あるこじのよしなしごと

妻・息子2人(2014生:小麦アレ持ち/2019生)と四人で暮らしています。ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、育児、その他日常等について綴っています。

漫画『五等分の花嫁』99話の感想・考察/風太郎が「答え」を出すことを宣言する

ざっくり言うと

学園祭の初日の様子が描かれる。風太郎は五人を集め、その中の誰か一人を選ぶ形で「答え」を出すと宣言する。一花は二乃に変装して学園祭を訪れ、そこで何かが起こっている?

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

漫画『五等分の花嫁』99話「日の出祭 初日」を読んでの感想・考察です。感想・考察の性質上、展開やオチなどに多々言及することになるため、ネタバレ多数になります。ご注意下さい。

なお、下記は前話(98話)の感想・考察記事、および、感想・考察の記事一覧へのリンクとなります。よろしければ、ご覧下さい。

◾️前話の感想・考察記事 

◾️感想・考察記事 一覧

出来事のおさらい・感想

99話で起きた出来事を簡潔に箇条書きすると、こんな感じでした。

  • 二乃や三玖、四葉が学園祭でそれぞれ活躍している様子が描かれる。
  • 風太郎は五姉妹を召集し、全員に対しての好意を伝えつつも、誰か一人を選ぶ旨の宣言をする。

 

99話は大きく話が動く前兆を見せた回でしたね。

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これまでは五姉妹の方から風太郎へとアプローチする様子が多く描かれてきましたが、ついに風太郎から動きを見せる時が来ました。

サブタイトルは96話から続いていた「◯◯日常」のフォーマットがまだ続くと思っていたのですが、この予想は外れて「日の出祭 初日」というシンプルな物になりました。

このタイトルを素直に考えれば、一話で学園祭が1日ずつ進み、2話後の101話では日の出祭の3日目の様子が描かれる……という事になりそうに見えます。

しかし、おそらくそうはならないというのが自身の予想です。

というのは、学園祭のエピソードを一日につき1話の分量で書き切れるとは考えにくいからです。初日だけは1話で終わる可能性もありますが、二日目以降の話は、一日に対して1話ではおそらく尺が足りないでしょう。

多分、学園祭編のラストが描かれるのは104話になると思われます。というのは、単行本12巻に収録される中での最終話が104話だからです。そこと合わせて学園祭編が締められる可能性が高いです。

更にいうと、104話では未来の結婚式の様子が描かれる可能性もあります

それは、これまで結婚式の様子が描かれてきたのが単行本4巻・8巻収録のラストエピソードだからです。もし同じ間隔で来るなら、次はこのタイミングという訳です。

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他の姉妹が学園祭で活躍する中、五月はひとりで勉強していました。様々な食べ物の誘惑に耐えながら……。食べ物がコールされる中で、2コマ目では1コマ目よりも少しだけ前傾姿勢になって、勉強に集中しようと頑張る姿が何とも健気でした(笑)

以下、今回特に気になった点を考察します。

考察

暗号(脱出ゲーム)の解答

こちらについては自分が最新話を読み終えた際のツイートをそのまま引用します。

謎解きについて、直接の答は上の通りだとして、ダブルミーニングであり他の意図まで込められている可能性はあるでしょうか?

しかし、本話に関するネームについて言及された、上のねぎ先生のツイートを見る限り、本筋との関連性まで持たせようとしたようにはみえないというのが私の考えです。

風太郎の告白

さて、五姉妹に告白するというのとほぼ同義の事を宣言した風太郎でしたが……。

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まだその気持ちは整理できておらず、本当に伝えるのは学園祭の最終日という事に。この発言には私も、五姉妹同様に肩透かしを食らった格好になりました。

それならまだ皆を集めなくても良かったんじゃないか? とも思ったのですが、全員に対して宣言して自分に考えをまとめるまでのリミットを設ける事で、自身を追い込もうと考えたのかなと思いました。

言い換えれば、それだけ風太郎も深く悩んでいるのだなと感じさせられます。

ちなみに、風太郎に対して直接の恋愛感情を片鱗も見せていない四葉・五月までこの場に呼んだ理由は何故かについても少し考えてみたのですが、これについては

  • (好意を示されている)一花・二乃・三玖の誰を選ぶとしても、五姉妹全員との関係性に影響する事柄なのは間違いないから。
  • まだどんな答を出すか自身でも分からない中で、(直接の好意を示されているわけではない)四葉や五月が好きであるという気持ちを自身が抱いているかもしれないと風太郎が考えたから。

 

この2つのどちらか、あるいはそれらが綯い交ぜになっての行為なのかなと思いました。

五月の「羨ましい」発言の意図

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五月は「答え」を出そうとする風太郎に対して、

羨ましい限りです

と意味深な発言をしています。この真意は何なのでしょう?

