分にありうる話と思われる事と存じます。

 

この謎の解については、命日から日を置くと、この点に関する五姉妹の記憶も風化するため、早くて次話、遅くても95話には明かされるのかなと考えています。

ケーキ屋店長とパン屋さんの繋がりはいつ明かされる?

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91話における上のカットから、ケーキ屋店長の病室にはパン屋さんがいるのではないか? と想像していた方も多かったのではないかと思いますが、93話においてパン屋さんは登場しませんでした。

パン屋さんとのケーキ屋店長との関係性について分かるのはもう少し先、おそらくは店長の退院後ということになりそうです。

個人的には、93話のお見舞いのシーンで、このちょっとした謎の意味が明かされると思っていました。しかし、謎は明かされなかったため、ある種読者はこの謎について"引っ張られた"形になります。

ケーキ屋店長をパン屋さんが見舞うという描写はちょっとしたねぎ先生の遊び心だと思っていましたが、これ以上に理由の説明を引っ張るということは、何らかの意味がそこにあるのでしょうか?

もし、そこに何らかの意味付けがされるのだとしたら、それについてはパン屋さんと関係の深い三玖も何らか絡んでくるのかもしれないと感じました(一応補足しますが、ケーキ屋店長の交通事故に三玖が何らか関係している、という意味ではありません。ケーキ屋店長とパン屋さんとの関係が明らかになる場面に三玖も立ち会った場合、その場面に更に居合わせるであろう風太郎と三玖の間の関係性についても、何らかの変化が生じるのかもしれない、という主旨の話を述べています)。

まとめ

93話は、久しぶりに二乃が風太郎に二人きりの中で迫る場面が見られて可愛らしかったのと、今後の一波乱の幕開けという二つの面を持ったお話でした。

気になるのは一花の件で風太郎がどう絡んでくるのかですね。そもそも応援するのか、卒業だけはするよう勧めるのか?

かつて、風太郎は一花が女優業という夢に邁進する姿を羨ましいと感じていましたから、学校を辞める事に必ずしも否定的ではないのかもしれません。夢を見つけさせることを現在の目標とする風太郎からすれば、一花の選択を後押しする可能性もあります。

しかし、夢を叶えるという話について、高校の卒業は大前提と風太郎が考えている可能性もまたあります。

そのため、この時点では風太郎がどう一花と相対するのかは何とも読めないというのが正直なところです。

95話が一つの山場(コミックス11巻における最終話)であることを考えると、94話で風太郎が一花に関する情報を得て、95話で一花と対峙するという展開になるのではと予想できますが……果たして。

以上、『五等分の花嫁』93話「ツンデレツン」の感想・考察でした。


§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。


 

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