あるこじのよしなしごと

東京の片隅で、妻と4歳の息子と三人で暮らしています。 ボードゲーム、読んだ漫画・本、観た映画・テレビ、遊んだゲーム、育児について、その他日常などを綴っています。

【公式動画リンク有】『ホラーアクシデンタル』「ホラーアクシデンタル」(最終話)感想

ざっくり言うと

ショートドラマ『ホラーアクシデンタル』の感想。「ホラーアクシデンタル 」(最終話)について。心霊現象ではなく人間の怖さが表現された作品。

こんにちは、あるこじ(@arukoji_tb)です。

オムニバスドラマ『ホラーアクシデンタル』最終話の感想です。いずれもYouTubeにてオフィシャルに公開されているため、動画についてリンクを張りつつ、各話の感想を書いていきます。

『ホラーアクシデンタル』とは?

2013年にフジテレビで不定期に放送されたテレビドラマです。各話7分程度のショートドラマで、現在もYouTubeでオフィシャルに公開されており、自由に視聴が可能です。

ジャンルはホラーなのですが、いわゆる幽霊や怪奇現象の類は登場しません。描かれるのは、現実でも起こりうる人間の怖さです。なお、大きな音などによって驚かそうとする演出もありません。びっくり系のホラー動画などが苦手な方でも、純粋にストーリーを楽しめる作品だと思います。

以下、公式動画へのリンクと感想を記載しています。短いドラマですので是非視聴して頂いて、その面白さを共有できればと思います。

最終話「ホラーアクシデンタル」

動画リンク

注意:本エピソードはシリーズの最後に観ることを推奨します

まず、最初に書いておくこととして、この「ホラーアクシデンタル」というタイトルのエピソードは、『ホラーアクシデンタル』という作品群における最終話となります。このエピソードが最初の話と誤解される方もいるようなので、検索等で本記事に辿り着いた方がいた場合を想定して、念のため注意喚起をしておきます。

特にこの話は、他の作品のネタバレに繋がるものではないのですが、ホラーアクシデンタルシリーズの各作品の内容を全て把握してから観た方がより楽しめると考えられるため、きちんと最後に観ることをお勧めします。

なお、下記に本ブログにおける各話の感想記事(感想の記述前に公式動画へのリンク有)を載せておくので、他作品をフォローされたい方は、こちらからチェック頂ければ取り零しなく観られるものと思います。

繰り返しますが、本作は同シリーズにおける最終話である点にご注意下さい。

感想

さて、ホラーアクシデンタル最終話。これまでの話はいずれも、ある女性が動画サイトで動画を見ているという体で描かれてきました。そのため、各話が終わった後には、彼女がどのように過ごしているかも描かれていました。

そんな彼女の部屋の中で、ちょっとした異変が起きているのは、このシリーズを見てきた方は皆気付いていたことでしょう。

その違和感について整理してみると

  • 押入れに何者かが存在する
  • 家人が与り知らない(?)所で冷蔵庫から飲み物が取られている
  • 女性の部屋に何者かが存在するのは、数日に渡る(あるいは何度も侵入を繰り返している?)

こんな感じでした。

女性の部屋には恋人または親密な男友達が部屋に来ることもありました。にも関わらず、その何者かは彼女の部屋に息を潜めて存在していたという事になります。何とも大胆不敵な話です(……誰が?)。

ホラーアクシデンタルの中では、一人暮らしの女性の部屋に男が侵入し、襲われるというテーマの作品が何度となく展開されました。ちなみに、その数は本作を除く14話中で3話です。割合、多いですよね。

それを踏まえてこのシチュエーションを見ると、動画を見ている彼女もまた、その動画の展開と同様に襲われるのでは……と思わされてきます。

ただ、上の動画を観た方はもうお分かりでしょうが、実際にはそういった展開にはなりませんでした。

ホラーアクシデンタルに限らず、本作を手掛けた三木康一郎さんの作品には、こうした視聴者の予想を少しずらした結末が用意されていることが多いのですが、本作もその例に倣っていました。

三木作品を見慣れた方や、また少し疑り深い方は本作のラストも予想がついたかもしれませんが、ストレートに騙された方も多いのではないでしょうか?

自身としては、おそらくこういうオチだろうというのは見えてしまいましたが、それでもこのシリーズの構成(ラストのオチについての視聴者の読みを外すための各話による積み重ね)は丁寧で好感が持てる作りでした。

全くそうした"下積み"がなく、単にこの話が最終話に置かれていた場合、この話が持つ印象深さは全然違った事と思います。

 

この作品はほぼ出落ちというか、結末が見えた時点でそれ以上の深掘りをする必要性は薄いのかなと感じますが、多少内容についても考えてみるとして……この女性がこんな事をしているのは何故なんでしょうか。

男の容姿は、よく見るとなかなか整っているようにみえます。とすると、女性はこの男を愛すべき(?)ペットのように扱っているのかもしれませんね。作中で為されていた暴力行為は、躾の一環だったとも考えられます。

注目すべきは、日中など、女性が不在の時でも、男は部屋を離れることがない点です。男が完全な監禁状態ならやむを得ませんが、冷蔵庫を開ける事ができている点から、男の行動は完全に制約されているわけではないとみられます。それなのに、何故男は逃げ出さないのか?

これについては、可能性がいくつも考えられますね。一つには絞れません。思いついたものを列挙すると、

  • 男が女性が好きだから(隷属する愛)
  • 男が女性を異常に恐れているから
  • 実は出入り口は内側からでも鍵が無いと開閉できないから
  • 冷蔵庫に手を伸ばした時はたまたまロックがされておらず(あるいは男が外しており)、基本的には動きを制約する枷が存在するから→但し、ラストシーンを見る限り、やはり鎖などで繋がれている様子はないので、この可能性は低そう。

などなど。

皆さんは、どの解釈がお好みですか?

私は、やはり純粋に恐怖による支配なのかなと思いますが……。

まとめ

三木康一郎さんの手掛ける作品はトリハダ、カクセイ、ドクロゲキ、シンドラ、そして本作のシリーズ続編にあたるホラーアクシデンタル2と多岐に渡ります。

続けて見ていると、やはり似たようなネタは出てくるもので、「こんな展開やオチは想像もできなかった!」といった感想を持つことは段々と減っていきます。

しかし、こうした作品の面白さは必ずしも"先が読めたかどうか"だけに依存するものではないと思います。

もちろん、物語や展開の先が読めたら、それだけで楽しかったり、嬉しかったりします。また一方で、簡単に先が読めてしまったことに対して落胆などの気持ちが生じるのも確かです。

ただ、仮に先が読めたとしても「この演出には受け手をこう誘導する意図があるのだろう」とか、「ここはおそらく深い意味は無いのだろうけど、深読みすると別の解釈も成立しうる」とか、そうした様々な楽しみ方をすることで、一つの作品に対する読解の面白みは何倍にも増すと私は思います。

三木作品のショートホラーはいずれもコンパクトにまとまっている事から、そうした思考を巡らす事が程良く楽しめる題材です。

ちょっと怖くて、ちょっと考えられる。

だから、私はこのシリーズ、また三木康一郎作品が好きなのだろうと改めて感じました。

ホラーアクシデンタルとは別の作品群についても、また考えを巡らせながら感想を書いてみたいと思います。(次は、ホラーアクシデンタル2かな?)

 

以上、ドラマ『ホラーアクシデンタル』最終話の感想でした。