風太郎に告白されるかもしれない皆が羨ましい

一つ考えた案はこれです。この解釈では、五月が自身は風太郎に対して直接の好意を示したことは無いが、実は彼に好意を持っており、それ故に彼から告白されるかもしれない他の姉妹の事が羨ましいという意図の発言をしたという考えです。

しかし、多分これは違うでしょう。五月の発言は他の姉妹ではなく風太郎に向けられたもののように聞こえます(つまり、風太郎のことを羨ましいと思っている)。

また、仮に上のような意図だとしたら、五月が「あなたに告白される他の姉妹が羨ましい」などという発言を風太郎に対して直接、全く恥ずかしげもなく語れるとは思えないという点もあります。つい本音を漏らしたという可能性もなくは無いですが、もしそうなら発言した後に五月が動揺する様子が描かれるものと思われます。

恋愛という悩みを持つことができる風太郎が羨ましい

私の中では、五月の真意はこちらかなと思っています。

五月は、その様子を見る限りはやはり現時点で誰にも恋愛感情を持っているようには見えません。

そんな彼女からすれば、自分が誰を好きなのか、好きな相手が振り向いてくれるのかという歳相応の恋愛感情をぶつけ合い、またその一挙一動に悩む事ができる風太郎やその他の姉妹の事が羨ましいと感じているのではないでしょうか。

二乃の幻影の存在が意味するもの

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学園祭のオープニングアクトに登場した二乃。彼女はそれによって、一気に学校内での知名度が上がります。

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学校内で追われる立場となった彼女ですが、脱出ゲームに興じているにも関わらず、何故か広場にいるという情報が入ってきます。これはどういう事なのか?

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これはおそらく、一花が変装した姿なのでしょう。

まず、三玖は屋台に張り付いていましたし、五月は教室内で勉強をしていました。

四葉は色々な所に出没していたはずですが、描かれているシーンの時系列を素直に読み取るなら、このタイミングでは演劇の代役の件で居残っていた事になりそうです。

残ったのは一花です。おそらく有名人である彼女が学園を訪れる際、「騒ぎにならない」ようにするため、二乃に変装したものと考えられます。

 

さて、そこまでの話はよいとして、気になるのはこの事が及ぼす影響です。

もし、上の話の通りだとして、この事が99話内で完全に消化しきっていないのはとても気になるポイントです。

単純に上の話だけなら、一花が変装していたから二乃がもう一人いたのだという説明が99話内でされるのが自然です。

しかし、そうした説明が99話内ではされなかった。という事は、100話以降でその顛末が明らかになると予想されます。

問題は、わざわざその説明を先送りした理由が何かです。

これについて、おそらくは実際に一花が二乃に変装して学園を訪れる場面が回想シーンとして挿入されると考えられるのですが、この学園を訪れる場面で一花に何かが起きた、あるいは一花が何かを目撃した場面が描かれるのではないかと考えられます。

それ故に99話の中では一花が二乃に変装した事について語られなかったのだと考えると、構成上の辻褄が合う気がします。

学園祭の波乱とは何か?

最後、気になるヒキで終わった99話ですが……今後、明らかになるとされる「波乱」の中身が何なのかは皆目検討がつきませんでした。

というか、候補がありすぎて絞りきれないというのがより正確な所ですね。ぱっと思いつくだけでも、

  • 一花(有名人)が学園を訪れた事で何かが起こる
  • 一花に起きた何か、あるいは目撃した何かが影響して何かが起こる
  • 二乃が有名になった事で何かが起こる
  • クラス内のパンケーキvsたこ焼きの争いが過熱する(売上競争?)
  • 四葉が学級長タスクで何らかのミスをする
  • 四葉が劇の代役絡みでミスをする
  • 風太郎が過労から倒れる
  • マルオが学園を訪れた事で何かが起こる
  • 五姉妹の実父が学園祭を訪れた事で何かが起こる(実父の存在の示唆については本ブログの前話[98話]考察記事を参照)

 

などと正直可能性があり過ぎて、何が波乱の種なのかは言い切れないですね……。強いて言えば、三玖が起因で何かが起きるとは考えにくいというくらいでしょうか?

