あるこじのよしなしごと

妻・息子2人(2014生:小麦アレ持ち/2019生)と四人で暮らしています。ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、育児、その他日常等について綴っています。

【公式動画リンク有】『ホラーアクシデンタル』「特性のない男」「サンクチュアリ」感想

ざっくり言うと

ショートドラマ『ホラーアクシデンタル』の感想。「特性のない男」「サンクチュアリ」(1〜2話)について。心霊現象ではなく人間の怖さが表現された作品。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

オムニバスドラマ『ホラーアクシデンタル』1〜2話の感想です。いずれもYouTubeにてオフィシャルに公開されているため、動画についてリンクを張りつつ、各話の感想を書いていきます。

『ホラーアクシデンタル』とは?

2013年にフジテレビで不定期に放送されたテレビドラマです。各話7分程度のショートドラマで、現在もYouTubeでオフィシャルに公開されており、自由に視聴が可能です。

ジャンルはホラーなのですが、いわゆる幽霊や怪奇現象の類は登場しません。描かれるのは、現実でも起こりうる人間の怖さです。なお、大きな音などによって驚かそうとする演出もありません。びっくり系のホラー動画などが苦手な方でも、純粋にストーリーを楽しめる作品だと思います。

以下、公式動画へのリンクと感想を記載しています。短いドラマですので是非視聴して頂いて、その面白さを共有できればと思います。

1話「特性のない男」

動画リンク

タイトルの由来

オーストリアの作家、ローベルト・ムージルの小説。

ムージル著作集 第1巻 特性のない男 1

ムージル著作集 第1巻 特性のない男 1

 

感想

最初に気になったのは、男は女性と最初にエレベーターに乗り込んだ際、①既にターゲットとして狙っていたのか、それとも②出会いは偶然だったのか、ということ。

これは①でしょうね。狙ってじゃないと、あのタイミングでエレベーターに入っては来られないと思う。普通に帰宅してきて、エレベーターに駆け込む……というシチュエーションだとしたら、おそらく乗り込むのは間に合わない。

ただ、最初から彼女個人を狙っていたのかは分からない。色々な女性相手に似たような事をやっていて、その時の対応で気に入った相手、または隙があるとみなした相手を最終的にターゲットに選んだ可能性はある。

男は彼女を気に入り、探るというにはあまりにも直接的な手段で、彼女の住んでいる階数や部屋の位置を探る。女性も多少は警戒していれば……とは思うが、普通、そこまで警戒はしないのだろうか? 私が女性じゃないので、その辺の感覚が分からない。

最初の階数を知られたときは仕方ないとして、2回目に遭遇したところで「偶然じゃないな」と思うことができてさえいれば、自衛できたのかな……。

初回・2回目と自分が先にエレベーターを出た事で不安を抱えたが、3回目で男は先にエレベーターを下りていった。この事に安堵を覚える女性だったが、まさかその狙いが先回りだったとは思わないだろう。

動画という形でこの話を観る自分たちにしてみれば、先に下りた男を見て絶対に何かあると警戒するが、これが日常だったらそこまでは考えないと思う。何せ、仮に先に行かれたとしても、鍵を開けられる筈がないのだから。

しかし、男は解錠して室内にいた。しかも裸で。この話のピークが、部屋で男の姿を視認した時の驚きだ。一体何故部屋の中に? という疑問をすっ飛ばして、生理的な嫌悪感がゾワっと立ち上がってくる。

男は普通の服装から早着替えができた……訳は無いだろうから、全身を纏うようなアウターの中は既に裸(おそらく全裸)だったのだろう。そのことに気が付くと、また薄ら寒くなってくる。

ところで、男はどうやって解錠したのだろうか? 考えられる可能性は、ピッキング・合鍵・マスターキーのどれかだ。

ピッキングしているにしては入室までの時間が早すぎる気がする。合鍵を作ることが可能だったとも思えない。となると、残った可能性はマスターキーだ。

男はおそらくこのマンションの管理人の身内(たとえば管理人の息子とか)なのだろう。そのツテで鍵が利用できる事から、この悪事を企んだのだ。それ故に彼はこのマンションで"獲物"を物色していたのだと考えられる。

2話「サンクチュアリ」

動画リンク

タイトルの由来

アメリカの作家、フォークナーの小説。

サンクチュアリ (新潮文庫)

サンクチュアリ (新潮文庫)

 

感想

1話が女性が被害に遭う話だとすると、2話は逆に男性が被害に遭う話だ。もっとも、一方的に被害に遭っているとも言い難いが……。

1話の感想で、女性がどう警戒心を持つのか、どこまで自衛の心理が働くのかが分からないと書いたが、2話の男の心理は分かりすぎるくらいに分かってしまう。

最初は、無防備すぎる女性の姿に得体の知れない不安を覚え、そこから彼女の無防備さについて、少し心配する気持ちへと変わる。

しかし、携帯にメールが届き、その振動音に彼女が起きなかった事が、男に二つの気付きをもたらす。この音でも女性は目を覚まさないということ、そして、その事に無意識のうちに安堵している自分の存在についてだ。

男の中の後ろ暗い欲望は、彼女の正面に座ったことで更に生々しくなってくる。

今ならバレない。周りにも誰もいない。男はそう思っただろう。

ここまでの心理は割と理解できたのだけれど、男性の多数はここで男がやったような、携帯のカメラを使って彼女を盗撮しようとするまでには至らないんじゃないかと思う。

かと言って、実際に自分がこのシチュエーションになったとして、彼女に対して良からぬ気持ちを抱かないなどと断言もできない。むしろ、この状況を説明された際に「自分は絶対に覗きなんてしない」と言い切れる男は逆に信用できない(笑)

多くの男性は多分、偶然見えないかな……くらいの気持ちを胸に抱き、ある種の事故を期待して正面に座る。良くも悪くも、それが精一杯だろう。

しかし、この話の男はアグレッシブに携帯での盗撮を狙いに行く。おいおい大丈夫かと視聴者が思っていると、そこに予想外のフラッシュが焚かれる。

男はそこで、自身が罠にかけられていた事に気付く。

呆然とする男に、橋本マナミ演じる女性から飛んでくる一言。

「……どうする?」

これは怖すぎる!

どうするって、まさか一緒に静かな所へ……なんて展開になるとは到底思えない。素直に考えれば、男は彼女から何かしらを請求されるのだろう。

男の雰囲気や、仕事からの帰りに届くメール(女は当然、メールを男が受信した事にも気付いていただろう)から、既婚者である可能性は高い。女が写真をネタに強請るにはもってこいの相手だ。

更に言うと、女の行動には不安や迷い、淀みが全く見られない。きっと、何回も繰り返している行為なのだろう。

もし彼女一人だけで何度もやっているのだとしたらトラブルになる事は無かったのだろうか?  気弱そうな男だけを狙っているのかもしれないが、それよりもありそうなのは女のバックにヤクザ・暴力団などがいるという可能性だろう。

想像すればするほど、その恐さはより具体的になり、脅威を増していく……。

 

以上、ドラマ『ホラーアクシデンタル』1〜2話の感想でした。