この点で少し気になったのは、本話のサブタイトルとの整合性です。

サブタイトルは「初日」となっています。つまり、「初日①」とかではないのです。とすると、このエピソードで初日の話は終わり、次話は「二日目」となるのが普通でしょう。

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しかし、風太郎のモノローグは

学園祭初日は 無事に終わりなんてしなかった

となっているので、やはり何かが起こる(あるいは既に起こっている)のは初日の事なのは確かなようです。

とすると、次話でその「初日に起きる何か」の正体が明らかになるとして、しかしサブタイトルは「二日目」となると、その部分でどう整合が取られるのかは気になるところです。

この点について考えられるのは、以下の2ケースのいずれかとなります。

  • 次話のサブタイトルが「初日(夜)」などであり、実はまだ初日の話が継続する→風太郎たちが乾杯をした後に何らかのアクシデントが起こり、その様子が描かれる。
  • 次話のサブタイトルはやはり「二日目」であり、初日の様子はもう描かれない→初日で何かアクシデントが起きるのだが、その事が発覚する様子が二日目の中で描写される。

 

いずれにせよ、どんな波紋がもたらされるのかは大変、気になるところです。

個人的には、前の項で挙げた一花が二乃に変装して学園を訪れているという伏線が何らか影響しているのかなと思うのですが……。

知らないおじさんは誰か?

あとは、やはり気になるのは98話で暗に示唆されつつも、99話では全く話に挙がらなかった五姉妹の実父の存在です。

そういえば、学園祭を訪れた勇也は、屋台で働く三玖に対して、特に警鐘を鳴らすことはしませんでした。

これはそうした脅威が無いことを示すのか、あるいは相手が接点の少ない三玖だから声を掛けなかったのか? この部分は判断がつきません。

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また怪しげなのが、風太郎が道案内をした怪しげなおじさんです。彼がもしかしたら、五姉妹の実父なのかも? などとも考えました。

マルオや勇也と比べるとかなり年嵩の男性に見えますが、仮に零奈が結婚したのが当時の学校で同じく教師をしていた男性だとすると、このくらいの年齢でもおかしくなさそうです。

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勇也の前話でのこの発言からは、クラスメイト同士の同窓会を連想していたのですが、教師を交えて同窓会が行われる事もあることを踏まえた発言だとすると、整合性は取れています。

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ただ、この考えには一部大きな矛盾があります。それは、上の場面で勇也が

知らないおじさんと歩いてたりしたの見えたけど

と発言している点です

勇也が見た「知らないおじさん」が上のおじさんを指しているとは必ずしも限りませんが、素直に解釈するなら彼のことでしょう。

つまり、勇也はこのおじさんの事を知らないのだから、マルオと共に同窓会を開きたい相手でもない=五等分の実父(仮)ではないのです。

もしも勇也が「同窓会を開く相手」の現在の容姿を知らないのだとしたら、上の解釈は成り立たないのですが、現時点での私の考えとしては、知らないおじさんは本当に知らないおじさんだったというのが結論になります。

【追記】「知らないおじさん」発言は三玖のもの

よく見てみたら、この「知らないおじさん」発言は三玖のものなんですね。勇也の発言と勘違いしていました、失礼しました。

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微妙にその口調に違和感があったので、よく見直してみて気付きました……。勇也は息子を「風太郎」と呼称します。「フータロー」呼びは三玖ですね。

三玖に実父の容姿の記憶があるかどうかは分からないので、知らないおじさんがやはり五姉妹の実父だったという可能性は残るといえます。

まとめ

いよいよ次話は連載100回ですね!

一つの節目となる回だけに、トラブルだけが起きる回とはならず、何らかの前向きな変化も描かれると思っているのですが、99話のヒキからは不穏な気配しか漂ってきませんね……。

何かと気になること尽くめですが、まだこの時点では考えても詮無いことかもしれません。また次週のお話を楽しみに待つとします。

以上、『五等分の花嫁』99話「日の出祭 初日」の感想・考察でした。


§ 本記事で掲載している画像は(C)春場ねぎ・講談社/『五等分の花嫁』より引用しています。

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